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【一日の】塊と塊の繋芽【嘔吐】

1 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/10/21(金) 18:19:46 ID:o5vG6p1h
一日一回更新
チラシの裏
とりあえず
うんこだけど
てけとうによろしくちゃん

2 :名前はいらない:2005/10/21(金) 18:20:41 ID:o5vG6p1h
とりあえず昨日書いたもの


がなる霧笛
きしむ鉄骨
しろい手先
鋭さに絡まり
犇きに連なり
噛みあう
噛みあう
どこまでも
いつまでも
先の見える
軌道を描いて
車輪がまわる
まわるまわる
車輪がまわる

3 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/10/21(金) 18:22:53 ID:o5vG6p1h
朝、少女の小宇宙は漏れ始め
握りしめた封筒の意味さえも忘れ
鈍色の脚を引きずり
音のない火に爛れてゆく

4 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

5 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/10/22(土) 19:04:04 ID:IIkksDJa
しめやかな雨に
打ちひしがれ
影とまぼろし
掻き消える匂い
舌の粘膜に陽がしずみ
眼球の奥に月がのぼる
わたしたちはそれを見初め
木椅子の嘯きを抓みながら
最初の食卓につく

6 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/10/23(日) 20:26:46 ID:VH65OykB
おそろしい雲のはしごが
わけ隔てなく凍ったつちに突き刺さる
午後のひかりたちは自らの音をつちに埋める
子どもたちはドラム缶の周りを廻り続けている
やがてドラム缶のなか
延々と燻り続けていた火が
あの空の縮図に点ると
子どもたちは人となり
ひかりの芽を摘み
はしごを上っていった

7 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/10/24(月) 20:50:09 ID:QPJQfMFG
いつのかの
夢の日
瞼のぜんまいは
しずかに
兄弟たちに眠りをあたえ
それでも
刻まれていた空音を感じに
白鳥はありあけに孤独を告げてゆきます

8 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/10/26(水) 00:23:52 ID:5kvR0pKb
あめ玉は薄い風の羊膜をやぶり
もういちどだけ
はばたく練習をする

9 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/10/26(水) 21:10:18 ID:RwnRAn9h
疾患の犬はわたしに花の名を問う
わたしは疾患の犬にわたしの名を問う
花はわたしと犬を見あげ
滄海の胞子を投げすて地を喰らう
わたしは伸びる影に手を合わせ
疾患の犬はただただ嗅覚を研ぎ澄ます
わたしは犬を抱き
影にみちびかれ
花はそれを見て
また少し地を掘り進め
こうしてわたしたちは
また明日生まれ
かわることを問う

10 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/10/27(木) 23:38:35 ID:MTgj7pvB
受話器の向こうがわでは
喉のつぼみが綻び
もののけの弔いがみえる
透く影はそらを綯い
空家はしずかな閃きに満ち
蔓の青光りに掻き暮れる

11 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/10/28(金) 22:24:36 ID:9nWB/Amu
袋小路のその先を進むと
塊はじきに鳥を襲う

12 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/10/29(土) 21:54:13 ID:+qKV7od6
うずくまっている
音は色を成さず
螺旋の塔に
野性のがなりが
這いまつわる
裂いた空白を埋めるべく
音は今もまだ
階段を逆巻いて

13 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/10/30(日) 20:52:12 ID:sdB1LsQ7
瞳を曲げた花は天をめざす
曲げてなお
まみえるもの
すべては空の業を背負い
根は疾うにさざなみの
揺りかごのなか
やすらぎを刃に
変えざるをえないことを
拒むことで
どこまでも泥臭く
生くるがゆえ
綻んでゆく

14 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/10/31(月) 19:29:26 ID:8JOCi/kY
凍原のひたいに
骸がひとつ
空白と句読点の
なぞるもの無き
虚空をたずさえ
火と緑の荷車を牽き
牙の輪を掻き遺してゆく

15 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/01(火) 21:19:46 ID:mbkXZFyf
疼きのような刹那の光陰が
どうしようもないくらいに
根茎の恥骨を叩く時
いつもわたしは
犬を見上げる
鎖で繋がれた犬を見上げ
わたしは大地に
生かされてはいない事を知り
あらためて犬のしるべと為るべく
月の盈虚に薫りを乗せてゆく

16 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/02(水) 23:11:12 ID:8KKLnOpI
酔い痴れるたびに
おれたちは
明日を知ることを知らない
白痴のままで
見えない星をみるために
おれたちは
おれたちは
身を醒ますのだ
正確無比な銃弾を
明日の何かに撃つために

17 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/03(木) 21:56:39 ID:QOXTyw84
高らかなる静謐から終りをむかえ
凍て還る春の日のあなたは
紺碧の流線のさなか
角ばる活魚の尾びれに曳かれ
どこからか降りくる雑木林の呻きを
もう零れることさえ惚けた
ふるびた肉の器に閉じこめ
わたしのちぎれた足と手を
六十年前のひかりを注ぎながら
いずれは迎えいれるはずの
かぐわしい眠りの園を
唯一偽りのない笑みで
仮初にしてゆくのでしょう

18 :‡†‡:2005/11/03(木) 21:59:50 ID:/85mZuDf
てめーら全員死ね


19 :‡†‡:2005/11/03(木) 22:00:34 ID:/85mZuDf
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね

20 :bottom in the depths ◇hmvCcJH4do:2005/11/03(木) 22:05:20 ID:J6SvvI2I
18>
19>
以外すてち

21 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/03(木) 22:28:18 ID:QOXTyw84
>>18-20
久々のレスだなぁ
とりあえずありがとう。

22 :Y.TAKEO ◆GL19takeoY :2005/11/03(木) 22:39:01 ID:MRzEaG/h
>21 俺が保証します。あなた心が広い。頑張って下さいな。

23 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/04(金) 21:15:11 ID:db8ZO2MT
風を殺してゆくことで
意味を成していた神様は
いつからか独り言に
魂を吹きこみ
地を知らない鳩をぼくに魅せて
だけどぼくはそれを知らず
まいにち泉のほとりで
ぼくはぼくの問いかけに嘘をつき
どこまでも青い鳩の眼球にみとれ
まいにち足を鈍い斧で削ぎ
まいにち手を啼かない風に捧げ
まだ環は終りの外
ぼくの片すみの赤みだけが
流れていただけだった

24 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/04(金) 21:16:40 ID:db8ZO2MT
>>22
ありがとう。

25 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/05(土) 22:16:24 ID:QgWRztPZ
みずからの棺になる
穴を掘ることに
運命を悟った犬は
わたしを彫り
わたしは朔風の子として
生まれさせられ
それから
ゆっくりと
緑を食み
火を食み
ついには
犬を食み
そうして己が
運命を食む
その夢を
今宵も自ら
逆巻く結晶が
ひらひらと
ちりじりに
誘いつづけている

26 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/06(日) 23:35:28 ID:6ZExbaaM
清いものに触れると
汚さに気づきながら
本能だろうか
知らず知らずのうちに
手を合わせてしまう
今日までが
剥ぎとられ
明日がまた
貼りつけられ
それでも
わたしは
「願わくば」と
おまえに
さびしさを
さらしている

27 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/07(月) 23:42:42 ID:iXJWGJWc
子たるものよ
すべからく
詩に殉ぜよ

28 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/08(火) 23:41:14 ID:GKQmxIUZ
そらが割れ
手がでて
足がでて
牙がでて
平行線を
ぐんにり
ぐんにり
まげて
ふみつけて
くだいて
いびつな
点と線に
ちりばめられ
ぼくらは
それを
星と呼び
たましいを
灯すことさえ
いとおしいと
思わざるえなかった

29 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/12(土) 23:17:34 ID:h5ZsZaP3
2005/11/09

口をふさぐ事もしらないまま
こどもたちは雨だれのなか
ちいさな紙ひこうきを飛ばし
重みの檻の箱に住む
地べたのひとに
うそを染めてゆく

30 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/12(土) 23:20:01 ID:h5ZsZaP3
2005/11/10

しろい時を過ごす
過ごせば過ごすほど
無機質の下
くちびるだけがほころび
わたしは言葉もないまま
人間に生まれたかった
獏の夢をもむさぼり
今日また音を孕む

31 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/12(土) 23:21:34 ID:h5ZsZaP3
2005/11/11

屋根のつぎはぎを
剥ぎとる人は
あらたなつぎはぎを
すげ替える事をしない
その小屋のなか
ちいさないのちがあったことを
だれも知らないまま
ひかりは何周
宇宙の果てをみて
恐怖を覚えたのだろう
そうやって
剥ぎとる人は
ひかりの知らぬところで
今もどこかの小屋を
つぶらな眼をぬぐいながら
壊しているのだろうか

32 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/12(土) 23:29:15 ID:h5ZsZaP3
香水で満たされた洗面器のなか
火はおよぐことに疲れはて
わたしは顔を洗う事に疲れはて
剥離、剥離、ぱくり、ぱくり
火はわたしの顔を喰い
そしてわたしはまた照らされ
いまこの合致を号砲に
とりどりの鳥は
人知れぬ詩を
小瓶のなかに
満たしてゆく

33 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/12(土) 23:31:28 ID:h5ZsZaP3
風邪をこじらせて更新が滞ってた
見てる人いないと思うけど
一応報告。

34 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/13(日) 23:42:12 ID:POMZsXXY
虹彩は焼け
やがてぼくらの眼球は
おなじ塔を見つづける
たがう土のうえに蔓を伸ばしあい
絶たれた滄海の淵には
水気だけが交じりなじり合う
塔は絵のようにぼやけてしまい
絡みあうことのないぼくらの光彩は
ひかりにむしばまれ
やさしい冬の零時の鐘楼は
ぼくらの耳の裏に
雨の朝のしめやかな濡れ色を
円をえがきながら空たかく模してゆく

35 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/14(月) 22:28:14 ID:AFAYFZud
くもの糸
たぐり寄せ
降りくるものは
まだ見えず
もう手のさき
触れるものは
わたしの
うろたう
息ばかり


36 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/15(火) 22:17:24 ID:DeI/+9YY
わたしたちは
眠りのさなか
けものの皮を剥ぎ
朧げな沼に
ぼろ人形を
獲りにゆく

37 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/16(水) 23:39:21 ID:H8SOPYNS
ひしひしと暮らしが悶え
つたない杖は立つことを忘れる
かぜの切っ先はなお鋭い
くもはかぎりなく黒を装い
結晶の泉をせき止める
地面をしめす事さえできれば
杖はまだ立ちすくめる気がしても
最後の息のくぐもりは切り裂かれ
よどみない日は下半身を
くもに手向けようとしている

38 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/17(木) 22:45:07 ID:pWzGrSCg
つぶてに打たれ
走馬灯は白く白く
境界線はぬれてゆく
土瀝青の下
ゆるやかさに呼応しているは誰だろうか
境界線だけがぬれてゆく
走馬灯は白く白く
つぶてに打たれ
顔の上
かえり道が
ひろがる

39 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/18(金) 22:53:56 ID:wqW7vvHd
つま先が笑い
よじれゆく背骨
うしろには凪
怖ろしいほど
正確に静けさを削って
まえには音
逆巻く名もない鳥または魚
震える本能を奏でて
表裏一体の安易さを
踏みにじるとき
それでも受けいれる
いのちの息吹と胎児の死
信じるものでありたいと
空を見上げ地を慈しむ
つまさきが笑い
よじれゆく背骨
わたしは人の児でありたい

40 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/20(日) 00:15:15 ID:f3zHnRHI
むらがるほぐす
むらがるほぐす
むらがるほぐす
からまるたぐう
からまるたぐう
のみほす
のみほす
けだものとひと
いのちのくらべ
こっけい
こっけい
あさがなく


41 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/20(日) 23:43:42 ID:XD5YmZH9
季節の端
つあつあつあ
揺るぎもしない
音の均整
つあつあつあ
頭蓋から四肢
のびるのびる
世界の縮図
つあつあつあ
かけらと破片
零れおち
弾けても底はない
ただそこには
つあつあつあ
ひき寄せ
ひき離されて
音の均衡
鎮まる傷みの淵
荒む玉響のふしめと
つあつあつあ

42 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/21(月) 23:04:03 ID:TEueiCng
うわばみが舌を噛みきり
だれかに屠られた
偉大なことだ
死してなお
輪の外
亡がらの
まなこは燃ゆる
紙一重の
境のかなた
ひかっている
偉大なことだ

43 :名前はいらない:2005/11/22(火) 16:43:42 ID:leLT6bgA
ばかばかしく苦しく悲しかった夜に
歩いて公園まで行きました
ばかばかしく苦しく悲しかった夜に
鉄棒から月を逆さに見ました
ばかばかしく苦しく悲しかった夜に
ブランコで星に砂をかけました
ばかばかしく苦しく悲しかった夜に
砂は頭に降りました
ばかばかしく苦しく悲しかった夜に
誰かが犬の散歩に来ました
ばかばかしく苦しく悲しかった夜に
散歩の人はすぐにいなくなりました
ばかばかしく苦しく悲しかった夜に
堂々としました 我こそ変人!
ばかばかしく苦しく悲しかった夜に
家まで帰りました
カリスマの歌歌いながら

44 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/22(火) 22:48:59 ID:+ZQ86Iaf
ゆゆしい魂が
腕のつけ根から生え
まぼろしの土地にくれないが奔る
ああ、そなたの黙座の相貌に
たましいが生えている
たえまない群雲のうえ
そなたの相貌が見え隠れし
どこまでも凄む
一閃の奮い
感情の匙をすくう数多の影
灼ける日のように
揺れあぐむ
ああ、そなたは阿修羅

45 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/22(火) 22:51:30 ID:+ZQ86Iaf
>>43
誤爆?
それとも…
でもありがとう

46 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/24(木) 02:03:29 ID:hcX7SdcP
紙切れが届く
住所もしらない
郵便屋は
運命の匂いを頼りに
今日も終りを告げにゆく


47 :名前はいらない:2005/11/24(木) 23:37:19 ID:xQbH/2Kt
あなたの言葉好き
あなたの詩はこの世界ではなくて
あちらとこちらの狭間
私が焦がれてやまない
幻界の物語をつむいでる
限度を知らない言葉の奔流
あなたの周りには風が見える  

48 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/25(金) 21:09:15 ID:YsV0fQ2m
>>47
ありがとう。

49 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/25(金) 21:14:36 ID:YsV0fQ2m
宇宙の味がする
なんとも悩ましい
濃く酷な味だ

50 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/25(金) 21:16:40 ID:YsV0fQ2m
くらげのくちびるには
愛憐のわらべがこびりついている
無垢な愛欲がこびりついている
そこには今もひかりが貫いて
わらべはまだ母を知らないまま
くらげのくちびるにこびりついている
くらげは硝子の夢を被り
唾液をゆっくりと
わらべに寄せてゆく

51 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/27(日) 00:07:16 ID:QUOu1elL
だれかの瞳が刺していて
けものの眼は潰れている
あなたの目を食べるころ
わたしの芽は花をかかげ
この子の傘を創るでしょう
その子は暈を廻りはじめ
おまえの獣を癒すだろう
ひとりが銃に鉛をつめて
ふたりの寒さ分かたれて
わたしは感じ涙をしずめ
けものは子を抱きとめる

52 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/27(日) 23:55:43 ID:QUOu1elL
そこには薄幸の女たちと冬の横顔だけが
かみひとえの連なりで吹きでている
ふっちら、ふっちら、ふっちら、ふっちら
女たちは唯一かたい牙をのけぞらせ
また一つそれとなく歌を想いだす
つめたいまま蒸留された音色は
雨雪のしつこさによろめきながら
はれぼったい葉脈の影に凍みつく
ふっちら、ふっちら、ふっちら、ふっちら
ああ、そうだ、そうして
触れることを知らないまま
きっと脆いであろう四肢を
女たちは感ずるのだろう

53 : ◆zABAZSBt06 :2005/11/28(月) 00:32:42 ID:ZdBRWZxK
栄養失調のじゃが芋が
隣のじゃが芋に根を伸ばす
繋る為に
隣のじゃが芋も
そのじゃが芋に根を伸ばす
答える為に
しかし
所詮絡まった所で
繋る為でなく
伝わる物は無く
栄養失調のじゃが芋は
土に還る
じゃが芋は其を喰らう
そこで初めて繋る

栄養失調だったじゃが芋は
呼吸により空へ舞う

54 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/28(月) 23:03:10 ID:H7xucyLs
あすこの本屋には
だれの目にもとまらない
標本があるという
時にわたしの一日は
公園の腰かけと
ひとときの気休め
肉の声をかきわけ
延びゆく影のように
とめどなく流れ
よどみない風に
載せられてゆく
あすこの本屋には
だれの目にもとまらない
標本が昨日まであったっという
時にそれから
わたしの毎日は
頁をめくる風の声で
満たされている

55 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/28(月) 23:03:50 ID:H7xucyLs
>>53
ありがとう。

56 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/29(火) 22:48:00 ID:A7ltn037
高台のふもと
碧落のかなた
鍵穴を見つめ
鳥の残像が
独りを象り
群雲の残り火と
風に傾く焦土
見えない着弾点を
見失うはずもなく
指させば散り散りと
いびつな金屑の子守唄

57 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/11/30(水) 22:39:52 ID:OrZBWu2S
おまえ
の震えた耳
の奥
きらきら
と艶かしくひかる
夜の
道のり
と心地よい迷走
おそろしく魅入ってしまう
過ぎゆく
かたつむり
の粘膜
に似た
風の
足並み
を背に
ふたり
は惚け
そしてぬぷぬぷ
と沈んでゆく

58 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/01(木) 23:14:31 ID:NgiYgsOy
寝しずまった
けむくじゃらの毛に
そっと接吻をし
けだものは
闇にまみれ
さびしい児のため
児の家をつくりにゆく
なんといびつな愛欲の造形だろう
けなげな思考を巡らし
けだものは黙々と槌を打つ
ああ、どうかそのままで
ああ、どうかそのままの繋がりで
けだものよ
どうか児を食べないでほしい
どうか、どうか家が形を成すまでは
おまえの涙をわたしは見たくない

59 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/02(金) 23:38:39 ID:qUb+Qm3y
とくとく、とくとく
灯油が脈うつ
とくとく、とくとく
路傍のかたすみ
双子の少女が
とことこ、とことこ
岬を走り
灯油をかぶり
とろとろ、とろとろ
朝に満ちては
欠けてゆく
とくとく、とくとく
とくとく、とくとく
とくとく、とくとく
灯油の律動
刻んだ朝は
最初と始めが
洩らした終りと
むごい朝陽と
双子の笑顔と
しずかな種火と
調和のとれた
有無の海
交わることなく
母が忘れた
とくとく、とくとく
無為の子ら

60 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/04(日) 00:18:19 ID:8VQWzHPb
窓辺から頻りに打ちつけるものは
子らの悲鳴か、親のたわ言か
男の叫びか、女の血か
けものの恥骨か、もののけの家か
あなたの瞼か、だれかの足跡か
君の答えか、おまえの沙汰か
あの子の火か この子の轍か
我の閃きか、そなたの衣か
我輩の死か、俺の姿か
兄の拳か、妹の髪の毛か
姉の掌か、弟のまなざしか
母の目じりか、父の無言か
祖父の眼鏡か、祖母の乳房か
わたしか、わたしの日々か

61 :名前はいらない:2005/12/04(日) 02:49:09 ID:MApkp72D
睡眠

苦い口許から、
情無い空気を排泄する。
さりげなく死ぬ今と、
昨日をエントロピーする明日が、
無情の眠りで構築される。

虚無が今を殺していく

あなたが死に
これから私も死んでゆく眠り

62 :名前はいらない:2005/12/04(日) 03:03:32 ID:Zg7/nLYc
大変長い話、夏で
いつもこの日は、頭も夏で
ゆっくり、あやすみたいに。
…お休み。

63 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/04(日) 21:46:50 ID:pr69oVBm
わたしののこまやかな繊毛が
空と凍える樹を傷つけている
凛々としたおまえの繊毛が
空と凍える樹を繋ぎ留めている
互いの繊毛は交わることなく
空と凍える樹の真上と真下
互いの息を支う


64 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/04(日) 21:47:48 ID:pr69oVBm
>>61-62
ありがとう。


65 : ◆zABAZSBt06 :2005/12/04(日) 22:04:42 ID:ZdmjjE+C
>1
めっちゃファン
めっちゃガンガレ

【詩】
心の奥に溜めた塊
今吐き出す

嫌な臭い
見るに耐えない汚さ
耳を塞ぎたくなる音

しかし純度の高い本音

これが俺だ

文句は言わせない

66 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/05(月) 21:09:28 ID:4n3cMW1g
でも
みずおちの
国には
戦うつわものも
彫り終えた石像もなく
濁った音のなか
背骨をよじる
きれいな虚構が
無造作に堕ちる言葉を選り
天使を腐らせてゆくばかりだ

67 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/05(月) 21:13:27 ID:4n3cMW1g
>>65
ありがとう。
とりあえず書けるまで書き続けるよ

68 :名前はいらない:2005/12/06(火) 02:40:30 ID:Tnlc5PCh
膝を抱える夕暮れに
鈍色の思考が心を隠す。
屋根の下、部屋の隅
ぼくは脅えている。
楓は爽に喉元を絞め上げ
空気を震わすのは淡い恐怖

消えていく感覚
空気が2つに分裂して
僕は誰でもなくなった。


69 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/07(水) 00:20:23 ID:Jr62O20O
思考回路を隔て
またがるあれは
時の虹か
はたまた
瞳の明日か

70 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/07(水) 00:25:46 ID:Jr62O20O
>>68
ありがとう。

71 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/07(水) 23:29:19 ID:7VYPbjbM
机上の空瓶にわたしを生けるわたしは
蛍光灯の雫を浴びながら
微々たる背骨の退化に
ひどく懐かしい犬の名を想いだす

72 :名前はいらない:2005/12/07(水) 23:32:32 ID:t2EdV1vI
タロウ(犬)を思い出しました。

73 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/09(金) 00:11:48 ID:1dfVBXM1
なみなみと罵声が注がれ
欠けた陶磁器の鏡に
うつる犬の顔
みにくい顔を爪で裂く
依存する気配を嗅ぎ
背はいつも
たちどころに
月に臥せ
犬は夜をねり歩く

74 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/09(金) 00:12:22 ID:1dfVBXM1
>>72
ありがとう。

75 :名前はいらない:2005/12/09(金) 17:26:58 ID:0PDoLywx
1さん相変わらず美しい世界の物語を紡いでいるね。
うっとりするよ。沢山読ませてほしいな。

76 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/09(金) 23:59:29 ID:W/obMTFf
いつからか
いつのまにか
それとなく出づり
鴉のゆびは
寝息をくゆらせながらも
さえざえとした
犬釘に突っ立つ
その眼下には花壇がぽつねんと
意味だけを持たずかぎりなく広がり
点描と縫う空白でつむがれている
のだと
潰えた白
ゆだねて
やせた土に
魅入った鴉は
褪めた夢のなか
星を謳う

77 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/10(土) 00:06:53 ID:W/obMTFf
ありがとう。


78 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/10(土) 00:08:47 ID:kl/UFWKk
>>75
ありがとう。

79 :名前はいらない:2005/12/10(土) 21:08:34 ID:p/TqK5e9
破滅のような沈黙で
自ら光を放つ月が死んだ
秩序は沈黙に甘え
内心はお前も
俺も
命を果てた枯木のように

横たえなさい
濡れた傘が溢れる街に

叫んでいる。
償却される命が
隔世遺伝の醜い光が
空気を。空気を


80 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/11(日) 01:03:07 ID:3UoKhJh6
君よ
君がもしも
ぼくの仄かな
つぶやきを見つけ
この白い結晶を
投げすてているのなら
どうか片隅のこわねを閉じて
ぼくを塗りたくっておくれ
ああ、故に今日もぼくの肌は
ぬくい痛みに包まれている
きみの嘔吐の麗姿が
まだ象れるうちに
君よ
どうか片隅のこわねを閉じて
ぼくの黒い
ひとみに
臨む
まぼろしを
染め抜いておくれ

81 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/11(日) 01:03:36 ID:3UoKhJh6
ありがとう。

82 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/11(日) 01:32:27 ID:3UoKhJh6
>>79
ありがとう。

83 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/12(月) 00:42:34 ID:MvitpES6
みずたまりが怯え
けものたちの影や
いのちをほぐした体たちが
青のみちびきとともに
つららの舞踏会に伝ってゆく
つぅぅ、つぅぅ、とんぴしゃ、つぅぅ、つぅぅ、とんぴしゃ、らん
つぅぅ、つぅぅ、とんぴしゃ、つぅぅ、つぅぅ、とんぴしゃ、りん
どこからかこぼれ落ち
どこからか溢れだし
はじまりを迎えた輪舞に
わたしは枯ればみ
まばたきの独り歩きを止められず
それでも悲しい世界に足をのばす

84 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/12(月) 23:38:14 ID:2Gc6HYA5
草のかいな
草のかいな
草のかいな
おびただしい
草のかいな
軋りながら
草のかいな
草のかいな
草のかいな
おびただしい
草のかいな
母は満ち引き
父は痩せ肥ゆる
草のかいな
草のかいな
草のかいな
草のかいなは

85 :名前はいらない:2005/12/13(火) 01:16:28 ID:fXzVSM7T
光が虚構に翻弄して
苦痛の陰
仏は首に手を掛ける

虚像の街
張り詰めた風
神が容姿に卑下してる

水が落ちる
屋根のない世界
明日の身を案じて
人を嫌いになってゆく

人の死骸
鬱屈な脂汗
終りの合図
脳細胞に劇薬を

張り詰めた自我
殺された人の胸
顔面の切傷は私を寛容にし
体は冷えて動きはしない



86 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/14(水) 00:33:15 ID:S33Jop99
まだ声のうらには
灯りをまつ火の子らが
からだを掻いて
わたしをまっている

87 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/14(水) 00:34:20 ID:S33Jop99
>>85
ありがとう。

88 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/15(木) 00:40:12 ID:Njd/3RLi
わたしの病床の天井には
いつも青ざめた顔が泳いでいる
なやましく微笑む顔が泳いでいる
わたしが病めるとき
そっと囁く顔が泳いでいる
わたしの安堵ともに
わたしの畏怖ともに
しずかに
しめやかに
泳いでいる天井の顔に
わたしの本当の顔は
今日も鏡と水を拒みつづけている

89 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/16(金) 00:22:48 ID:yJmU2TK2
うつぶせた音
あおむけた声
二滴の彼誰時
ふたりのあなた
わたしのそばで
掬ばれ融けあって
今にも溢れだしそうな
わたしの指紋の
流線ににじみでる
わたしは
その流線に
触れられるものすべてを
するどく削った
遺志を混ぜ
こっそりと海を狩りにゆく

90 :花音:2005/12/16(金) 00:54:25 ID:Fo4u+xD1

涙は君のもとで やがてそこに眠る種を包み
小さな小さな祈りの花を咲かせるでしょう

私はここで 片隅に君を浮かべながら
新しい何かを求めて歩いていくでしょう

小さな花が 君の隠した傷を魔法のように癒すことを
いつかの約束にかえて

落ちた種が地面の中で春を待ち 
やがて可愛い花を咲かせるころに

ふたたび奏でられる歌声は奇跡のように響きあうでしょう
これは願いという言葉を超え、たしかな今の続きとなることを

私はあなたというひとつの心の中で感じているのです


91 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/17(土) 00:51:44 ID:/9u6jRsN
おそろしくも魅せられ
深緑にいざなわれた
むげなけもの道をゆく
なつかしい木霊のまやかしに
耳がほろびる
あられもない太古のにおいが
わたしの胃液を濃くしてゆく
この未開の密林のなかに
わたしの脚があるという
幾星霜もゆるがない
わたしの脚があるという
おまえのからだを
支えられたであろう
脚があるという

92 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/17(土) 00:52:34 ID:/9u6jRsN
>>90
ありがとう。

93 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/18(日) 01:40:15 ID:3cm8mIbf
姉弟は店の前
無表情な玻璃をへだてた
ひとつのパンにぼやける
今にも消えてしまいそうな
繋がりを頼りに
姉弟は姉弟でいる
血は追憶に剥ぎとられ
父と母の口元は
みずからの鼓動に
押さえつけられている
となりの店では
ブリキのおもちゃが
せわしく働かされている
このぜんまいの音は
ああ、姉弟のふかき奥
千尋のしたに流るる愛誦か
むかいの店では
老婆がもくもくと
まどを乾拭きしている
この枯れた音は
ああ、姉弟のあさき底
樹皮のしたに拒む血縁か
姉弟は店の前
無表情な玻璃をへだてた
ひとつのパンにぼやける
握った手が夕焼けになり
握り返した手が日の出となり
姉弟は日々
ああ、街のいろをすすっている

94 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/18(日) 23:36:36 ID:o7GH0FOc
句点を捏ねくりまわし
改行から濡れはじめ
接続詞を嘗めあい
句点はしろくもれ
紙の膜はあいまいに
そそりたつ筆圧は妙に
染みきったインキは
脆くもかたくなに
籠目のくず入れのなか
ことばたちは
わたしをにじり
わたしに求め
在らざるわたしと睦びあう

95 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/20(火) 00:08:11 ID:ssXVEC94
みなとのみなかみが
みなもとをみなおし
みなもからみなもへと
みならいのみなしごがみなぎり
みながみなれたみなそこで
みなみのみなわがみなした
みなづきのみなげ

96 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/21(水) 00:44:05 ID:cvce4HEy
壁があり
幾層にも
壁があり
やわい唇みたいに
尻みたいに
芽は吹き出る
円らな陰核みたいに
乳首みたいに
蕾は綻びる
艶やかな乳腺みたいに
月経みたいに
花は咲き誇る
たとえば君みたいに
貴女みたいに
手は別れる
それから僕みたいに
私みたいに
手は拒む
あれから百年後みたいに
過ぎたみたいに
樹が絡まって
我慢してきた分泌液みたいに
破瓜みたいに
壁は崩れる
それは胎児みたいに
二人みたいに
手を握るも
お前が見えても
俺は俺を見れないでいる

97 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/21(水) 22:22:26 ID:pJTy1/Y6
陰々と濡れる火が
幻聴のたもとを別つとき
ふたつの風
はだかのまま
銃声を抱え
羽ばたきを仰ぎ
少女は
羽をもてず
北へ北へと
疾駆する

98 :名前はいらない:2005/12/21(水) 22:46:16 ID:KeZa6Q3O
白き朝に
感情は無し
握り締める手の中に
種があるのみ
纏綿への思いと厚き氷
熱で溶かすか割って砕くか

99 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/23(金) 00:53:46 ID:ocgFgd8H
こわれてゆく
空っぽの
ゆるく
あてもない
逢引の場所を
ぬるく
とめどない
一匹の熱が
捜している

100 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/23(金) 00:55:26 ID:ocgFgd8H
>>98
ありがとう。

101 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/24(土) 00:17:08 ID:xq4Fs2hn
映写するほこりは
人になれないでいる
薄明かりのなか
千のまなこが揺れ
千のまなこが落とす水玉
千のまなこが弛む刹那
はじめての重みを
触れもみほぐす
映写されるほこりは
人にならないでいる

102 :名前はいらない:2005/12/25(日) 22:08:58 ID:b3/KIcLh
極光は幾層もの幻を隔て
視線の描く曲線が
あるものをないと
ないものをあると
音楽が鳴り止む前に
この身は一つの石を抱き
温度を壊していけばいい

103 :名前はいらない:2005/12/25(日) 22:13:12 ID:b3/KIcLh
bottom in the depths ◆hmvCcJH4doさん
読ませてもらってます
メリークリスマスです

104 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/27(火) 00:16:31 ID:bLJtJO+h
2005/12/24

神秘ではない
それは穢れである
穢れではない
それは艶美である
まなこが紅く書く道途は
いつも天邪鬼と
すこしの軌道のずれで
わたしの見るひかりを
邪になめずってゆく

105 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/27(火) 00:17:52 ID:bLJtJO+h
2005/12/25

ひいらぎの腕は
わたしたちを隔てる
夜はふたりを越し
ためらう物語は
佳境を失い
啼くための答えを
探している

106 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/27(火) 00:22:43 ID:bLJtJO+h
あからさまな静と動の衝突を
くねる未来が牽いてゆき
わたしのしかばねが
お前のむくろと
かさばり合って
理由もない転生を
遂げようとしている

107 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/27(火) 00:28:29 ID:bLJtJO+h
報告
個人の事情で更新できなかった。

>>103
ありがとう。
せっかく見に来てくれたのに
更新してなくてすまん
一日遅れだけど
メリークリスマス。







108 :名前はいらない:2005/12/27(火) 00:56:08 ID:BI48ef6z
>>107
レスの真面目さがいい感じに面白いですね。
このスレ、マラソン見てるみたいで楽しいです。
また書き込ませてください。

109 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/28(水) 00:58:02 ID:JRs/35f/
猫の青
犬の青
私の青
みっつの影
群青になり
猫の尾
犬の尾
私の尾
みっつの影
さびしい群青にしなり

110 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/28(水) 01:09:46 ID:JRs/35f/
>>108
ありがとう。

111 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/29(木) 03:22:06 ID:Z/ZR91R6
駿馬の如く
一日を掠める
忘却と瞳孔の穂
御霊の豊麗が
霞にたゆたい
田園の睦まじさに
其は右腕の鎌で
馬脚を刈らん

112 :中村タカ子:2005/12/29(木) 04:13:19 ID:J+KWmlrn
謙、涅槃で待つ。

113 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/30(金) 02:29:47 ID:unPQd7b5
ただれた肌
夢見ぬ我が子を
さすっては
天に昇らんと
綿は風の息に
星をみる


114 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/30(金) 02:30:44 ID:unPQd7b5
>>112
ありがとう。

115 :◇PLAYBOYc7c ◆VGMdSbKWD6 :2005/12/30(金) 05:09:28 ID:Uc5KEfAs



プールの深さに

ぞっとする

底の見えない水の中に

もがいては次第に

沈む

光の照りかえしは静寂

自由のきかないからだを持て余し

やがて

あきらめる

夕闇に

沈む

プールの深さに

ぞっとする





116 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/31(土) 03:51:09 ID:uoMRkrXv
おらあいぞ、おらあいぞ
夕なぎの晩餐が始まる
砂の顔がさらわれた
汀では女たちの声
飼われている鎖の錆
有閑の深海魚
やっと掴んだ陸
母のへそ
独りわだかまっている木船
何のほとぼりもなく
おらあいぞ、おらあいぞ
もうすぐ火が頬に消える

117 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2005/12/31(土) 03:52:45 ID:uoMRkrXv
>>115
ありがとう。

118 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/01(日) 01:05:10 ID:uE5PUIUI
おもちゃがおまえの体のように
おまえの腕を傷つけている
境界線の向こう側に臨む
おまえの呼び名たちが
手招きをしている
互いの声を拾っている
死に向かうおまえ
生に抗うおまえ
性に逃げるおまえ
全てがおまえで
全てはおまえではない
そうなのかい?
断ち切れない繋がりのなか
笑いかたを知らないまま
引きつった唇は崩れ
お前は冬に埋もれてゆく

119 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/01(日) 01:12:53 ID:uE5PUIUI
いい忘れた。
あけおめ。

120 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/02(月) 02:07:54 ID:4/mYCnWv
狂いとは中庸の中心
わたしの痺れる手のひらの中
縮こまり冴えかえる恋人である
純然たる姿で
春を抱く恋人である

121 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/03(火) 00:58:46 ID:nlJbg3h1
女を抱きとめる文字たちは
零れるも溢れるも満ちるもなく
歯車を色彩へと狂わせてゆく
女の本能を押さえる女の者たちは
透明な手を思考に焼べ
歯車を白黒へと狂わせてゆく
ふたつの狂いがうつつを創りあげ
まだ女は虚ろな瞳で息をしている
ああ、まだ幸はそこに在り
ああ、まだ幸はそこに在りえないでいる

122 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/04(水) 01:19:13 ID:zliqmlQ3
徒然に無言のまま
徒然に歩む
地には花が咲き
天は青く
わたしの心臓は躍っている
徒然な美しさはすぐそこに
まだ見たこともない
正しさを掴み
握りつぶす暇さえ
ただ徒然に

123 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/04(水) 21:28:09 ID:/JdtfHT7
少年たちの山に聳えたつ
巨きな巨きな夜を見た
じっぽんの指先が
燐光を吹いている
なめらかなからだは
少年たちの女神を
しずかによわよわしく
包みこみんでゆき
少年たちの山
ばらばらに野に散ってゆく


124 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/05(木) 22:56:15 ID:qPCWTWc+
短くて濃い夢を食べました
炎が溶岩みたいに喉を焼いてゆきます
人ではないヒトの味です
長くて淡い炎が言いました
「もう、疲れたよ」と
短くて濃い夢を食べました
そしてそのあと
わたしは食後の夢を食べようとしたとき
どこからか悲しいオルゴールが
降ってきて告げたのです
儚くなんかありません
儚くなんかありません
炎はうつつのあなたのたましいだったなんて
儚くなんかありません
儚くなんかありません
まだお腹が満たされていないような気がして
わたしはそれから貪るように
どんな夢をも引き千切ってやったのです

125 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/06(金) 21:46:41 ID:G3NK2Rhw
つかみ損ねたような
かなしい読後感は
少女をさらに汚してゆくような気がしても
わたしたちはくちを鎖したままではいられない
子宮あらわに、きれいだね
子宮あらわに、きれいだね
たとえば監禁された鳥のつばさ
折れることなく散り果てた
たとえば死んでしまった猫のひとみ
瞑ることなくただ真っ直ぐに
たとえば少女の今とすこし後
いつわることなく偽り
こわれることなく壊れる
少女にしか知らない闇は
わたしたちの空の中でさえ抗えない
空寝の足跡
空想の隅
見え隠れする姿
子宮あらわにきれいだね
子宮あらわにきれいだね
ほら、壊れた

126 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/08(日) 00:26:36 ID:KpXvYipq
雪原の暗号を踏みしめながら
足は奏でられてゆき
うすい衣のうえで
おもい鈴が母を叫んでいる
女よどこへゆく
喋れないくちなら僕におくれ
閉じられないひとみで渇きを潤し
塞がれたままのみみに鳥は巣を作る
握れないてのひらには星を降ろそう
なにもかも理由を求めなくともいい
たとえ今はかなしみに泥む足だけでも

127 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/09(月) 00:01:28 ID:mB79wqs1
それからわたしの髪は凍み
あなたの毛で編んだてぶくろは解けてゆく
かいま見えた尖った骨と腐れた皮
あたかも深雪は愛人のように
わたしの選択をうばってゆく

128 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/10(火) 00:22:49 ID:5GY3vAH+
わたしには
音が在ってしまって
あなたにの風さえしらない
わたしには
音が在ってしまって
わたしの息さえしらない
わたしには
音が在ってしまって
ふたつの音さえしらない
ふたつの音さえしらないほうが
わたしには
音がないということをしらないで
死にむかうことができるだろうか
……しらない

129 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/10(火) 21:51:58 ID:6SMdZrpj
感傷、うなじ、けものの目
閉塞、二の腕、地を這う娘
乾いた寒空、ぼろのレコード
落として時刻、しもべが潤び
ちぎれて音、まわって音、不確かな、事
触れたくなって幌、触れたくなくて幌
駆け上り、今日、夢くだり、今日
囚われて、少女、うわ言に、飛べ

130 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/12(木) 01:09:26 ID:lPGlO0Zj
遠くから最後の空席の対向車が
地べたにうずくまる雪を轢いてくる
電信柱につかまっては落ちてゆく誰かの影
雲のすき間からは晦ましていた顔が
少女の本当の姿を蔑んでいる
行き先を知っているから
少女の足並みは止まることができない
轢かれつづけた雪が靴底で泣かされている
静けさはすぐ隣り
涙のない泣き声だけが
銀を歪めてゆく

131 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/13(金) 00:37:02 ID:u2W5/1ZL
鳥のうた
こぼれて
かさなって
わたしの耳
割れてゆく
きれいな帽子のうえ
顔がはがれ
とりとめもなく
土くれに堕ちて
わたし
わたしになる

132 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/14(土) 01:09:39 ID:KqdnbzGV
ぼくには繋ぎとめることはできない人
上辺を梳るすがたにけものは吠えるよ
ぼくも同じ肉の塊
何がしたいのか解らずに
煙草はふるえた手に熔けてゆく
かなぐり捨てたいぼくのあれは
ひろいひろい罪と
せまいせまい虚ろに
揺らぎながらも
しろさに傾いてしまうのかな
吹き荒ぶ夜、さらされた朝
だれも救えるはずもなく
今日ほどけものになりたいと思った日はない


133 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/15(日) 00:47:29 ID:hu7aKicm
奇形の子
笑いながら
けものに乗る
奇形の子
笑いながら
けものになる
奇形の子
奇形の子
奇形の子
笑いながら

134 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/15(日) 21:47:30 ID:jyusImml
陽だまりのなか
けものの涎と一緒に
わたしのうでが降ってくる
か細いうでのなか
血のかよわない子がふたり
寄りそいながら牙を探している
いつの日か見た風光
覚めることのない瞼の宴がはじまる

135 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/16(月) 21:58:58 ID:Z6fidnD5
ひとり言、ひとり歩き
ひとり言、ひとり歩き
うつぶせた顔、しろく、しろく
家捜しをする雀、はばたく、はばたく
雨や触れ、雨や触れ、触れておくれ
ひとり言、ひとり歩き
ひとり言、ひとり歩き
濡れてしずく、頬につたい
家もなければ、朝もない

136 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/17(火) 21:58:35 ID:COB9OuQF
なくしてしまった
存在のにおいを
犬がひろってくる
なぜだろう
わけもわらく
犬を殺してしまった
なぜだろう
母の皺がはじけた音がした
なくしてしまった
存在のにおいは
なぜだろう
なくてもよかった

137 :合鍵:2006/01/18(水) 11:50:17 ID:I7RjtGj6
「平面」

その日の朝、犬笛の音色が聴こえて来ました
その日の昼、私は耳鼻科へ足を運びました
その日の夜、私は処方された薬品を身体に含みました
その日の終わり、私は羽毛布団に埋没しました

この日の朝、犬笛の音色が聴こえて来ました

この日の昼、私は耳鼻科へと足を運ぶ予定です

この日の存在の耐え難き
存在の耐え難き
透けた譜面が確固たる形状にて24をぺてんに変え得る私の画素数
ただ、粗いのが口惜しい




…あの、いつも読ませて頂いてます。素敵です、頑張って下さい。
失礼致しました。

138 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/19(木) 00:22:52 ID:t0LDrOiy
その樹林の根元には
こどもたちがほころんでいたという
よわよわしく顔をうつぶせ
強い光彩の肥料に飢えていたという
どうしたらいいのかわからず
生まれ持った本能は
夜の明滅するまたたきにうすまってゆき
「あの空に咲けたなら」と
「あの星まで届いたなら」と
そうすることしかできず
どうしようもなく茎をのばしていたという
その樹林の根元には
こどもたちがほころんでいたという
その空っぽの根元に
その腐りかけの根元に
まだ咲き誇れたであろうこどもたちが
ほころんでいたという


139 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/19(木) 00:26:06 ID:t0LDrOiy
>>137
ありがとう。
うんこながらだらだらと更新しております。

140 :名前はいらない:2006/01/19(木) 22:40:16 ID:CTHvMUT5
いつも読んでます。
>>138の詩に感動したんで、お礼まで。

>>137 安部公房っぽいですね。

141 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/20(金) 00:31:30 ID:Xfr4P1RB
父の背中には羽がある
まるくまるくどこまでもまるく
はばたく事なくまるでいる
進化でもない
退化でもない
父の背中にはただ羽がある
飛べないのではない
飛ばないのではない
まるくまるくどこまでもまるく
はばたく事なくただまるでいる
喜びでもない
怒りでもない
哀しみでも
楽しみでも
憐れみでも
慈しみでもない
ただおまえのための羽が
まるくまるくどこまでもまるく
はばたく事なくまるでいる

142 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/20(金) 00:39:29 ID:Xfr4P1RB
>>140
お礼なんてとんでもない
こちらこそ
ありがとう。

143 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/20(金) 23:47:03 ID:pYtNsT17
縺れゆくおさなげな音たちの狂想

144 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/22(日) 00:21:47 ID:8ymTLvfe
犬はどこまでいくのだろう
どこまでいこうと
牙があり
爪があり
それらは鋭角に変わりない
どこまでいこうと
本能は風化することなく
風のなか漂うかのように
そう、母を喰ったのだ
にぶく倹しい肉の声
わたしはしろい渦中にはまり
こどもの頃の犬の音色を想いだし
夕刻は懐古の音楽に沈んでゆく
それでも母の口許はほほ笑みをつくり
ひゅひぅ、ひゅひぅ、ひゅひぅ、と
ああ、風のなか漂うかのように
それもまた本能であった

145 :長介ジュニア ◆kuJg2yitX6 :2006/01/22(日) 00:27:01 ID:nZtRlmPE
>>144
いいです。素晴らしいですこの詩。感動しました。

146 :長介ジュニア ◆kuJg2yitX6 :2006/01/22(日) 00:32:44 ID:nZtRlmPE
この詩に限らずどれも素晴らしい作品だと思います。
ありがとう。これからも読ませていただきます。

147 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/23(月) 00:51:39 ID:St0/WPfT
すぁすぁ、すぁすぁ、すぁすぁ、すぁすぁ
ああ、木枯しにとり残されたりんごの木よ
意味さえなくした真新しい鉄塔を見あげたとき
翠をなくしてしまった肩たちの上臈の水を見ただろう
何億もの肩を寄せあい流した上臈の水を見ただろう
かげもひかりも通わぬ透った上臈の水を見ただろう
すぁすぁ、すぁすぁ、すぁすぁ、すぁすぁ
ああ、木枯しにとり残されたりんごの木よ
どうかその実を落とし教えておくれ
わたしたちのなくしてしまった水の色は何色だったろう

148 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/23(月) 00:55:17 ID:St0/WPfT
>>145-146
ありがとう。
これからも頑張ります
じゃないなぁ…。
とりあえず書き続けようと思う。



149 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/24(火) 00:10:41 ID:61ogg7mU
空白の薄明をうめるべく
彼女は真昼間から
造花を挿した肢体についてゆく
にょっきりと佇むコンクリート群をかいくぐり
地深くねむる根をもわすれた路地裏へ
にごり風を切って造花の匂いに研ぎ澄まされてゆく
だからだろう、彼女はとても不透明だ
空白の薄明をうめるべく
彼女は真夜中に
喧騒の片すみでうずくまっていた
みずみずしい嘘のような造花と
真っ黒な肢体を見つけてしまった
とめどなく嗅覚が外力に犯されてゆき
涙腺のマンホールの下にひそむ瞳に手を差し伸べていた
だからだろう、彼女はとても不透明だ
でもなぜだろう、彼女はまだ昨日も明日もない
今日に生きている

150 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/25(水) 01:47:02 ID:cxvZ40Zj
逆巻く吹雪のなか
まばたきとまばたきの間
瞬間さえとらえる事のできない激情を
いつのまにか褪めかえった頬が感ずる時
わたしは始めからなにも持っていない事を知り
いずれ途切れるであろう路肩の残雪に恐れをなしては
永遠のように穢れ灰がかったこの空に瞳をひとつ突きたてる


151 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/25(水) 22:37:33 ID:9psPGQDY
衝動のおもむくまま
耳をちぎろう
どこまでも純に近い
直の心音に
旅立ちの魔笛を

152 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/26(木) 23:44:22 ID:C/3RN3B0
滾々となぜ流るる銀色よ止めては死せり生きてはとめどなく
生死を模した雪洞を中洲のわらべがかきむしり色もつかめず立ちすくむ
海の尾っぽ導いてゆくわらべの手牽いてゆくのは母か鬼か声だけか
分からずも過現未の流れに揺られ気づきしは瞼のおもて裏も無し


153 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/27(金) 23:42:28 ID:6ch2JX54
ひかりが強すぎた冬の朝
神々の二の腕でにて眠りに堕ちた男が
肌をこきざみに躍らせながら夢を創っている
まどろみのなか女が合唱しているのだ
ぶあつい唇が主音となって
からだたちが男の謳った空を裂いてゆく
女は髪を染めていた
キャラメル色に染めていた
髪だけは唱を愛さず
なぜかぬけ落ち
やがて雨となり男を起こす言葉となった
男は女を知りすぎていた
女は髪を染めていた
キャラメル色に染めていた

154 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/29(日) 00:29:02 ID:RT1oRAQd
もう何度目だろう
「する」
「しない」
どちらでもいいような気がして
どちらでもわるいような気がして
わたしは唇を剥ぎとり
汚水のような想いをこしらえた
樹齢を調べるかのように
年輪の児を目で追い
かさばり続けてきたモノが
喘ぎ、喚き、叫び、疲れはて
あなたの枕も知らないまま眠りつづけていた
それでもわたしは目を覚まさずにはいられず
寝台の敷布のぐしゃぐしゃになった顔に手をそえていた
もう何度目だろう
今日の朝もきっと右手の包丁には
切り刻んだ野菜とともにあなたの寝顔が
かなしく生まれることを拒む胎児に見えうつるだろう
「する」
「しない」
「しない」
「する」
「する」
「する」
「しない」
「しない」
「しない」
「する」
ああ、新品の包丁がほしい
もっともっと鋭い新品の包丁が
想いさえこさえる事のできない鋭い包丁がほしい

155 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/29(日) 23:25:20 ID:rWWuf4Ea
音像が
四散してゆく
さえぎり
くだけ
腹のなかのひと
星にかえってゆく

156 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/01/30(月) 23:48:13 ID:1l3wZpem
めくらの魚
頬をすぼめ
残酷な遊びを数えはじめた
うたかたの子、空へかえったよ
うたかたの子、時へもどったよ
もたげる身体
無力をおよぎ
禁忌の遊びを数えはじめた
うたかたの子、雲へさえずったよ
うたかたの子、野へなみだぐんだよ
それから婀娜めく魚
頬をすぼめ
覚えもない音叉に昇りはじめた
うたかたの子、波へうたっていたよ
うたかたの子、波へうたっていたよ

157 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/01(水) 00:50:40 ID:wmBhAMtl
師よ、畏れおおき師よ
きょうも憐憫の淵にて
犬がわたしを呼んでいます
冥府のふもとでは
少女がいくさ人に名をあたえ
盈虚の暮らしの端
女たちが輪をつくりながら
縮こまったままの人形の血に
弔いの牙をのけぞらせています
故にわたしのあたり一面は
ぼんやりとした生臭さで満たされています
師よ、畏れおおき師よ
震いとはなんでしょう
狂いとはどこまでゆくのでしょう
顔のない蛙のそばで灯火絶えた花の根が
おおきな胎動に包まれてゆくのがわかります
水辺ではけものをかつぐ子ら
裾野では群竹の肌が娼婦に見え
うらうらと不可視の形見をかざしています
さみしさに穿たれた星たちの冷めを合図に
とりどりの祭りがあり
とりどりの捧げがあり
とりどりの贄があり
ああ、どの恐怖も
人間としての衣を脱ぐ瞬間を
だれも知らない雨に打ちひしがれ
わたしのこの醜い詩想とともに
果ての街で身をうごめかせているのでしょうか
師よ、畏れおおき師よ
あくる日も瞳が記憶するのはなぜでしょう
さみしく崩れる感情があるのはなぜでしょう
気味のわるい風光がいざなうのはなぜでしょう

158 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/01(水) 00:51:25 ID:wmBhAMtl
故にまっさらな妄想と風がかがやく日
わたしは獣として歳を裂いてゆきます
なにものにも囚われてはいけない
なにものにも囁いてはいけない
それでも言葉はわたしを突き放し
夢をも掠めることのない孤独のしぶきをあげ
仮初のミューズを腐らせにゆくのです
模造のミューズを腐らせにゆくのです
師よ、畏れおおき師よ
あなたのそばで微笑む
ひどく美しい腐ったミューズの臭いが与える
なにものにも等しくむしばむ
その腐らせかたを教えてください
その言葉の腐らせかたを教えてください
その詩の腐らせかたを教えてください
わたしを腐らせたように
わたしの言葉の腐らせかたを教えてください
わたしの詩の腐らせかたを教えてください
師よ、畏れおおき師よ
あなたの畏ろしい腐らせかたを
わたしは今日も探し続けています

159 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/02(木) 00:56:59 ID:TKmRY8JN
もしも許されるのであれば
だれの体温にも圧されず
だれの体温にも訴えぬ
白雪の腕のなかで
おまえの温度をさわりたい
もう存在しないおさなごのような
するどくも刺さることのないつぶらな眼で
おまえの温度をまんべんなくさわりたい
ぬれた紅から蒸発するおまえの風も
感情が昇華し熔けだしてゆく白雪の水気も
もんもんとした静けさのなかのかすかな香も
おまえという濾紙をとおしたすべての温度を
わたしはわたしの穢れた眼でさわりたい
この凍えた欲情が許されるのであれば
もしも許されるのであれば

160 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/02(木) 01:11:50 ID:TKmRY8JN
>>158-157

昨日はどうかしてたような気がするし
そうでもないような気もする…
嫌だなぁ、あやふやにしてしまいたい自分、自己嫌悪な自分…


161 :名前はいらない:2006/02/02(木) 09:39:29 ID:pegXtp64
 
ド ン マ イ だ よ
                 ,.r'´
                ./
             ,r'´ ̄ ̄``ヽ、
           ,r'´         ヽ
          ./            !
          i  (●)     (●)  !
         _,..ィ   \___/   i
   _,.、-‐''´ ̄  i     \/     !
  F=       _ゝ
  `ー‐‐‐‐‐''"´  ヽ.                     /
             ヽ、             ,r'   /
              ヽ、._         /   /
                 `ー-‐-------イ     ヽ
                         ヽ     ヽ
                          ヽ     ヽ
                           ヽ     ヽ
                            ヽ、    i
                              `ヽ、.,,____!


162 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/03(金) 01:32:40 ID:BYMhknql
宙にぶらさがる
なまりいろの女の脂は
おいしそうに爛れてゆく
どの季節にもそぐわぬ
愛憐の風味をしたたらせ
しずかな方角の群れを焦らし
彼方からは味も知らぬけものが
横取りの姿勢に波打っている
ああ、方角たちよ
おまえたちの恐れるとおりだ
けものはいつも愛らしい
どこまでも無垢な食欲をもっている
ああ、方角たちよ
彼方のけものを見よ
なんとおぼろげな姿勢だろう
身をかがめ前足が大地に憂いている
ああ、方角たちよ
彼方のけものを見よ
そして差しだすのだ
寸分狂わぬ指先にて
女の脂がうるおす大地を灼く声を
ああ、なんという摂理!
なんとう危惧のときめきだろう!

163 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/03(金) 01:40:27 ID:BYMhknql
>>161
ありがとう。
そのAA和むなぁ…



164 :名前はいらない:2006/02/03(金) 11:00:25 ID:hUXAzzSO
なぜあえてそのAAを?って気がするけどもw

たまにふらっと読んでます。詩集あったら買っちゃう。

165 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/05(日) 01:56:03 ID:gZayl6Wl
内なるたましいの
ふりつもる日
突き刺さる言葉と
醜悪な容姿に翻弄されて
わたしは一点を見つめ
どうでもいい無を感じようとしている
顔の傷、手の首、踵の跡、心の薬
明けない朝、眠れない夜、届かない女、至らない無
変人狂人笑い笑われ
わたしは疾うに知っていた
外なるたましいの
ふりつもる日を
あなたはいつも生きているのでしょう

166 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/05(日) 02:04:22 ID:gZayl6Wl
今、彼のなかでは言葉が宇宙に見えている
どの星のひかりが女の望むべき答えのかわからず
もっとも孤独な凪のなか掴むものなく
言葉のひかりに瞳をかたむけることしか出来ないでいる
鈍くきらめく星は青い猫を殺したあと海の理由に泣き
鋭くかがやく星は想像に堕ち創造のため痩せ細ってゆく
薄くほのめく星は生くる花のための由来を掲げ
厚くぎらつく星は死せる水を持ちえて意味を断つ
濃くまたたく星は貪る快感に一瞬のかなしみを込め
淡くひらめく星は嗚咽のなかの心の意に犬の泥をまぶしてゆく
重くつやめく星はなぶられた雲雀の肉で矛と盾をなぞり
軽くちらつく星は娼婦の太股に双子の蛇をえがいてゆく
星どもはみずからの言葉をいつわりなく魅せてゆく
今、彼のなかでは言葉が宇宙に見えている
光年さきの未来の星たちのひかりは皆知っているのだろう
女が宇宙になってまだ間もないことを
彼が答えを選べないことを
ふたりが掴みあえないことを
だから星どもは光るのだろう
彼が女を忘れぬように
女がそこに広がっていることを

167 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/05(日) 02:14:52 ID:gZayl6Wl
色々あって
更新滞ってた

>>164

ありがとう。
詩集かぁ…昔はいつか自費でつくろうなんて
わくわくしていた青臭い時期もあったなぁ…
今も十分青臭いわけだけどw

168 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/05(日) 21:55:12 ID:gZayl6Wl
寂れた歩廊のさき
おまえの生きたたましいが
洋琴をひいている
おまえの馨しい女のにほいを
感じとったのはいつからだろうか
わびしい夜のしじまを背景に
のろわれた両の胸と手
悩ましい魄をぬぎすて
びくんびくんと脈打つ
青白い寝息はすぐそこ
わたしは素直に愛というものを
夜想曲にはしらせてゆく

169 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/07(火) 00:21:59 ID:2q2Mxoe+
わたしの目のまえで
ばらばらの肢体を
ためらうことなく
女は持ち去ってゆく
あの肢体は男か女か
いやひとではない犬だ
子をすてた親犬の肉だ
ああ、わたしは悟ってしまった
女もまたひとではない
恐ろしく魅力的な
ひとの塊をまぶした
ああ、肉だ
ただの肉だ

170 :名前はいらない:2006/02/07(火) 23:40:58 ID:6uKlubnU
まいどー酔いしれながらロムってます
肉ですよ肉、肉、
タイムリーな企画 時間はずれても大丈夫だから
ぜひアナタのえぐった「肉」の世界みせて欲しいです

ttp://book3.2ch.net/test/read.cgi/poem/1129140729/810  2/8 0:00までだけと杉ても大丈夫 待ってるね♪


171 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/08(水) 01:02:16 ID:sUbsJ3kV
きおくが抹消された
きおくが抹消された
おれの兄はだれだ
おれの姉はだれだ
おれの父はしんでいた
おれの母はしんでいた
しらない家の男がくちをわった
しらない家の犬がおそってくる
ふたごの姉妹がわらってる
ここはどこだ
ここはどこだ
おれはだれだ
おれはだれだ
しらない家の暖炉のそばで
ゆらゆら陽炎
ひとつの椅子が
おれをよんでいる
おれをよんでいる
きおくが抹消された
きおくが抹消された
なんだ
なんだ
生まれかわれって
おまえはだれだ
おれはだれだ

172 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/08(水) 01:07:07 ID:sUbsJ3kV
>>170
ありがとう。
覗いてみたけど終わってるぽいね
また機会があればと思います。

173 :170:2006/02/08(水) 02:32:23 ID:+Hiult3x
>>172
覘いてくださっただけでも感謝感激です!
勝手にロムファなのに不躾なコピペごめんなさい
あなたの言葉でどう遊んでくれるか興味がありました 無理強いしてスマソ
完全無責任ですがチカラのあるひとの埒外での深遠も覗いてみたくなったとです
真面目にフザケてますよータチ悪いのかな?でも違う角度も見てみたいっす(馬根
やぱこれからは止します でも 本当ありがとう 気を使わせてごめんよ 
・:*:・゚'★,。・:*:・゚'☆・:   オヤツミ〜いい夢を♪ ・:*:・゚'★,。・:*:・゚'☆・:

174 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/09(木) 00:35:37 ID:nxbr5z6F
あつぼったい
おまえの鍵穴に
熱を熾した
犬のよだれを
こすりつけ
単純な思考を
もよおそう
紅潮した月
墓石たちの千尋
苔たちのむつ言
けものじみた
単純な思考を
ふたりだけの
骨の部屋で
もよおそう

175 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/09(木) 00:43:26 ID:nxbr5z6F
>>173
ありがとう。
いやぁ、まだまだ
言葉に「遊んでください」と懇願している現状です
遊ぶ約束さえしてもらえない日々だなぁ。

176 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/09(木) 23:54:33 ID:ZV5n7ksB
が訊くとき
がささめく
がときに無力だ
が雨脚だとして
が誰が為に
が獰猛な羽になる
がぼやけ
がたそがれ
が卵子を生みすてる
がむらがり
がなぜむらがり
蛾あさになくなった

177 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/11(土) 00:55:32 ID:0s1jvCSX
罪びと
はしってゆく
まっくらな葬式に
まぎれて
舌をきりきざんでゆく
だれの鬼火だろう
ほろろん、ほろろん、ほろろん
ぴしゃん、ぴしゃん、ぴしゃん
だれの鬼火
ゆくえしらずの
猫をゆさぶって
いたずらに
猫をさそってゆく
罪びと
はしってゆく
血をしぼり
ことだまを捧げた
ほろはろ、ほろはろ、ほろはろ
ぴしょん、ぴしょん、ぴしょん
だれの鬼火
おびえてしまって
ないてしまって
罪びと
猫をまた
さらいにゆく

178 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/12(日) 01:58:05 ID:BPAWKEIA
滑空を餌食に
どうして上へ
どうして下へ
どうして左へ
どうして右へ
重力よ
どうして


179 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/13(月) 00:52:40 ID:7b/vJRXP
ひそまった夜
みみに手をかぶせると
木立のつんざきが伝ってくる
音よりもおそく
言葉よりもはやく
つんざきが伝ってくる
やがてわたしは吹雪にみまわれる
病んでは呷る
病んでは呷る
すこしの甘さをかじりながら
わたしは吹雪にみまわれ
木立のつんざきは掻き消えた
「だれのために冬にすがっているのだ!」
わたしの独り言が夜を裂こうとしたとき
その木立の影
まっくろな闇に
けものが一匹
みみに手をかぶせ
わたしのつんざきに
ふるえた舌を伝わせ
銀雪のしかばねに鳴るべく
吹雪をかじっていた

180 :名前はいらない:2006/02/13(月) 02:28:06 ID:ad/wFdYO
癒される・・・
違うなぁ、なんだろう・・・。
ともかく素敵な詩をいつもありがとう(´・ω・`)ノ 

181 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/14(火) 00:48:44 ID:SKl77qS+
沈黙という愛撫があるように
手がからまるだけ
わたしたち
名もなき
縁由と
朗吟の
雇いびと
やがて
わたしたち
熔けだして
外套に染み入る
臘月の兎
沈黙という愛撫があるように
わたしたち
史をしぼりあい
手がからまるだけ

182 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/14(火) 00:57:05 ID:SKl77qS+
>>180
ありがとう。
なんだろう
なにがしたいんだろうと
いつも自分に問いかけております。

183 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/15(水) 01:16:35 ID:BwF4aXZP
折節あなたは
がんじがらめの
模糊としたはにかみを
湖心からそっと波立たせる
きょうは畔のやわい土をほじくる
猫のゆびの皮だったでしょうか
きのうは麓のかたい土をえぐる
犬のゆびの肉だったでしょうか
たぶんあしたは骸のぬるい土をむしる
獣のゆびの爪なのでしょう
そしていつかあなたもじゅるじゅると
熟れた土へとよせゆく波となるのでしょう
ああ、酸の角ばりをぬぎすてるあなたよ
どうかわたしのためだけにうねってください
おおきく、ちいさく、たらん、とろん、たろん、とらん、たろとろん
あなたの波長が紡ぎだした
あなたの生まされた古里など
わたしは知りたくもないのです

184 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/16(木) 00:15:02 ID:2fblyG2d
君が凍えたいといったから
潮の案内人から教わって
やぶれた傘をさしながら
さざなみの公園をめざした
やがて嘘みたいな扉がみえて
君ははしゃぎながら
公園のなかへ消えていった
なで肩のすべりだいから
鎖骨のシーソーへ
むじゃきな君の
降りくるものとの戯れ
やがて上下の揺れに飽き
乳房のブランコから
膣のジャングルジムへ
君ははしゃぎながら
ぼくのなかへ消えていった
君をひろったずぶぬれた正午
ぼくはやぶれた傘の隙間から
道化がそそがれていたのをおぼえている
海のいろに囚われていた
ぼくの感情のいろは
そうやって言葉の海辺を歩いて
君みたいな純粋ないろを
やぶれた傘に誘いいれてきたんだろう

185 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/17(金) 01:26:13 ID:J6nIq9tk
どうしようもないくらいの
むじんぞうな感情に
なぶられる日
繋芽の綻びから
堕ちてくる
どうしようもないくらいの
不純な子ら
どうしようもないくらいの
届かない音
届けない声
届くことさえ
ままならぬのなら
いっそ
つついて
やぶって
かきだして
くるったような
言葉にしてしまおう
腐植土までの
かえり道で
どうしようもないくらいの
ふたり言を

186 :名前はいらない:2006/02/17(金) 22:10:41 ID:xj4GEUOs
>>185 みとどけ 
先日 何も届けられぬ儘、友は逝き 今は呆然自失で居ります
いつか向うで逢えた時にでもと思いますが 多分そんな事は
忘れてしまうでしょうね  まぁそれはもう少し先の話ですが

深い淵のなかから じんわり浮かびあがる 綾の色模様に
吸い込まれつつ覗きこむ楽しみをいつも有り難うございます
季節の変わり目どうぞご自愛ください

187 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/18(土) 02:39:03 ID:28/tX/OI
妄たるまなこをたずさえて
なわなわなわなわ
野に咲く娼婦を抱きにゆく
かぜに乱れて萌える声
さえぎる風もまた然り
なわなわなわなわ
さびしい草に肩よせて
侍る心はここ在らず
掴み握って空頼む
薫香追う追うたなごころ
然れど体躯に沁みこむは
浄罪乞う乞う酔いの自我
知らぬ男に女を獲られ
知らぬは我かと嘲う
なわなわなわなわ
頬を掠める野の緑淫
のすたるぢあによじ登る
女とおなじ月をみる

188 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/18(土) 02:56:12 ID:28/tX/OI
>>186
ありがとう。
安っぽい言葉で申し訳ないですが
ご親友のご冥福をお祈りします。

189 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/19(日) 01:30:46 ID:NRKoqR+L
まあるい
まあるい
顔のなか
三つ子の人さし指が
じゅうにの眉をなぞるとき
わたしはときどき因果を思う
びらびらとしたぬるい風が
どこからかやってきて
わたしのからだを掠め
いつもとおなじ眩暈をあおるのだ
「ああ、日の出の民よ
鍬をもってどこえゆく
おまえたちの村は
疾うにわたしの放した
犬に喰われたというのに」
ああ、いつもこの科白のあと
わたしはふと我に返る
ああ、おそろしい
あれはなんという幻想だろう
なんというわたしの前世だろうか
ああ、そして今まさに
三つ子が
じゅうにの眉をのぞっている
ああ!そのとき
薄れゆく意識のなか
わたしは目を疑った
三つ子の指が
鋭い爪に変貌してゆくではないか!
ああ!おそろしい!
ああ!ああ、ああ、あ

190 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/20(月) 02:27:56 ID:BQIiQyoQ
十字架のまえ
こんもりとした地面が
わたしたちの熱をちぎってゆく
やがてだれも知ることのない
すれ違いのなか
忘れてしまった音楽と
首のない人形と
いちまいの手紙が
くれないの空に刻まれ
わたしたちの熱は
世界の端と端でにじむ
おなじ風景に会う
はるかかなたからは
年老いた海のわらべ歌と
あおい洋服をぬぎすてる少女と
たがうわたしたちの吠えが
黎明の空から薄れてゆく
十字架のまえ
こんもりとした地面に
わたしたちの熱が
帰っていったのは
それから
たわいもない
六十年まえの
今日だった

191 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/21(火) 01:45:57 ID:2ZpO0X9a
足もげた
真昼の月が
神社の縁の下を照らす
おあ猫たちの佳日
欠けてゆく少女の嘔吐が
画用紙いっぱいに
鏤められてゆく

192 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/22(水) 01:50:25 ID:sPhvlSDg
駈け落ち
揉みしだく
絶えきれず
蠢いて
駈け落ち
言わずもがな
揉みしだく
春の吐息
裸をまだ
傷つけて
おまえへの
駈け落ち
帳をそおっと
降ろしてゆく

193 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/22(水) 01:54:14 ID:sPhvlSDg
>>191
おあ猫→あお猫

なんか
ふと自分のを読み返すと
誤字脱字が多いなぁ…
すんません

194 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/22(水) 23:47:17 ID:qA/f9gas
ああ、どうしてだろう
おまえの身体の
在りどころを
わたしは知らない
幾千の肉の樹に
おまえは蜜をぬりたくる
蟲たちの詩姦に
微笑と虚妄を飾りつけ
おまえは詠むのか
それでも詠むのか
わたしは虚無の裾野
おまえの瞳のなか
ああ、どうしてだろう
おまえの身体の
拠りどころは
わたしには
空しすぎて
恐ろしすぎて
容易すぎて

195 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/24(金) 01:41:32 ID:uOClTrUl
わたしは
知らない
わたしは
わすれて
わたしは
知らない
わたしは
知りすぎて
わたしは
知らない
わたしは
知らない
ざんこくな
よくぼうを
知らない
という名の
愛でる
けものらに
憑けて
いることを
わたしは
知っている
そしてまた
わたしは
わすれて

196 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/25(土) 01:55:49 ID:TMneGZ1p
くさった木に
しがみつく
ガス灯のした
紫煙の龍に
肩をよせる
一寸の宿



197 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/26(日) 00:30:31 ID:fb9ow4Wa
とがってゆく
白夜の少女
這ってゆく
みどりの少年
尖塔に吊るされたままの
あさやけ
消えてしまう
どこまでの腕
どこまでが腕
どこまでも腕
どこまでも
どこへでも
腕の帷幕
窓は鎖されて

198 :名前はいらない:2006/02/26(日) 20:35:36 ID:vL+peYMZ
悪魔!!!!!!!!!!!!!!
悪魔!!!!!!!!!!!!!!!
悪魔!!!!!!!!!!!!!!!!!
変態!!!!!!!!!!!


199 :名前はいらない:2006/02/26(日) 20:40:24 ID:vL+peYMZ
全て人のせい!!!!!!!!!!!!!!!!!
鬼畜!!!!!!!悪魔!!!!!!!!


200 :名前はいらない:2006/02/26(日) 22:17:59 ID:Sdn1UZXj

↑198-199 キニシナーイ !!  他スレも同様に貼られてたよ〜


201 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/27(月) 01:35:24 ID:XhbEBQVT
寝台から霞む
詩境の彼方
輪廻の舞台で
踊りつづける
夢おそろしき
何たる日
まどろみの手招きに
気づけばまた
寝台から霞む
詩境の彼方
廻りつづける
夢おそろしき
何たる日
何たるまなこで
何悔やむ

202 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/27(月) 01:47:01 ID:XhbEBQVT
>>198-199
ありがとう。
変態、鬼畜、悪魔、全て人のせいか…
なんかいくつか該当してるのかもしれんね。
先日、性格判断したんだよなぁ…
その結果がすごい当たってるていうか
読むと意識してなかった事に
気づかされてしまった感じで。
単にごまかしてただけだと思うけどね
自分がすごい嫌いになった。
だから毎日こんなもの
書いてるんだって納得もしたし…
荒らしのあなたにこんなレスしてるのも
やっぱりそこからきてるんだと思う。


203 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/27(月) 01:49:12 ID:XhbEBQVT
>>200
ありがとう。
なんか気にかけてもらって
すんません。
でもいい機会に
荒らしてくれたのかもw

204 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/27(月) 02:02:05 ID:XhbEBQVT
ってことでなんか仄めかして言わないのもなんなんで結果晒します。
bottom in the depthsはこんな人でした。じゃなくてこんな人間です。

性格
生き方が、しどろもどろと云おうか、支離滅裂と云おうか、その言動に整合性の欠けた生き方をしている事だけは事実でしょう。
幼児が云いたい事を云い、遣りたい事を遣りながら、尚かつ両親から、イイ子だと誉められたり、可愛がられたりしたいと云う欲望だけは、
強烈に持ち続けて居るように、貴方にしても、責任感や使命感に欠ける所が多く、強い本能的欲望を自分本位に充たそうとしながら、
同時に人には良く思われたいと願い、他人の顔色や世間の評価が、偉く気になるタイプだと云う事です。
そう云う矛盾に満ちた願望が、貴方に都合よく達成される筈が有りませんので、あちら、こちらに、様々な歪(ひずみ)が生じて来る事は、
或る程度巳(や)むを得ない事だと思います。貴方の心の中には、世間の常識から掛け離れた、感情中心、興味中心のシナリオが渦巻いて居る為に、
その演出方法を時々間違えて仕舞うタイプらしいと思います。

恋愛・結婚
結婚生活に於いては、経済的な問題や家計の遣り繰りの問題で、配偶者に不満を与え易いタイプです。
愛情やセックスに付いては、意外な演出も出来るタイプですから、或る程度の新鮮さを相手に与える期間は、比較的に永い方でしょう。
破綻が有るとすれば、それは貴方の責任感や倫理感の低さが、問題化して来た時で有るような気がします。

職業適性
好きで才能が有れば、芸術の世界や芸能の世界が、最も向いているような気がします。
堅いだけの取り柄のような職業や、大勢の人命が委(ゆだ)ねられているような責任の重い職業は、全く向いていませんので、避けた方が無難です。

対人関係
貴方が一枚加わると、纏まるものも纏まらなくなる。などと良く云われる事は有りませんか?
貴方の場合には、終始一貫した物の見方や考え方が出来ないタイプで、「朝令暮改」的にクルクルと考え方や態度の変る可能性が大きいのです。
社会的にも、家族的にも、もう少し揺れの少ない思考基準や、行動基準を確立する必要が有るでしょう。



205 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/27(月) 02:03:23 ID:XhbEBQVT
簡単に言えば嫌な奴です。てか文とか詩って芸術なんかなぁ…
今は好きっていう感情では書いてないし、才能もないしなぁ…

URL:tp://www.egogram-f.jp/seikaku/index.htm
気が向いたらどうぞ。

206 :名前はいらない:2006/02/27(月) 23:16:46 ID:jW4qx/B5
こんばんわ(´・ω・`)ノ
いつも楽しくロムらせてもらっています。
ところで、bottomさんは、男性?女性?いつも気になる。
男性的な視点が多い気がするけど、時々女性的で不思議です。

その性格診断、何度かやったことありますが、結果は全部ばらばらでしたよ。
一貫性のない・気分屋な人間ということでしょうねw 
ある時は、全てにおいてパーフェクト、今回は世間知らずなお坊ちゃんだそうです。

私はあなたの詠む世界が好きですよ。現実と幻想の狭間という感じが。
ほんと、詩集があればいいのにと思います。では(´・ω・`)ノ


207 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/28(火) 03:01:10 ID:Z/3EIW2N
お父さん
わたし貫かれたの
名前もないひとだった
笑顔が古びていて
むかしの恋人の飼い犬を
ずっと捜していたんだって
とてもちいさな背中で
背骨がきしんでいて
そこから絶えず
雪解けのしずくみたいに
地をふれたことさえわからない
うたをうたっていた
そのひと
わたしのため込んだ
こわれた音符がつむぐ楽譜を
燃やしてくれたの
説教じみた声は
いつもわたしのかわりに
わたしの不協和音を奏でて
はき捨ててくれた
お父さんもそうだった
お父さんがそうだった
お父さん
わたし貫かれたの
お父さんが
お母さんを貫いたみたいに
わたし貫かれたの
ねえ、きょう子犬をひろったの
いまは、そのひとと一緒に
あたらしい楽譜に子守うたをつむいでる
今度は逃がさないように
わたし貫いてゆく

208 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/02/28(火) 03:20:02 ID:Z/3EIW2N
>>206
ありがとう。
もしかして>>47の人と同じ人かな?
性別は一応男みたいです。
女性的かぁ…
>>世間の常識から掛け離れた、感情中心、興味中心のシナリオが渦巻いて居る為に、
その演出方法を時々間違えて仕舞うタイプらしいと思います。
ずばりこれなんじゃないかなとw
ある詩人に影響されてる部分もあるけどなぁ…
結論を言うとキモくて妄想家で変態なんだと思うw
というかあそこの性格診断って有名なのかな?
自分は3回やってみたけど結果は全部同じだった…



209 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/01(水) 01:12:08 ID:+LEodleO
もういちどだけ唇を犯そう
ぼくが思慕するただれた蝶に
だれも触れてはいけない
ほがらかな悪魔の
待ちわびた季節
噤むための音は終わり
のしかかってゆく静けさを
払いのけたさき
どこにもあるはずのない
泥だらけの指先が
いつわりの躊躇いを
ぼくにうったえるだろうから
もういちどだけ唇を犯そう
ぼくが思慕するただれた蝶に
だれも触れてはいけない

210 :名前はいらない:2006/03/01(水) 02:06:28 ID:tAIwtjiK
>>208 ・・・そうです47です。ばれちった(´・ω・`) 
私の言ってること三ヶ月前と同じですねorz
ちょこちょこ覗いて、たまにちょっかいかけてます。

その性格診断有名かも。私は就活の時期なんで、
適職なーんだ(・∀・)位の気持ちでやったのですが・・。
三回も続けて出たなら信憑性高いですねw
でも、妄想上等・変態結構ですよ。
そういうの好む人間もいます・・・ここに(ノ´∀`*)
なんか辛いことあったのかな〜?っていうのも、読んでてわかる(時もある)んで、
詩にして吐き出しちゃってください。

211 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/02(木) 01:29:10 ID:4uaSPfrj
ありもしない
最果ての朝
明かりのないへや
ちっちゃな、ちっちゃな
おもちゃのぴあの
少女かかえていた
かなしい煤のにおい
つたない動悸のような音色
きばんだ白鍵
シの音がでない
うすい壁ぶつかって
かさなってゆく振動
でもシの音がでない
さもない
最果ての夜
明かりもないへや
ちっちゃな、ちっちゃな
おもちゃのぴあの
少女いなくなって
かなしい空気の濃さ
消えうせた動悸のなごり
きばんだ白鍵
ひとりでに
シの音をかなでて
シの音しかでなくて
うすい壁ぶつかって
かさばってゆく振動
でもシの音しかでない
シの音しかでない
少女がかかえていた
おもちゃのぴあの

212 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/02(木) 01:47:24 ID:4uaSPfrj
ありがとう。
3三ヶ月かぁ…
なんかあっという間だったなぁ。

>>私の言ってること三ヶ月前と同じですねorz
同じでいいじゃない、誰かと違って一貫性があってw

てかやっぱりあのサイト有名だったのかぁ
占いとか信じやすいからなぁ…
なにわともあれ自分も春から新たな環境での生活です。
環境が変われば作風も変わるんかなぁ…
とりあえず吐きつづけれるまで吐きつづけていこうと思う。

>>なんか辛いことあったのかな〜?っていうのも、読んでてわかる(時もある)んで、
なんか見透かされているようで恥ずかしいなぁ…


213 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/02(木) 23:16:24 ID:ASjpYlao
この机の重心に
いっぽんの弔花を
ささげたとして
ぼくはどれだけその花に
ぼくを魅せることができるのだろう
どこの野花かはしらない
むしろ花そのものなのかもわからない
それでも一本の凛とした姿勢に
ぼくはそれを花と呼んでしまうのか
そして今日
この机のうえで
わずかな湿気を吸う
よこたわった弔花のように
自由に通い巡る
認識の牢屋のなか
絶えた花瓶の水を満たそうと
かぜの木漏れ日に
狂気をよそおっては
花の頬に手をそえ
ぼくは重心に魅えた
ぼくとともに
さよならの式を執る

214 :名前はいらない:2006/03/03(金) 02:41:13 ID:Rzfw2tgK
私が一貫性をもっているのではなくて、
bottomさんの世界に揺るぎない軸があるからだと思う〜。
新たな環境のもとで作風が変わっても、私の好きな世界はきっと同じまんま。

・・・今ちょっと現実に疲れてるんで、きれいな詩がなぐさめになる。
はぁ、どうもありがとう(´・ω・`) 

215 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/04(土) 02:10:20 ID:SVaE4Rkp
草木が萌え、誇り、枯れ
そしてまた萌えるころ
首輪もくたびれてしまって
ぼくらの捨てられたあの日は
わけもなく美化されてゆく
せまいケージのなか
ぼくらはひとつの本能をすてた気で
ふたつの野生を知らず知らずのうち
みっつの獣になすりつけ
ああ、牙と爪、牙と爪、牙と爪
暗やみと睨みあったあの日
ぼくらは触れられることをあきらめ
ぬくもりを纏わないあそびを覚えた
あなたを掻っ切りたいとおもった日
ぼくらは牙の存在におびえ
のびてゆく爪の鋭利さに本能を怨んだ
そしてだれかに囁かれた日
ぼくらはぼくらのために
よわいよわい想いを持寄り
ケージをつきやぶった
草木が萌え、誇り、枯れ
そしてまた萌えるころ
首輪もくたびれてしまって
それでもあなたのやさしかったにおいが
まだぼくらの喉元を突きあげている

216 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/04(土) 02:18:52 ID:SVaE4Rkp
>>214
軸かぁ…
自分のことって自分が思ってるほど
知らないことの方が多いのかもしれんね。

自分も頻繁に鬱っぽくなります。
たまには休んだり逃げたりするのも良いかと。
何はともあれお疲れ様です。
そしてありがとう。


217 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/05(日) 01:26:08 ID:jhqzes9r
手放されたものを還すとき
なにもないものことに気づかず
わたしはポストの前でまっている
とまらない指先で記された
封筒のなかの雫
宙に彷徨う
紅い少女へ
届いたのだろうか

218 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/06(月) 01:51:20 ID:R0G7kTzp
獣らの足跡
何処から沈み
何処で浮き上がる
鄙び蒸れ始めた
終わらぬ旅
何とも云えぬ
雪原の泥濘に
行き交う道は
清流を隠すかの如く
帰ること及ばぬ
酷く穢れた
泥の峠なり

219 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/07(火) 01:41:11 ID:i5bxGwx2
謎めいて
ぼくの白い妄誕
東に隔たり
西に患う
昇ることなく
沈むことなく
ただそこに
ただここに


220 :名前はいらない:2006/03/07(火) 22:34:10 ID:nVm2STov
>>219 あっこれ好き。
214ですが、最近また元気もどってきました。
すてきな詩をありがとう!

221 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/08(水) 01:21:19 ID:qobtIet2
さざれ、さんざめき
ふあ、ふあ、ぽてん、ふあ、ぽてん
ふあ、ふあ、ぽてん、ふあ、ぽてん
とじこめられて
ふさがれて
くらくて
くらくて
ふっ、ふっ、ぽとん、ふっ、とてん
ふっ、ふっ、ぽとん、ふっ、とてん
さざれ、さんざめく
さいて
ちぎって
わがねて
わがねて
おねがい
おねがい
嵐の消えるまえに

222 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/08(水) 01:25:22 ID:qobtIet2
>>220
ありがとう。
元気が戻ったみたいで何よりです。

223 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/09(木) 00:53:23 ID:7a8bg+pU
「ぼく、もう、疲れてしまって」
夕焼けぞらにかさなって
無表情なおびえがいつまでも遠く
渇ききった少年をなぞってゆく
たとえば暗んでゆく
蜩が想いでを亡くすころ
やつれきった空っぽの抜け殻が燃えたとして
少年よ、おまえのその儚さに踏みつけられた
花びらがそれでも夕焼けを臨むなら
なにも恐れることなどないんだよ
じんわりとにじみだした
いつの日かの捨てられたなみだも
いつから堪え忍んだその輪郭のかけらも
おもわず目を逸らしてしまった今日に
おまえのための桜があり
おまえのために散るものがいる限り
また今年も万面の夜空とともに
少年よ、あふれありふれた夏がやってくる
おまえのための種子なのだから
おまえのためだけの春なのだから
だから少年よ、今は
殺したいぐらいの青空に果てよ
だいすきな胸のなかで
ささやく風のなかで果てよ


224 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/10(金) 01:54:17 ID:YUIDiGE6
海の胎
はみでた
子たちの
ほおの音
ふきだす
子たちの
言の葉は
蒔いても
蒔いても
出てこずの
わたしの
大地で
くずれ哭く

225 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/11(土) 02:22:12 ID:menFDNir
やがてそこに
ぽっかりと穴があき
野放図に凹を画いてゆく
そしていつしか
ずんぐりと虚ろが
居すわっていった
なかに、なかへ、なかへ
包まるように
引力を謳った微熱を
空に埋め
だれかが
息つづけて
いることをしるす
日脚のみずたまり
生み堕とされたのは
嵌ることのない
凸、凸、凸
子たちは摩擦を
鷲づかみにする

226 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/12(日) 00:10:12 ID:8KBtTA7p
眩みは過ぎり付き添う日影
宵は眠り凍える卯月
身殺ぐ日々は涙を枯らし
鳥のように彼の地を目指す
飛び去りし跡に荒ぶ水面
濁す波状は果てては孵す
身殺ぐ日々は彩より彩し
染むように彼の地を目指す
いつ天をくだりいつ地をのぼる
その御霊の行方しらずとも
見えぬ太陽、霞む月
幻、儚き銀よ
過ぎ去る日々の痕のように
迎え来る日々よ絶えぬ間に

227 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/13(月) 01:25:32 ID:hDSH7xHd
海にでて
老人は
舟をつくった
ああ、生々しい
流木の傷をなめ
老人は
その皺に
舟を浮かべた
身投げした崖で
何もかも音を殺し
老人は
地平線に
水をささげた
どこからか
湧き出てくる
水がこわかった
舟は凪に癒され
凪は舟の背の
記憶をえぐった
老人は
舟を進めた
進むことしか
できない日に
老人は
やっと海にであえた

228 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/13(月) 23:54:54 ID:eC0K3enu
ひだりの腕から
ぱら、ぱら、ぱらぱら、ぱらら
なくなってゆく
抱きとめるときは
けもののように
突きはなすときは
にんげんのように
ぼくはヒトで
彼女はきっと
機械だ
立ち尽くした場所が
ぼくらの答えにならなくとも
無垢ないのちの終焉で
「ごめんね」の一言で
ぼくらのみぎの足の指先は
ぱら、ぱら、ぱらぱら、ぱらら
なくなってゆく
無垢ないのちの源で
「ごめんね」の微笑みで
ぱら、ぱら、ぱらぱら、ぱらら
なくなってゆく

229 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/15(水) 02:52:00 ID:L2o6AY68
食べてしまおうか、食べてしまおうか
食べてしまっても、いいのだろうか
いいだろう、いい、食べよう
食おう、食らおう、貪ろう
おいしい、おいしい、おいしい
ああ、おいしい、おいしい
ああ、おいしい、むなしい
むなしい、おいしい、美味しい
空はまだなくならない
君をまだとりきれない
私のまだみたされない
臓物の、きしきし、きしきし
きょる、きょる、きょる
ああ、わたし
どこまでも
つづいていないから
食べたい、食べたい
食べつくすまで
あふれて、こぼれて、おちてゆく
空からの言づて
それもやがて
食べてしまおう

230 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/17(金) 01:33:46 ID:VdQpqpPW
2006/03/15

夜のしたたる舞踏
ひとり姦しくさびしい耳の裏
たんとたん、たんとたん、ととと、たん、たん
とっととっと、たんとたん、とたんと、たん、ととん
たったとんと、たっとんた、たたた、とん、とん
ととんとっと、たたんとっと、とんと、とん、たたん
たたとった、とたとたんと、たっと、たっと、たん
とったんた、ととっんた、とんとん、とと、とん
たっとったん、ととったたん、たたっと、たとん
おまえの繋ぎ止めたかったもの
なにもなかったかのように
八日目、橙は咲きもれて
トタン屋根にはなにもない
トタン屋根にはなにもない
ただただ
ぎこちない雲の
すさんだ残影だけが
きれいだった

231 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/17(金) 01:35:11 ID:VdQpqpPW
かくまう軌跡をさかのぼり
ここに舞い躍る月日の嘔吐
悠久の魚の群れが
陸に這い上がる日
幾億光年が嗤いだす
こそばゆい時間の
こそばゆい場所
そらの底とうみの罪が
冷ゆ季節に無言の調をたらし
わたしのとぎれて散らばる過去は
どれもこれも刻む鼓動に嘘をつく

232 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/17(金) 01:38:40 ID:VdQpqpPW
報告
新生活の準備で
更新が滞った。


233 :名前はいらない:2006/03/17(金) 01:42:22 ID:BPC9ah4C
bottomさんお疲れさま♪

234 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/18(土) 02:32:16 ID:hJRrp26d
探していたものは
無人の駅の車掌が
見つけたかったもの
列車の貨物の物陰で
見つけられたかったもの
車両の内の車窓に
見つけたもの
探していたものは
見つめていたもの
無人の駅の改札が
見つめていたもの
閉ざされた空間に
踏みこんだ
ささやかな風の
乗客が残していった
見つけられなかったもの

235 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/18(土) 02:37:00 ID:hJRrp26d
>>233
ありがとう。
結構荷物があって
あたふたしております。

236 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/19(日) 02:03:11 ID:U+7eJHR9
狡猾にて泡ぶく
幻想に穿つ
男の後ろ姿
生きてゆく
背骨に伝わる
生活の重奏
乙女をさらった日
天使を授かった日
重なってゆく音に
気づかず
知らぬまに
男は羽を躍らす
飛ぶためではなく
覚悟のために
踏み出した
果てのない空

237 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/20(月) 01:39:14 ID:gAwyQhCu
蜘蛛たちの描いた
水もひかりもいらない花に包まり
双子の窓はもうぼくの手の温度を知らない
レースのカーテンは
ついに白という色を棄ててしまった
硝子一枚に隔てられた
すぐそこにある逢引の場所で
風と見つめあいながら
ふわふわ揺れ舞い踊った日を
想い浮かべ自慰に果てた
痺れるように錠は寂れてゆき
カーテンレールの掠れた声も今は昔
ぼくの存在していた証明も
ひかりとともに消えうせ
寝台はいつになっても
ぼくの熱をかっさらって
より鋭く冷えてゆく
遠い闇のなか
朝日の残酷な気配の前
ぼくはまた
眠りを忘れてしまった

238 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/21(火) 00:10:33 ID:+HwJk67I
からくり
からりら
糸を引きましょう
からくり
からから
小気味のいい
ステップで
かららん
かららん
夜にさえずる
ふくろうとも
お別れのあいさつ
できるかな
つたない指先
あたしの指です
あなたのそばで
まりおねっとに
ともしびを
鎮まりかえるのが
こわいのです
かららん
かしゃん
がしゃらん
どうか眠らないでください
ほおはう
はおう
ほう

まりおねっとが
わらってる
あたしのための
ともしびを

239 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/22(水) 00:35:33 ID:bZcutWQY
坂のした
猫の瞳
坂のうえ
猫の髭
坂のとちゅう
猫の姿態
猫の街
見つめては去り
去ってはいずる
猫の街
群青の朝
群青の昼
夜はない
坂の終わり
猫に夜はない

240 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/23(木) 00:16:15 ID:90LXfj66
午前五時
焼けおちた
ふたりのくちびる
もう吸いあうものも
見つからない
よっつの瞳
ふたつはシングルのベッドの上
もうふたつはバスルームのドアの前
ふたつの視覚
窓のすき間から
なんとない風が
ふたりの視覚を
ちいさなテーブルに誘いだす
古ぼけたポストカード
その裏に広がる風景
飲みかけのブランデー
艶めかしく浮きでた紅いくちびるのしわ
食べかけの青りんご
かじりついた痕はけものじみて
何もかもが違う
何もかも同じはずなのに
おまえと見つめる
ひとつのテーブル
たがう意識のなか
おまえの見たテーブル
わたしの見たテーブル
おまえの温度と
おなじ視覚にありたいと
わたしの奥に棲む
嘘と真実のけものが蠢いた

241 :名前はいらない:2006/03/23(木) 01:03:12 ID:c1sCldpB
いつも素敵な詩をありがとうです!
>>240は、なんとも官能的ですね・・・。
bottomさんの女性観ってどんなんですか?
差し支えなければ教えてくださいな。雅でない質問ですが・・・w

242 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/24(金) 01:36:03 ID:9OMtbtp4
かまびすしい会話のなか
生まれ来る絶滅の言葉たち
最後にわたしが絶えあなたも絶え
それでもあの朝日影は紅いのだろうか
だれも望むことのできなかった今日
もう色など必要なく
もう形など必要なく
もう存在など必要なく
それでも何かが
生きているとでも言いたげに
わたしたちのからだは
まだ温かったと
空の記憶だけが独り歩きしてゆく

243 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/24(金) 02:06:42 ID:9OMtbtp4
女性観なぁ…
ん〜何だろう難しい。
どんな女の人にも
ふとした瞬間の美しさがあると思うなぁ。
うまく言葉には表せないけど
喜怒哀楽のどれにも当てはまらない
感情と感情の狭間の感情っていうのかな…
それを見れた時っていうか感じたとき
いとおしいなぁと思ったことはあるかな。
って何となく詩的に言って誤魔化すw
というかこれって女性観じゃない気もするけど…

女性とは瞬間の美しさを隠し持つ永遠の神秘の象徴である

もっと現実的なことが聞きたかったのかも知れませんが
まぁこんな感じでどうか許してください…w


244 :名前はいらない:2006/03/24(金) 02:14:22 ID:2KSeZ9sW
戒めて律しようと
瞬きを必死に見極めて
肺胞が酸素を含んで、二酸化炭素が生まれた時
私はどっかの知らないカスを馬鹿にした



245 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/25(土) 02:27:36 ID:XyIy30L2
迎えいれたとき
銀色の道
銃の爪
雨の約束
表示する
コットンにたっぷりの月
とっても青いから
空と海と花と
鐘の咲く丘のうえで
あまりに長い日
帰り路に泣き別れ
低音の花火で
曲の無い
毎朝のように
明確な終演
眠気で抱えきれない回廊
しゃぼん玉のサーカス
視聴と思潮に夜の
心地よ合間に
風まかせ

246 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/25(土) 02:33:01 ID:XyIy30L2
>>244
ありがとう。
カスみたいに毎日更新しております。
いつまで続くんだろう…

247 :名前はいらない:2006/03/25(土) 22:27:22 ID:TTUWydTZ
>>243 bottomさん答えてくれてありがとです!
瞬間の美しさかぁ・・・さすが詩人・・・w
私の周りにこんな風に考えてる男の人いるのかなぁ。。今度聞いてみよう。

こんなに沢山詩を書けて、bottomさんほんとすごいなぁ・・・(*´∀`*)

248 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/26(日) 01:09:42 ID:bCAdxALm
悶える血液をさかのぼって
音あげる冬の階段
消えた罪を聴きながら
約束を書きなぐるあなた
扉は閉じられ
縛られたかげは
だれも口にしない
永遠のいろを抜いてゆく
「きっと、読まれることはないから」と
つたない文字は歩みとともに
とぎれてはぶれてゆく
こつ、こつ、こつこつ
こつこつ、こつこつ
しろい便箋はくろに侵され
こつこつこつこつ
こつ、こつ、こつん
きっとのぼりきったのだろう
「えん、んて、なか、た、よ」
あなたのさいごの言葉は
永遠に辿りつくことのない
永遠そのもののような
遺言みたいな恋文だった


249 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/26(日) 01:22:28 ID:bCAdxALm
>>247
ありがとう。
普通の男性なら
こんな事は思わないと思いますが…w

まぁ詩というか
たくさんの掃き溜めだからなぁ…


250 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/27(月) 00:53:36 ID:8XQ7I5qH
無題のハロウィーン
かみの毛
かさね
なまめかしい
海藻の嘘
深夜の浜
あまい砂
もらいにいった
子どもら
肢体
あと少しで
記憶の唇に乱れ
鳴くことのない
魚いっぴき
弧をえがき
孤をえがき


251 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/03/28(火) 01:50:40 ID:Q3AWjl0G
沈黙の季節があり
損なわれていくような
断面から逃げだそうと
残響に浮かんだ言葉たちは
青い手のひらの世界で
廻る、廻る、廻る、廻りつづける
廻る、廻る、廻る、廻りつづる
濁る、濁る、濁る、濁りつづける
濁る、濁る、濁る、濁りつづる
小さな渇いた世界で熔けあう断面に
また見失ってしまった次行の空

252 :こめつき虫:2006/03/28(火) 10:32:52 ID:X1waj8/N
今日の夜 心から信頼していた仲間が自殺した
午前3時の一本の電話 死んだと
体の震えが止まらなかった なぜか眠れぬ夜だった

仕事に生きた 身寄りのない男だった
彼の亡骸と ほんの少しの荷物が 今警察にある 
そして 私へ遺書があった
警察の人が電話越しに読んでくれた
お前と仕事が出来て 楽しかったと
夢ばかり追ってないで 早く結婚しろよと
自分が死ぬのに 他人の心配をしていた







253 :こめつき虫:2006/03/28(火) 10:33:37 ID:X1waj8/N
しばらくほってあった携帯の着信を見た
二日前 電話が来ていた
ただ ただ 泣くことしか出来なかった
こたつに入って一人泣き続けた

ふと見ると 涙で濡れたコタツ布団の上を
こめつき虫が のこのこ歩いてきた
そして 私の目の前で止まった
じっと 動かず まるで寄り添うように
あいさつに来たかのように
そして ただ 私はこめつき虫に謝り続けた
じっと動かず 聞いてくれていた
茶色の小さなこめつき虫が 温かかった



※あまりの動揺で何かせずにいられなくて、初めて書いてしまいました。
とても暗い詩でごめんなさい。あまりにタイミングよくこめつき虫が現われて
書かずにいられませんでした。あの人が挨拶に来たと信じています。長文失礼しました。

254 :名前はいらない:2006/04/10(月) 18:31:51 ID:VdswV9eO
bottomさん元気かなぁ・・・

255 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/04/12(水) 01:32:57 ID:r5NVDuie
2006/03/28

だれの目線にも触れぬように
亡霊は騒音にまぎれてゆく
ちりちりと錯綜する肉の声
反響の壁の向こうに
何か見えるものが或るのだと
僕らはそれをなんと呼び
僕らはそれをなんと叫んでいたのだろう
切符を買って乗りこんだ
行く当てもなく
亡霊とただ言葉を
触れあいたかった
外はひどい
天気

だった

256 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/04/12(水) 01:33:40 ID:r5NVDuie
2006/03/29

さびしさに怯えた者の遠吠えが
病みの峠にさしかかるころ
刹那の静謐がわたしの声帯に閃き
甘美な傷みに浸した夜空の下
わたしはひとつの諦めを感ずる


257 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/04/12(水) 01:34:15 ID:r5NVDuie
2006/03/30

囚われのぬくみを失った影たち
最果てへとすがたを晦まし
わたしは故知の踪跡に
ほろびた街のひかりを憶え
つちの粒を噛み歩を進める
いつまでもまぶれて
いつまでも知りえずに

258 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/04/12(水) 01:34:57 ID:r5NVDuie
2006/03/31

後々の凍えた陽を透すガス灯の目先
草の根をまとい柊の香りを摘みとる秋風の指先
漠然と居る空家の軋めく揺籃の爪先
そのとりどりの鋭き先
有無の毛の光彩に
わたしはつたない動悸で
舌を震わせ
犬を真似ても
見えぬものばかり

259 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/04/12(水) 01:35:31 ID:r5NVDuie
2006/04/01

おびただしく投射する風に舞って
見えなくなるまで尖った空で舞って
見えなくなることは無いから舞って待って
待って待って待って
声うらがえって
舞って

260 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/04/12(水) 01:45:44 ID:r5NVDuie
2006/04/02

つたうは天の無碍のむこう
荒野が鳴けるところまで
廻る星をゆび追えば
鈍いそらいろ麻袋
脱け出すものは息もせず
往々にして芽をつむぐ
軌跡をよせては弾きあい
意味を燃しては仄めかす
欠けあい散っては咲かせあい
歩みつづける花のいろ
咲かぬもまた花のいろ
荒野が泣けるところまで
有無のさかいをかき消して

261 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/04/12(水) 01:47:31 ID:r5NVDuie
2006/04/03

花のある場所などなく
それでも嗅ぎまわり探している
都会の犬は飢えている
影をもつぶして歩いている
掘ることもできずに
嗅ぎ当てることもできずに
わたしと同じだ
いないわけではないのに
凛と突っ立っているというのに
おまえと同じだ
わたしは
のすたるじあに
のすたるじあを
憎んでは
苦い味のした
蜜を探している

262 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/04/12(水) 01:49:08 ID:r5NVDuie
2006/04/04

あの女と視線があってしまって
あの女は視線をそらしてしまって
わたしは歩きつかれたのか眠ってしまった
あの女がながい髪を手で梳いていると
あの女のながい足がそわそわとわなないて
あの女にとりまいていたけものが見えてしまった
わたしはたじろいでしまって夢のなか
あの女を抱き寄せ目をさました
くちびるにはくっきりとした歯形が一つ
あの女もわたしと同じく住まわせていたのだろう
あの女とはそれっきり視線をあわせずに
くちびるを合わせあった
裂いてしまわぬように
傷めてしまわぬように
かなしいかなしい愛をたらして

263 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/04/12(水) 01:51:05 ID:r5NVDuie
2006/04/05

いつもと変わりなく
靴はじめんをけりあげて
まだ始まってもいない始点を動かしてゆく
ああ、そうだ
始点などあるはずもなく
そう、信じて終点を探している
急げば急ぐほど
犬みたいに
わたしは

264 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/04/12(水) 01:53:09 ID:r5NVDuie
2006/04/06

白濁の夜の帳が舞う
ばおあお、ばおあお
遠吠えする風の手綱を引いて
在らざるたましいとロンドを踊っている
不可思議の数の韻
因果をなぞって
言の葉の絡まりを
ほどいてゆき
夜は漆黒に変わる
犬が浜辺でなびいて死んでいる
ああ、それは呪い
在らざるたましいが今宵も
海原で言の葉をほどいては
また独り
詩人が溺れ
また独り
詩人が陸に
言霊をささげに
あがってくる

265 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/04/12(水) 01:54:48 ID:r5NVDuie
2006/04/07

弧をかたどって追いかける
棄てられた犬の独り言
ああ、それは風
自らの尾を喰らおうと
ひゅらん、ひゅらん
体躯が環となって
不全なウロボロスを装い
いちまい、いちまい
殺いでゆく肉
剥いでゆく肉

266 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/04/12(水) 01:56:10 ID:r5NVDuie
2006/04/08

ざんこくな空を見てしまって
ぼくは卑怯になった
ちぎれてゆく雲の残花
夢で追ったはずの
けものの類いをなぞらえた
首のないグリフィン
その先でつばさを囀る
麒麟をあやめようとして
温度をしらないケルベロスは
空をつきぬけた空で
なにかを待ち焦がれていた
ざんこくな空を見てしまって
ひどく明るい人のつくった夜に
月だけがひとつ愛想笑いをうかべ
ぼくは卑怯になった

267 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/04/12(水) 01:57:28 ID:r5NVDuie
2006/04/09

じんばろん、じんばろん
ここの時計は
すこしだけ遅れている
故にぼくはまだ今日に立っている
じんばろん、じんばろん
おまえの時計は
いま何時を指しているのだろう
考えていたあいだに
ぼくは明日に立ちくらみ
そして死んでゆくのだろうか
おまえの時計は
いま何時を指しているのだろう
もしかしたら
おまえの朝は
今日でもなく明日でもなく
昨日かもしれない
じんばろん、じんばろん
いや六十年前かもしれない
いや、そうか
ああ、「しれない」で迎える
おまえのいない朝


268 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/04/12(水) 01:59:06 ID:r5NVDuie
2006/04/10

まっさらに綯う
声は一つ一つ
己が道に咲く
野花を語る
まなざしの裏
まみえざるをえないもの
不器用であいまいな真実
まっさらに綯う
ぼくの道
君の道
咲く、野花は咲く
たがう道のした
根をたぐりあって
咲き、野花は咲き
まっさらに綯う

269 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/04/12(水) 02:01:56 ID:r5NVDuie
2006/04/11

とおいまどろみで
なにかとてつもないわすれものを
覚めることのない夢のなか
ひろったような気がして
それは声にみはなされた
誰かのつぶやき
伝えたかったもの
届けたかったもの
自分さえもほんとうは
ほんとうは
ほんとうは
そうかもしれない
そしてふたりは出会う
生きているものとして
ああ、見ろ、羽が生えた
とぶための羽じゃない
おまえに風をおくるための
おれの温みをおくるための
そのための羽だ
不器用なおれのための
そのための羽だ
おまえのためじゃない
そう、おまえのためじゃない
友よ、友よ、友よ
ただただ、あいたかった

270 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/04/12(水) 02:07:07 ID:r5NVDuie
報告。
引越ししてなかなかネット繋げなかった。

>>252-253
ありがとう。
もしかして>>186さんですか?
きっと届いたのでしょうね
あなたの届けたかったもの
ご親友が届けたかったもの。
なにか自分もなにか漠然としたものに
救われたような気分になりました。
そして身勝手ですが>>269を書かせてもらいました。
なんかすみません。
でも、ほんとうにありがとう。

>>254
ありがとう。
新しい環境に慣れようと日々必死です。



271 :名前はいらない:2006/04/12(水) 21:16:55 ID:3gCd5VKZ
久しぶりにbottomさんの詩を読めて嬉しい〜(*´∀`*)
最近、頂上の見えない山道を重い薪を背負って歩くきこりの気分wだったんで、
癒されます・・・・。しばらくそんな気分でしょうが。

こめつき虫さんの詩を読んで悲しくなって、>>269読んでさらに泣けた・゚・(ノД`)
ご冥福をお祈りします。

きれいな詩をありがとう。引越しお疲れ様です♪

272 :186:2006/04/12(水) 23:38:43 ID:i8Qrx9Nz
>>269-270
お気に掛けて頂き感謝いたします >252-253の こめつき虫さんではありませんが
素晴らしい詩を ありがとうございます
早いもので数日で三ヶ月経ちます 現実には届けたられなかったものの
bottom in the depthsさんのお陰で昇華されたような気になりました
こちらこそ救われ気がいたします こめつき虫さんも多分そう思われると…

新生活 環境の変化でいろいろ大変でしょうが
新鮮な気持ちになれますね
これからもこのスレ楽しみにしております でも無理はなさらないで下さい
本当にありがとうございました




  

273 :186:2006/04/19(水) 23:59:35 ID:G1LB+REW
Σ(゚∀゚;)  ひょっとして スレスト???? (((((( ごみょん )))))
PS: こめつき虫さん お友達のご冥福をお祈りします

274 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/04/24(月) 02:05:45 ID:pgjBNgN0
2006/04/12

なゆたの鼓動をきいた
崩れるほどにくるおしく
ぼくはそれを胸につきさした
冷めることのないように
いつか飛んでゆけるように
肉の軋みにひとつぶ
さんざめくなゆた
ぼくの脈に呼応して
ぼくはまたひとつ
ひかりをそらに
そらに燻らせては
なゆたに叫ぶ
かなしく
くるおしく
崩れそうな
ひかり
なゆた

275 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/04/24(月) 02:07:26 ID:pgjBNgN0
2006/04/13

密室にかけられた
ただひとつの天空の絵は
少女の双眸を犯し
窓辺にはことばの花瓶
挿すものを見つけられずに
枯れ腐っている
濃ゆい空気がみしらぬ紫煙をまとって
密室は、ひどく、ひどく、きれいになってゆく
少女は、べちり、べちり、と這いずりまわり
熔けてゆくことを感ずると
みしらぬ空音に手をふれた
天空の絵にはただれた男がひとり
まっくらな雲に少女を想っているような双眸で
ああ、密室はきれいになってゆく


276 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/04/24(月) 02:08:54 ID:pgjBNgN0
2006/04/14

十六連理の分かれ目に
あなたの両の手、片足の
ゆびと首根をぶらさげて
まんまるお月にいのりましょう
ばらばらのようで整って
機械のようにするどくて
母はそれ見て狂ったよ
父は見ずとも狂ったよ
兄は見たあと旅にでて
妹見たら咲き枯れて
弟のまなこ潰れてた
あなたの液が煌めいて
きらきら、きらきら、きれいだね
わたしはさらにほほ笑んで
あとの五連理うめるべく
あなたのみぎあし探してる
ほほ笑みながら振り撒いて
五月雨のなか嘘をつき
あなたのみぎあし探してる
ぬれることにはなれたから
きっと乾いた大地にあるのだろう
わたしたちの血とともに
あなたのみぎあしあるのだろう

277 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/04/24(月) 02:11:09 ID:pgjBNgN0
2006/04/15

うみの子、プールに入りたいといったから
閉じこまったような
春の日に連れてってやった
死産した落ち葉の夫婦や
優雅に溺死した空き缶や
くさってしまったなにかの捨て子が
そこでうつろな夏をまっていた
うみの子、うれしそうに飛びこんで
ぼくもつられて飛び込んで
さびれたかなあみを境に
ちがう世界のあお猫が
ぼくらを欠伸しながらわらってた
うみの子、すいすいおよいでは
夕日に飛沫をよせてきて
ぼくはそれを見て
「おまえはなぜ?」って口ずさんだ
とおい、とおい、春の日の
とおい、とおい、地の果てで
そこだけ閉じられた空間そのプール
うみの子、わらってた
るり色のひとみで
ぼくを見あげて
さびれたかなあみを境に
ちがう世界のあお猫は家捜しに
ぼくらを想って逃げてった

278 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/04/24(月) 02:13:57 ID:pgjBNgN0
2006/04/16

灰の人
へだてて
ぼくのいろ
コバルトに
けっきょく神という
いいわけで
粒のような銀になってゆく
そんな君だけの
理想と破壊の
わだちたち

279 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/04/25(火) 00:14:52 ID:4RUiyUA2
2006/04/17

鳥の意味をなさず
ぼくらは鳥のように
鳥の意味もなさず
ぼくらははばたいて
ぼくらは鳥のように
岩場に嘔吐を産んでゆく

280 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/04/25(火) 00:15:33 ID:4RUiyUA2
2006/04/18

かたるしすのように
型にはまってゆくのは
死んだけものの骨の髄
かさばってゆく自然の王
熔けてゆくのはぼくの声
あなたの雪崩れた音色の園で

281 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/04/25(火) 00:16:37 ID:4RUiyUA2
2006/04/19

重力に片寄せて
ひろがる点と線のむこう
死人が線を結んでゆく
祭りの合図はたからかに近づき
奉られたけものの本能を魅了してゆく
過ぎた未来に巡りの夢
過ぎる過去に遠目の儚さ
見たものが見たもののままで
在りつづけるように
しずかな、しずかな、咆哮が
冴えわたり消える
盗んだ果実はいずこへ
ぼくの瞳よ
在りのままで

282 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/04/25(火) 00:17:44 ID:4RUiyUA2
2006/04/20

重すぎて
落としたから
あなたが
取り逃がした
確かに
微妙に
つまり
思ったから
今のうちに
くっく、くっく、くっく
欲しくて
言ってた
何が
何で
ああ
それで
意味で
そうかな
そう
Re:Re:Re:Re:Re:Re:R...
くっく、くっく、くっく、く


283 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/04/25(火) 00:48:39 ID:4RUiyUA2
2006/04/21

犬が嗤う
水がこあい
寝床に棲む
鬼がいる
朝の陽に
照らされて
露の仄めき
水がこあい
こそばゆく
消えてゆく
あしばやに
消えてゆく

284 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/04/25(火) 00:49:57 ID:4RUiyUA2
2006/04/22

垂れ流しの季節
こぼれた額に
すれ違った犬の悪臭
人々の視線の先
ちいさな密度の
熱の山をのぼってゆく
ひとりの犬
ひとりのぼく
連鎖の環をくぐり抜け
ぼくの臓物は傷んでゆく
さえずる人を辿ってゆけば
投射された花の顔
すべてが止まってしまって
とぼつく人を辿ってゆけば
導かれた犬の巣
すべてがせわしなく
ああ、ぼくは言葉を落としてしまって
そしてあなたに会いたくなって
嘆いた永久凍土に砕け散る
ひとりの犬
ひとりのぼく

285 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/04/25(火) 00:51:47 ID:4RUiyUA2
2006/04/23

ひとみに咲いた海に恋をして
ぼくらははじめて人間になったんだ
いるかの上で月に吠えた日
ぼくらははじめて犬を生んで
陽に眩んでしまって
ひとつの唾液を絡めた日
ぼくらははじめてふたりになって
いや分裂してしまって
そう分裂してしまって
ぼくらはそれを「失う」と
砂のまじった
たがいの舌に記憶したんだ
ああ、犬が駆けてゆくよ
ぼくらの舌の裏
粘膜におぼれているよ
まだ出会って間もなかった
ぼくらのように

286 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/04/25(火) 00:53:27 ID:4RUiyUA2
2006/04/24

深淵のあるところ
まばらな藪のなか
わたし、生まれさせられて
ちいさなままでは恐いから
泥の羊膜をむさぼる
まだ陽はのぼらない
迷いのさなか
千の巨木
万の枝葉
その隙間からのぞく
誰かの相貌が
わたしを捕らえて離さない
震えがとまらない
たしかに時は流れ
四肢が崩れる夢をみた
頭蓋だけが重く垂れてゆく
かたわらで相貌が嗤っている
わたしの肌が
褐色から黄色へと
変わった日
鮮明になった
わたし、あなたまでの距離
生きるはずもなく
わたし、あなたまで
あなたまで

287 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/04/25(火) 01:34:45 ID:4RUiyUA2
報告…簡潔に言うと新生活にてんてこ舞いです。
しばらく更新は途切れ途切れになるかもしれません。
毎日書いてはいるんですが、ネットにつなぐ時間が…
すみません。


>>271
ありがとう。
頂上につく頃には271さんも薪も日光をたっぷり吸って
より頑丈に心身ともに強くなっていると思います。
成功を願っています。

>>272-273
ありがとう。
そして勘違いしてしまってすみません。
正直186さんのことがずっと自分のなかで
引っかかっていていました。
そこにこめつき虫さんいらっしゃって
いいきっかけがでこの詩が書けました。
本当はあの時書ければ良かったんですが
自分みたいな者が安易に詩にしてしまってはと思いまして…
ですが今は書いて良かったと思っています。

そして、こめつき虫さんも
勘違いしてしまってすみませんでした。
そして良き巡り合わせをありがとう。

288 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/04/27(木) 01:03:27 ID:Qt71LEpO
さびしさが凍えて
遠ざかってゆく
なにもないように
ぼくらはそれを
日に日につもらせて
卵白のような味気ない
日に日をかさばらせて
卵黄のような濃い
日に日を削りとって
くさってても犬には
わからないから
ぼくらはそれを
焼いてしまおう
凍えてしまうまえに
焼いてしまおう
焼ききれるまで
犬にはこっそり
真実と嘘をふりかけて
日に日に傷んでゆく
ぼくらの味をごまかして
なんでも犬にあげよう
ああ、つぶらな瞳にうつる
みにくいみにくいぼくらの
卵のからのような薄っぺらい
日に日な牙と爪

289 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/04/27(木) 01:04:34 ID:Qt71LEpO
さむいよ
さむいよ
ねがうほしさえ
みえなくて
ひえ
ひえ
かたまったおつきさま
ひえ
ひえ
どうかみつめないで
ひえ
ひえ
どうかどうか
けものになんて
なれるわけない
ひえ
ひえ
なけなしでほえた
ひえ
ひえ
ふるえることのないくうきに
ひえ
ひえ
ぼくののどをひとつ
ひえ
ひえ
ひえ

290 :名前はいらない:2006/05/16(火) 01:32:42 ID:YSlf9a8h
保守(*´∀`*) bottomさん忙しいのだろうな

291 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/06/17(土) 17:55:58 ID:TkboNrNc
体育すわりをしていると
こどくにおそわれるのはなぜでしょう
ぼくはときどき思います
せかいじゅうの人たちが
もしもすべて死んでしまったら
ぼくはどうなるのか
ぼくはもっとおおきなこどくに
おそわれてしまうのでしょうか
ぼくはそれを思うと
よけいにいまの体育すわりがとてもこわくなります
いまがとてもこわいので
ぼくはいつもねむってしまいます
ねむるとぼくは
すべての感情をふりきって
ぜんりょくで
せかいを
ひていします
ぼくはぼくがきらいです
キャッチボールができるようになりたいのです

292 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/06/17(土) 17:57:33 ID:TkboNrNc
ぼくはさびしい
まいにちまいにち
おもいのだけれど
きょうはとてもおもい
つまらないべんきょうをして
つまらないアルバイトをして
つまらないマスターベーションをして
つまらないゆめをみる
つまらないまいにちのなかで
つまらないじかんをすごす
つまらないぼくは
ほんとうにつまらないにんげんだ
からだがおもいので
いっそしんでしまいたいぐらい
ぼくはさびしい
あさはくるまがうるさい
ひるはにんげんがうるさい
よえるはひかりがうるさい
うるさくて
とりのめざましも
せみのなきごえも
ほしのまたたきも
ぼくのなかからきえてしまった
うるさいつまらなくてうるさい
しづかなしづかな胎動のなかに
あたまをうずめてかえりたい
さびしくてつまらなくて
つかれてもうるさくて
しねないぽつんと月のした
たまごと豚ロース肉の詰まった
スーパーマーケットのふくろをぶらさげて
とぼとぼと歩くぼく

293 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/06/17(土) 17:58:11 ID:TkboNrNc
りんごはどうしてあかいのか
ぼくはせつめいできません
どうしてあおいものもあるのか
ぼくはせつめいできません
りんごをみていると
ぼくは穴のふさがった女のひとを思います
とてもみずみずしくて
とてもかわいらしい女のひとを思います
かじってしまうと
なかからあまいみつが
とろとろでてきて
のうみそがしびれそうになる
あたまからでた
ちょこんとした枝は
ぼくにはほやほやのへその緒に見えます
つながりたいと思う
女のひとのせつなるねがいに見えます
そのねがいのしたにある種が
ぼくにはそれが女のひとの想いのかたまりのように見えて
ぼくはそれまでもたべてあげたい
あさぐろくひかって
とてもいじらしくあいらしい味がきっとするのでしょう
りんごはどうしてあかいのか
ぼくはせつめいできません
どうしてあおいものもあるのか
ぼくはせつめいできません
ぼくのいなかは秋田です
つぎにうまれるときは
きっと青森にうまれたい
そうしたらちゃんとりんごのせつめいができると思うから
いまは想うことでせいいっぱいです

294 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/06/17(土) 17:58:54 ID:TkboNrNc
ろっぴゃくえんのウィスキーボトル片手に
犬の散歩にでかけます
田んぼのあぜ道を
ぶらぶら歩いていると
いいにおいのする
女にであいました
けっして逆らわない
おおきなからだをしていて
ゆらゆらと炎のように
つかめないからだを
ぼくにみせつけるようにして
けっして逆らわず
そよいでゆきます
犬はひどく怯えています
ぼくは逆らってしまって
逆らうことしかできず
女はわらいながら
消えてゆきました
犬はよだれをたらして
ないています
じめんのしたを
とおっていった風は
なまぬるく
ぼくに逆らって
犬をつれさってしまいました
ちょうど雨のにおいがした
そんな灰いろのゆうがた
ぼくはひとり
つちのなかにいる
酩酊の妻を思うのです

295 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/06/17(土) 17:59:27 ID:TkboNrNc
あなたが殺された
わたしが丸くなって手をあげた
みんないっしょに
かわゆらしい
血だらけの手をあげた
月が出た
丘の上に人が立っている
帽子の下に顔がある
犬の影におびえながら
みんないっしょに
かわゆらしい
手をつなぎ
竹の音を聞き
月を見た
丘の上に人が立っている
帽子の下に顔がある
わたしが殺された
みんなも殺された
丘の上に人が立っている
帽子の下に顔がある
その影に
犬がおびえている
竹が地面の顔に
ひかっている
帽子の下の
かゆらしい
あなたの顔
月にてらされた
わたしの幼い
おもいで

296 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/06/17(土) 18:12:43 ID:TkboNrNc
さんびなぁ、さんびなぁ
からだのなかの先っぽていう先っぽ
じりじり、じりじり、ぎりぎり、ぎりぎり
じらじら、じらじら、ぎろぎろ、ぎろぎろ
どれも違うなぁ、でもいでんだ
いでいで、いでいで
ああ、あん時のおめもいでがったんべが?
「これ本命だから」
それだけ言って走ってった
なんで好きって言わねがったのよ?
おれどうしたらいが分がんねべよ?
三月十四日におれがら言えば良がったんが?
なしてその次の日からおれをじっと見んのよ?
教室でも廊下でも校門でもなんで見でんなよ?
おれ初めでだったから
そんなの初めでだったから
知らねふりしてだけど
おめはいっつもおれを見でる
いでがったんが?
ずっと待ってんのいでがったんが?
さんびなぁ、さんびなぁ
こんなにさんびのに
月はあんなにきれいだがら
今年の今日は勇気だして
名前でおめを呼んでみるが
えーと、んーと
好きです、好きです
大好きだ、大好きだよ
「おめ」
いでいで、いでいで
こんどは先っぽじゃねくて芯のほうが
ああ、いでいで

297 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/06/17(土) 18:13:17 ID:TkboNrNc
ゆっくりと
ねっとりと
たべていって
はっていって
もどかしくて
ときどき
のらいぬになって
きばとつめで
あなたをうしろから
むさぼりたくなります
まだあおすぎたひのおもひでも
あっというまに
ちゃいろのからにつつまって
ぶらさがって
なんだかかなしいひを
すごしています
あなたとは
たがうことのない
そらのした
ああ、てふてふ
ああ、てふてふ
わたしには
成りきることなどできやしない

298 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/06/17(土) 18:13:49 ID:TkboNrNc
四肢はそれでも動いてく まる子とぽんぽこ踊りたかった月曜日
お日様が眠りかけても裏口の門扉を押せば「おはようございます」
ぎゅうぎゅうの豚小屋みたいな更衣室 今日も汗を汗で拭います
週はじめ なのにオヤジたちやってくる こここそ今の日本の縮図

午後からの授業は嫌いです にわとりの肉の名しか出てこぬ夢 火曜日
皮に地肝に頭に砂肝 ハツとハラミも加えましょう にわとりと結婚できるかも
十本串に五本串ホルモン串に焼き海老ししゃもいわしも付けてよと伝票鳥が鳴いています
よりによって宴会四組 つくね三十本なんてどこで焼くねんとついついついつい関西弁

午前で授業が終わりました 夕方までのランデブー 今日は夢のない眠りを水曜日
きっかり五時半 さっぱり目が覚め びっくり働く時間です
全力疾走 全身汗だく お日様あまりにきれいすぎて ほほに一粒 あれ雨かな
駅まで死ぬ気で走ってたけど 知らないふりして 携帯電話を殺めました

朝起きて仏さんのように携帯を生きかえす 恋人より長い呼び出し時間四十秒 木曜日
もうどうでもよくなって学校さぼろうと思ったけれど あなたの詩の授業があるから行こうと思いました
店長に鶏冠が生えた 料理長は朝を告げるように叫んでる みんながみんな鶏に見えるよ

十時半までには終われない 十二時に五分前 乗った車両は最後尾 車掌さん早く連れってって
車掌室のオレンジの蛍光灯眺めながらホームで待っていた時のことを思い出す
ひゅぅっ、ひゅぅっ、ちゅんっ、ひょぅっ あの鳥も焼いて食えるのかな

299 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/06/17(土) 18:38:21 ID:TkboNrNc
報告
詩の勉強をしています
最近詩が嫌いです
今は詩が怖いです
今日は詩がますます分からなくなっています
毎日生きるのに必死です
とりあえず一日一遍は辞めます
湧き上がってくるものがぷつんと切れました
書きたいとき書きます
体はいたって健康です
でも野菜不足です
100円マックに飽き飽きしています
バイトもつらいです
格好付けていた自分が見えます
いままで自分が書いたものは詩です
良いか悪いかではなく
自分が納得できるまで
詩と向き合おうと思います
おなかが減りました
近くのラーメン屋があるので
ラーメン屋なのに
焼きそばとチャーハンと味噌汁を
食べてやろうと思ったりしています
今日はぐっすり眠れそうです
お休みなさい



300 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/06/17(土) 19:31:37 ID:TkboNrNc
>>290
ありがとう。

飯を食ってきた
胃が破裂しそうだ
そこから宇宙になればいい
破裂して宇宙になればいい
焼きそばの銀河を眺めながら
チャーハンの惑星を探し当て
味噌汁のブラックホールのなかには
油揚げとワカメの宇宙人が雄叫びをあげながら
水はセルフサービスですと訴えていて
きみの顔も知らないまま
メールし続けて三ヶ月
正直めんどくさくなって
正直しんどくなって
携帯を握り締めながら
棒を慰めて
宇宙になればいい
そこから宇宙になればいい
破裂しながら
創造を繰り返してゆく
ああ、つまようじがぼくの部屋にはない


301 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/06/18(日) 20:12:29 ID:mkx01F3r
詩的状態
歩く
踊る
前へ
止まる
直線
曲線


醒める
酔う
論理
感覚
意識
無意識
散文
は歩行であり

は舞踏である
詩的状態
不、非、反、酒、恋、病、旅、死、悩
長所と短所
お手軽で届きにくい
技法
リフレーン
擬音
オノマトペ
詩的状態
詩的状態
詩的状態



302 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/06/18(日) 20:13:25 ID:mkx01F3r
私的正体
私的消退
自適常態
指摘頂戴
びっぐ"ばん"
お"しっ"こ
"うん"こ
"ひよ"どり
"でんでん"だいこ
びらびら
べろべろ
べらべら
ぐにやぐにや
ざら、ざら、ざら
ちら、ちら、ちら
ふらふらふらふら
ぎよ、ぎよ、ぎよ、ぎよ、
どおぼん!どおぼん!
とをてくう とをもう とをるもう
じぼ・あん・じやん!じぼ・あん・じやん!
ぴよ、ぴよ、ぴよ、ぴよ、ぴよ、ぴよ、ぴよ、ぴよ、
てふ てふ てふ てふ てふ てふ てふ てふ てふ てふ てふ てふ
詩的状態


303 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/06/20(火) 00:53:09 ID:QedqyCdq
宿らないことを知ったのは
よんかいめの
朝方だった
生まれたままの姿で
ベランダでバージニアのロゼを吸いながら
体育すわりをしていた
流線がひどくきれいな背だった
おれはその背に羽をつけたくなって
そっと手をふれた
肌はひどくしろかった
ふるていたのは
おれの手で
こぼれていたのは
おれの頬だった
それから
ごかいめを
ベランダでして
ろっかいめを
つめたい寝台でした
会話もなく
温もりもないまま
求めあった
ななかいめは
なかった

304 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/06/20(火) 00:53:40 ID:QedqyCdq
ともだちの女は女子高生で
読書好きで
やきもちやきで
ふくよかで
プリクラの写真のなか
むじゃきだった
おれは思いだした
みっつ年上で
料理が下手で
照れ屋で
やせていて
バージニアのロゼが好きだった
あのとき
ふるていたのは
おれの手で
こぼれていたのは
おれの頬で
はねがほしかったのは
おれの背だった

305 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/06/20(火) 00:55:42 ID:QedqyCdq
終わったあとは
吐息がかさばって
無力ではない言葉の
ごっこ遊び
眠らなくていい
大地震あっても
何かをとるため
詩人になった
夏の蝉しぐれ
はらわたを
支配して
あなたのすきだった
ショートピース
吸ったあとの口づけ
消え去ってしまえばいい
甘すぎるから
硝子みたいに
髪からうちゅうの匂いがする
熔けてしまった
銀色の座礁
くちを失くしてしまって
うさぎに盗まれてしまったことは
せかいの終わりまで
ひかり苔のまえで
カレンダーを巡りながら
ねぇ、誰か言って
そらは青くなんてないと

306 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/06/22(木) 00:04:48 ID:YsqxDkNa
こぼれたなら
こぼれたままでいいので
そのお水
ください
むかしわたしのご主人は夢を患い
わたしの尾を
尾を
きやりぃん、きやりぃん
ああ、わたしたちの母胎よ
どうして野にばらまいてしまった
そのかなぐり捨てたものは
しづかな音楽のかけら
あれほどふれてはいけないと
きやりぃん、きやりぃん、と
あふれたなら
あふれたぶんだけ
そのお水
どうか
忘れないで
そしてどうか
そのお水
のままでいてください
母よ

307 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/06/22(木) 00:08:04 ID:YsqxDkNa
よう、うんこじいさん、なあ、うんこじいさん
おれはほめられたい、おれはみとめられたい
おれはゆうめいになりたい、おれはしじんになりたい
そしてげんだいしてちょうとかで
ばかみたいにピースしたぷりくらをかかげ
それをかわきりにあんたとたいだんとかして
むずかしいことは分かりまちぇーんそー
とかさむいギャグをかまして
それをよんだあんたみたいなうんこじいさんどもを
ふきげんなかおにしてやりたい
なあ、うんこじいさん、あしたは週にいちどの
おれのいちばんだいすきでいちばんだいきらいな日だ
おれはあさから満員電車につめこまれて
ようちえんじがおひるのお弁当のじかんに見せる
この世でいちばんざんこくなひとみで
あんたが下した原稿用紙の評価をみるだろう
つっても心の中じゃAとかBとかB´とかで
一喜一憂してるおれは、なあ、かわいいもんだろ
Sとかあんのかなぁとか言いたくて言えないおれは、なあ、かわいいもんだろ
なあ、うんこじいさん、あんたがすべてじゃないのはわかってる
でも、おれはどうしていいのかわからないから
おれはしがへたくそだってわかりきってるから
なあ、うんこじいさん、あんたにすがりつくんだぜ
まだ一歩ふみこめてないおれだけど
あんたともっと話がしたい
あんたとかたをくんで、あんたとさけをのんで
あんたのかみをいじりながら、あんたのひとみに恋をしたい
なあ、うんこじいさん、おれはわかってるよ
ああ、わかってるよ
ただな、ただな
なあ、うんこじいさん
ただな、どうしようもなく、ぶきっちょなんだ

308 :名前はいらない:2006/07/12(水) 00:28:34 ID:Hey0GVCD
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309 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/09/08(金) 00:10:07 ID:LA+h2eIU
すぐに消してしまいたいから
あれやこれやと考えてはみるものの
「帰りたい」の一言でしか
そこにあるものを素直に手に取ることができなくて
なくなってしまったもののすべてが
すぐそこにあることが多い日は
きっとすこしだけ
たぶんおおめに
ぽつんと
消さなくてよかったものたちが
いつかの明日の意味のなかに
すこし咲いて
やがて枯れて
そのやがてに
すんなりとパソコンの電源を落とし
一度握っただけの父からの万年筆を
へし折り投げすて
もれたインクが
たどりついた先
もしそこに消しゴムがあったなら
すり減ってよじれてゆく
このノートの隅っこに
新しいやがてを
この鉛の重たさを

310 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/09/08(金) 00:11:20 ID:LA+h2eIU
彼女は
やがてを
知りすぎた

311 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/09/08(金) 00:11:54 ID:LA+h2eIU
>>308
ありがとう。

312 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/09/09(土) 07:21:40 ID:wyzM8PRZ
ほう、ほう、そう
ほう、ほう、そう
ほう、ほう、そう
未分類の声
挟まれて
時の思いで
来て
見て
舞い
灰色の
どろん
灰色の
どろん
世界は
という
きれいな
ひびき
半分と結局
という
九十九の中庸
灰色の
どろん
灰色の
どろん
一は百一への
終わりにすぎない
未分類の声
ほう、ほう、そう
ほう、ほう、そう
ほう、ほう、そう
夜が明けない日も

313 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/09/09(土) 07:22:11 ID:wyzM8PRZ
点と線で線と点で
点と点で線と線で
それでも紡げない
あなたは点は点と
線は線と言い張り
やがては消えゆく
その芯の存在をも
否定して生きては
もがき死んでゆく
それでもわたしは
どうしてこんなに
ふるえているのか
その芯はしんとし
しずかに冷めては
わたしを揺さぶる
あなたは見えない
わたしも見えない
あの星の熱の様に
点と線と芯と星と
あなたとわたしと
存在のありかなど
誰も知りはしない
そして不思議にも
こぼれてくる涙も
開くのは心でなく
その違和感と拒否
そして分りきった
あなたの線と点と

314 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/09/10(日) 04:40:14 ID:BIZY1yW5
でくの坊は空に散り
右目の形見は根を置いて
左足の王は三途を渡り
玉兎の耳は千切れてく
奏で奏でた三千世界
鼓膜の太鼓がはちきれて
その乳房は宙を掻く
意味は無くとも意味はあり
意味はあっても意味は無い
ただ繰り返される日々の空
でくの坊は集い舞い
凸を押すかと笑い散る
満月という名を置き去りにして

315 :名前はいらない:2006/09/10(日) 17:28:09 ID:ewzFkhaL
知るだけで
私は楽になれるから
知るだけで
私は楽になれるのに

316 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/09/10(日) 22:08:08 ID:BIZY1yW5
絡め続けている糸は
おまえのせいではないよ
空気のふるえでは
伝えられないこと
熱のふれあいでは
伝わらないこと
わたしたちは
いつも
それだけを
拒んでゆく
おまえはどれくらいと聞く
わたしは世界と言う
絡め続けている糸は
緒があるから
わたしたちは
いつも
それだけを
望みに
世界を疑う
信じることは
もう
などと
わたしたちは
それだけを
絡め続けている糸と

317 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/09/10(日) 22:08:57 ID:BIZY1yW5
繋芽は
一と一との
和ではなく
等号と等号の
和である
わたしは
それを今
探そうと
寝台に
胎児のように
伏せてゆく

318 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/09/10(日) 22:09:37 ID:BIZY1yW5
>>315
ありがとう。

319 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/09/12(火) 01:06:58 ID:8IdrAEuI
ぼくの
かたち
いつも
おなじ
すべて
おなじ
いまも
おなじ
まえも
おなじ
やがて
おなじ
きっと
おなじ
ちがう
かたち
きみは
ちがう
かたち
いつも
ちがう
すべて
ちがう
かたち
きみの
かたち
ふれた
かたち
ぼくと
おなじ
なみだ


320 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/09/12(火) 01:08:08 ID:8IdrAEuI
少女は鎖された
精神の冬にいて
ぼくに手をふる
かじかんだ体に
生れたばかりで
もう存在しない
言葉を孕んでは
堕胎の音を食み
存在という音で
独りを磨いては
かすかな笑顔を
ぼくに向かって
ほどこしてゆく
彼女は音として
生きてゆく事で
言葉を殺めては
ぼくに手をふる
かすかな笑顔で
手をふりながら
冬をゆっくりと
包みそして食み
ぼくに向かって
ほどこしてゆく
研ぎ澄まされた
細やかで鋭利な
かすかな笑顔を
音という存在で
存在という音で

321 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/09/12(火) 01:08:41 ID:8IdrAEuI
わたしは今
背骨に感じる
詩のうすらわらいから
逃げている
ふりを演じながら
その前の右足で
わたしを演じ
その後ろの左足で
詩を演じている

322 :名前はいらない:2006/09/14(木) 23:49:43 ID:QcW+Oq72
おとうさんは
農協へうしのたねを買いに行きました
おかあさんは
海へぴちぴちのヤムいもをとりにいきました
僕の星には空を飛ぶいきものが、います。
みにきてください。

323 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/09/15(金) 01:44:05 ID:duBHj2Xy
おとうさんは
うしの種をせっせと育てて
いつかミルクの雨が降るのをまっています
おかあさんは
海をショベルで掘りすぎて
タロいもばかりか
おんなのこをひとり授かりました
おじいちゃんはきのこのびょうきです
まいにち夜には胞子をとばして
ぼくのところまで
ペリカンの便りを知らせてくれます
おばあちゃんは
おじいちゃんが言うには
空がこわがって広がってしまわないように
海でさざなみといっしょに
揺れているそうです
ぼくはラジオを聴こうと
チューナーをくるくる回しています
だれか繋がってください
ひとりぼっちです

324 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/09/15(金) 01:45:02 ID:duBHj2Xy
>>322
ありがとう。

325 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/09/15(金) 04:54:08 ID:duBHj2Xy
抱き付いたら、えへへって
抱き止めたら、また明日ねって
抱き合ったら、恋を知った
抱き締めたら、痛いよって
抱き竦めたら、放してって
抱き合ったら、愛を知った
抱き抱えたら、おぎゃぁって
抱き上げたら、きゃきゃって
抱き合ったら、家族を知った
抱き起こしたら、ごめんねって
抱き寄せたら、これからもずっとって
抱き合ったら、なみがでた

326 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/09/15(金) 05:01:26 ID:duBHj2Xy
わたしはこの世界で
わたしである必要はない
わたしはわたしであり
わたしはわたしではなく
わたしはわたしである
ありとなしだけが
わたしでは
わたしでは


327 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/09/17(日) 10:08:39 ID:zODZjyaO
野で狐は
自殺志願者の真似をして
初恋のカモメを探している
少年はぐるぐると
高校三年生に取り憑かれている
狐も少年も
日曜日に風邪を引く
月曜日に首を吊る
火曜日に葉書をくべる
水曜日に最後の言葉を決め
木曜日に最初の海辺で自慰をする
金曜日に青春を引き裂き
土曜日に愛を知り
狐は嘘をつき人間になる
少年は家を出てネオンに溺れる
狐も少年も
日曜日に風邪を引く
母の粥を食べ
父に怒鳴られ
あたたかい布団で
明日の夢を
枕にお願いしながら


328 :名前はいらない:2006/09/17(日) 10:15:12 ID:/m3k0ysJ
ファンタジスタにぴったりマーク

ただのミーハーのくせに・・・

329 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/09/19(火) 04:27:21 ID:M19kYcxW
おんなはそこで鳴いた
おとこはそこで果てた
繋がらないまま
砕け散った
きれいな音がした
なにが砕けたのか
わからないまま
砕け散った
きれいな音がした
ふたりは
繋がらないまま
芽を百億の星にささげた
おれは
わたしは
示す言葉はどれも歪で
ふたりはそれから
砕け散った
きれいな音がした
せかいは滅んだ
いつか咲くであろう花に
名をつけた
その時から
砕け散った
きれいな音がした
なにが砕けたのか
芽もわからないまま
星はそこに絵を紡いだ
砕け散った
きれいな音がした

330 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/09/19(火) 04:27:56 ID:M19kYcxW
>>328
ありがとう。

331 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/09/19(火) 04:40:01 ID:M19kYcxW
神さまは恋をして
仏さまは浮気をした
天使は男を寝取り
悪魔は昨日振られた
骸骨は嘲った
骸骨はそれからというもの
土深く口を閉ざした
みな誰かを想いながら
せかいという
きれいな言葉は
創られたという
土深く口を閉ざした
骸骨の軋みはすべてを知りながら
あえて
せかいという
きれいな言葉を
わたしたちに
伝えたという
口を閉ざしたまま
あえて
せかいという
きれいな言葉を

332 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/09/19(火) 05:04:42 ID:M19kYcxW
そこからの声を通して
偽ってきた秋の日のあなたは
茜色の直線のさなか
丸みをおびた枝葉の脈の鼓動に打たれながら
どこからか昇り舞う木琴のそれを
腐植土の寝息と讃えながら
もう溢れることにも疲れた
ウンディーネのまぼろしに閉じこめ
わたしの散ってゆく瞳と唇を
六十年後のひかりを掴みながら
いずれ拒み続けるはずの
かぐわしい眠りの園で
唯一知ることのできない笑みで
儚くしようとしているのでしょう

333 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/09/19(火) 05:37:20 ID:M19kYcxW
もういいかい
もういいよ
もういいかい
もういいよ
もういいかい
もういいよ
もういいよ
もういいよ
プラスチックに跳ね返る声も
もうやめてしまった
まあだだよ
まあだだよ
プラスチックにうつるわたし
影もいなくて
目をつぶらなくても
あなたの居場所など知りはしない
透き通った
プラスチックの向こう側の朝
もういいかい
もういいよ
もういいよ
プラスチックの向こう側の朝
みいつけた
みいつけた
おやすみ

334 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/09/19(火) 05:46:28 ID:M19kYcxW
報告。

おれ、俺、オレ
わたし、私、ワタシ
ぼく、僕、ボク
どうしてかわからない
どうにかしたかったからだろう
どうして
どうしてか
どうして
わからない
この世界での一人称が
すごく嫌いだ
ただそれだけ
じゃないからこわい
詩がこわい
言葉がこわい
ただそれだけ
じゃないからこわい
この世界での一人称が
すごく嫌いだ
ただそれだけ
ただそれだけ
それだけだったなら

報告終わり。

335 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/09(月) 00:31:38 ID:VOsbgjCF
がらがら
がらがら
がらがら
くずれては
だめです
がらがら
あさは
くずれては
もうだめです
きょうは
そらが
そらは
あんなにも
きれいだから
しゃしんを
とって
しまったのです
がらがら
とどめないで
がらがら
とまらないで
がらがら
わたしは
がらがら
くずれては
もうだめです
ああ
ああ
もう
とらないで
がらがら
くずれては

336 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/09(月) 00:40:12 ID:VOsbgjCF
ふるえている
いられない
ふるえている
いられない
そこでとまって
ひけないから
雪のない日
終わる終わる
情意でしかないから
わからない
くちからでまかせで
孤ともありえ
弧ともとれて
ふるえている
いられない
せかいは
わたしは
そうして
こうして
しゃっくりが
とまらない
かんたんで
たいせつで
たしかで
ふるえている
いられない
わたしを
ひゃくねんさき
ぼんやりと
あしたを
とまらない
しゃっくりで

337 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/09(月) 00:46:10 ID:VOsbgjCF
おもいの
ふかいの
ひとつで
たびだつ
どうして
わすれて
さいごの
はじまり
うそうそ
キスなんて
くじけて
あわになり
ひとこと
月々に
あのねと
つぶやく
はなれて
いまわかる
だれを
だれに
わけに
刺す刺す
わんつー
さんしー
そして
わすれて
さいごの
はじまり
うそうそ
キスなんて
ただギターを
弾いていたいだけ

338 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/09(月) 00:51:22 ID:VOsbgjCF
かちかち
ちかちか
かちんこちん
こちんかちん
とりあえず
そういうこと
動いている
正邪と女は言い
足を舐める
しかめ面で
かんちがい
されて
うなずく
ああ、と
まっすぐ
万人の
足を舐める
だというが
歯がゆくて
犯してしまい
わたしに
順ずる
わたしは
統べる
かちかち
ちかちか
かちんこちん
こちんかちん
とりあえず
そういうこと
ああ、と
醜い女

339 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/09(月) 00:57:22 ID:VOsbgjCF
百パーセントは
しんようできない
百パーセントは
しんようできない
てっぺんのそのさき
石鹸のように
減ってゆく
それは
百パーセント
一パーセントを
願うことすら
ぼくには…
五十パーセント
それでよい
唇噛んで
それすらも
許してくれそうな
そう五十パーセント

340 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/09(月) 01:05:43 ID:VOsbgjCF
やってた
やられてた
やってた
やられてた
ボイスレコーダー
まわってた
やってた
やられてた
フラフープ
たゆんでた
やってた
やられてた
おんなのこ
わらってた
やってた
やられてた
おんなのこ
かえってった
ゆうひが
なずんでた
やってた
やられてた
わたしが
ひとりだった
てが
わなないてた
わなないてた

341 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/09(月) 01:11:45 ID:VOsbgjCF
神さま!仏さま!ぎょんでさま! 1/2

凍みついた窓から囀るしずかな銀雪の寝息を背に四時の鐘
昨夜空けた日本酒の一升瓶が部屋中をつんと満たしてゆく
おれは車で四十分かかるところに最近できたユニクロの開店セールで
おふくろが買ってきた上下合わせて五百円の寝巻きの上に
学校指定のまっきっきならぬおっおっおのオレンジのジャージを重ね着し
数ある中じいさんから選んでもらった自慢の丈の短い長クツを履き
おやじと一緒に軽トラックに乗り込んだ

元旦にはいつもぎょんでさまに会いにゆく
除雪されてない山道をえっさこら、えっさこらと
十一月の中旬から虎視眈々とおれの股間を狙い澄ましていたかのように計算しつくされた積雪に
常に股間を刺激されながらばかみたいに雪中を漕いでゆく
なんでだろう
いままで何一つ願いを叶えてもらった覚えはないし
「神さま!仏さま!」なんていう類の神頼みは
猛烈に腹を下してインドカリーみたいな下痢が治まってくれるまでの一時の気休めに過ぎなかったし
おれは誰かが下痢の話しをしたからって食おうとしていたインドカリーを食えなくなったなんていうそんなやわな男ではないし
どうせそんなもんだろと思いながらも小さい頃から毎年行ってるせいか
鮭がセックスしたさに産まれた川に戻るように
犬がねこまんま紛いのメシ食いたさに飼い主のところに戻るように
おれもけっして叶わぬ願い叶えたさに元旦にぎょんでさまのところに戻ってゆく

今年こそは三キロ先の「おもしろオトナの秘宝館」なる冬でもないのに囲いが施されたジュースの自販機がおれの家の近所にも設置されますように……



342 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/09(月) 01:12:45 ID:VOsbgjCF
神さま!仏さま!ぎょんでさま!2/2

今日おれは制作費二千円の映画のエキストラとして出演するはずだった
五時五十分発の東西線に乗って一時間半かけて七時半には目的地に着くはずだった
設定が冬頃の大学のキャンパスを楽しげに闊歩する大学生らの役だったらしいので
おれはちょっとでも人目を引こうと
この六月下旬の梅雨明けでまだはっきりしないクソみたいな暑さのなか
新幹線で三時間半かかるところに四年前にできたユニクロの開店セールで
おふくろが買ってきた上下合わせて五百円の寝巻きの上に
母校である中学校のまっきっきならぬおっおっおのオレンジのジャージを重ね着し
今は亡きじいさんの形見として持ってきた遺品の丈の短い長クツを履き
田舎から上京したての学生を勝手に演じてやるもりだった

染みついたシーツから漂うしずかな男女の寝息を背に七時のおれの腹時計
昨夜空けたのはミチコロンドン一箱だったけど
でも四時に起きたのは嘘じゃない
なぁ、ぎょんでさま
あんたが叶えてくれたのは
ぶっちゃけおれのアパートのまん前にある年中囲いが施されたアダルビデオの自販機だけさ
でもありがとよ
おれがなりたかったのは立派な役者じゃなくて
大根でもいいから詩人だったってこと
まだそのころは思ってもいなかったことをちゃんと察して
その道を踏み外さぬように仕向けてくれたんだから
なぁ、ぎょんでさま
今日おれは便秘で悩んでる彼女と下痢の話しをしながら
いっしょに一年賞味期限が切れたレトルトのインドカリーを
腹いっぱい食おうと思う

343 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/09(月) 01:17:05 ID:VOsbgjCF
なにが良いとか
なにが悪いとか
あなたは言う
なにが良いのか
なにが悪いのか
ぼくには分らない
判断が
あなたとぼくを
へだてて
ぼくは
耳をふさいで
きょうも
救急車のサイレンに
怯えています

344 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/09(月) 02:02:25 ID:VOsbgjCF
自己への報告。

今週上の題名の詩がほめられた
だからどうしただからどうした
飢えている飢えている
あの人のこの人の才能が憎い憎い
わたしの詩のすべてが覆された4月の第一週
そこで詩をあきらめればよかった
そんなことでここに書き綴るわたしは
あきらめることさえあきらめて
ショートピースの葉を噛む

詩は尾崎豊ではだめだということ
そんなの知らねえよ、ばかやろう
五畳もない部屋の中
ださい十九の夜
響く声は405号室の寮生のうわの空

さらけ出すことが
読んで読んでと書くことが恥ずかしい
フィクションでもノンフィクションでも
それは形となり固形となりわたしとなる
わたしとなってわたしをつくる
書く資格を
わたしは持たない
わたしは持てない
だからわたしは逃げる
在らざるわたしをかたどり
書くことで逃げ惑う
嘘、嘘、ただただ浸っている

自己への報告終わり。

345 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/09(月) 04:19:28 ID:VOsbgjCF
あ、ふん、あ、ふう
あ、ふん、あ、じゅう
あ、ふう、あ、あう
朝いもうとをたべた
朝おえちゃんをたべた
ぼくはにんげんじゃない
ああ、ふふ、あ、ふふふ
ああ、ふふ、あ、しゅん
ああ、ふふ、あ、あえあ
昼いもうとにいれた
昼おねえちゃんにいれた
ぼくはいきものじゃない
あ、あ、あ、ふうう
あ、あ、あ、すんすん
あ、あ、あ、んんん
夜いもうとがわらった
夜おねえちゃんがないた
夜いもうとがないた
夜おねえちゃんがわらった
ぼくはものじゃない
だきしめることが
できたはずなのに
やかんのじょうきが
こーひーいろに
にがいぶらっくを
おきざりにして
ふう、ふう、ふふふ
ふう、ふう、ふふふ
ふう、ふう、ふふふ
ぼくはぼくじゃない
朝ふたりのしめりけが
こんなふうにもっとあつかったなら

346 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/09(月) 04:21:05 ID:VOsbgjCF
おねえちゃんはもう乗りこんでいた
キャミソールの横から
おかあさんの残骸を残しながら
おねえちゃんはもう乗りこんでいた
ぼくはどこへ行けばいいのかわからなかった
おねえちゃんはきょうはじめて
ぼくの前でおかあさんの振りをするのをやめた
ぼくの前で生まれたてのなみだをぼくにもよおした
ぼくはおとうさんとしておねえちゃんを突き放せなかった
ぼくはおとうととしておねえちゃんをからかえなかった
おねえちゃんはもう乗りこんでいた
ホットパンツ一枚隔てて
おねえちゃんはもうおねえちゃんを演じるのをやめていた
あかいクーペはいつもとは違う
おねえちゃんのにおいで満たされていた
ぼくはどこへ行けばいいのかわからなかった
おねえちゃんは「ごめんね」と「ありがとう」としか
ぼくに言葉をなすりつけなかった
ふたりはとりあえず無人のガソリンスタンドを探しにゆく
ぼくは疑わなかった
おねえちゃんも疑わなかった
ふたりはとりあえず無人のガソリンスタンドを探しにゆく
海は遠く山は近すぎた
空はいつもそこにあって
せかいはあたりまえに肌と言葉の違いで
ガソリンスタンドを奪い合っていた
おねえちゃんはそれからずっとねむり続けた
ぼくはそれからずっとアクセルをふみ続けた
ふたりはとりあえず無人のガソリンスタンドを探しにゆく
目的は消化されずにふたりは赤いクーペのなか
触れず話さずただひとつのことを見つめて睦びあった
そう、ふたりはとりあえず無人のガソリンスタンドを探しにゆく

347 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/09(月) 04:27:56 ID:VOsbgjCF
てんとろたんぽとん
てんとろたんぽとん
おひめさま
いわないで
てんとろたんぽとん
てんとろたんぽとん
おうじさま
いわないで
てんとろたんぽとん
てんとろたんぽとん
なかないで
てんとろたんぽとん
てんとろたんぽとん
おじいさん
いわないで
てんとろたんぽとん
てんとろたんぽとん
おばあさん
いわないで
てんとろたんぽとん
てんとろたんぽとん
おおかみさん
こぶたさん
かめさん
うさぎさん
てんとろたんぽとん
てんとろたんぽとん
いわないで
なかないで
てんとろたんぽとん
おとぎばなしは
いまではないから

348 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/09(月) 04:38:45 ID:VOsbgjCF
ドラム缶を見下ろして
子どもたち
手をかぎりなく
手をかぎりなく
裂けてしまうよ
凍えてしまうよ
はしごは壊れ
子どもたち
なみだをためて
おとなになった
火は空の縮図を
やがてに託した
午前のやみたちが
わらべを奏で
ふりそそげ
ふりそそげと
花はやがてに
枯れることを知り
子どもたちは
かぎりを
いままさにかぎりを知り
輪をなさず
ひとりひとり
手際よく
またひとつの
はしごを創りはじめる

349 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/09(月) 05:02:07 ID:VOsbgjCF
イヤホンをさしこんでいます
つながったなら
どうぞ
おうまさんですか
かけっこですか
ごめんなさい
はなせないんです
ひとりですか
のはらはつらいですか
わたしもひとりです
かぞくはいますけど
どうしてでしょう
ともだちはいますけど
どうしてでしょう
ぼくとおうまさんは
つながっているというのに
どうしてでしょう
はなせないからでは
ないようなきがするのです
きこえているのが
あなたはぼく
ぼくはあなた
だけのようなきがして
イヤホンをさしこんでいます
おうまさん
かけっこですか
ごめんなさい
ぼくあしがないんです
どうぞ
はい
つながっています
きっとどこかののはらで

350 :名前はいらない:2006/10/09(月) 19:08:47 ID:T6T6hHGd
^ ^ オカエリナサイ

351 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/10(火) 05:05:58 ID:lNtF4pux
けものたちの晩餐
こわねを乞い、こわねよ来いと
原をおだてる紙のかみさまたち
彩られた草のたてがみを背に
くたびれた言葉をほおばるとりどりの
そのとりどりのけものたちの円らなまなこ
首輪の傷の数だけ風はその輪郭を撫で
そこにいて、気づき、そしてここに至り
かいなのなかに抱く頬こけたものたち
けものたちの晩餐
けっして鳴ることのない喉もとに
やさしくて、気づき、そして厳しさに至り
満ちたりた月のみなもで爪を清め
けむくじゃらのなかに棲む秋に
ゆれる月も空解け
掬うのはそこにいたはずの子ら
泣きじゃくりながらけものたちは
ぼくらの服を纏いそして死んでゆく
けものたちの晩餐
かみさまたちの朝が暮れ
頬こけたものたちの夜が明け
ぼくらはこうして生まれ
くるりと廻る銀いろの病に名をつけた
けものたちの晩餐
こわねを乞い、こわねよ来いと
今宵もまた心なく廻りつづける
今宵もまだ心あっても廻りつづける

352 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/10(火) 05:07:28 ID:lNtF4pux
>>350
ありがとう。
ただいま。

353 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/10(火) 05:19:44 ID:lNtF4pux
奔れ
高速で
奔れ
街の灯で
照らされて
影のうねり
乙女の刺す
しじま
引き裂いて

奔れ
高速で
奔れ
親指を
隠して
黒尽くめの
荷車を
追いかけろ

354 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/10(火) 05:46:49 ID:lNtF4pux
泉を差しだした
デュシャンのように
慇懃に乱れて
境をみつけるため
境をみつめるため
慇懃に乱れて
朝を壊す
夜を壊す
昼を経て
境に
鏡があり
映るのは

湧き出る

慇懃に乱れて

355 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/10(火) 06:17:50 ID:lNtF4pux
海へいって
ざぶざぶざぶざぶ、マリーナで少年はさけんだ
ざぶざぶざぶざぶ、マリーナは曇りというか雲だった
ぼくは波打ちぎわで少年のやまびこがかえってくるまで
みんなが言っていた母なる海のなぞなぞを解こうと
かっちょ良い木の枝でつっついていた
少年はきのう出会い系の
メールサイトのサクラからメールでふられた
サクラにふられたなんて
どんなヘンテコなやり取りをしていたのか
ぼくは聞きたかったけど
ちょうどいい穴ぼこを見つけてしまって
それどころじゃなかった
ざぶざぶざぶざぶ、だらぁ――――――
ざぶざぶざぶざぶ、おっしゃ―――――
ざぶざぶざぶざぶ、おんどりゃ――――
少年はいつのまにか格闘していた
ケータイとストリートファイトしていた
ぼくは穴ぼこに枝をつっこんで
みんなが言っていた母なる海のなぞなぞを解きはじめていた
マリーナはきたなかった
とってもきたなかった
やまびこが十六和音で帰ってきたのは
ぼくが父なる何かをさがそうとしたその時だった
ぼくが父なるなにかをなにかに当てつけようとしたその時だった
ぼくは山に決めた
電波がないところでちょっと叱ってもらおうな
少年のやまびこが鳴り止まない

356 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/10(火) 06:54:36 ID:lNtF4pux
録画していた韓国ドラマ流しっぱなしで
ループの諦観、ループの低回
不自然はなはだしく
口と声、体と声、声と声
穴はグロイが、デジタルへ
ループの諦観、ループの低回
パブロフの犬の舌の
ピンクの舌の粘膜の
でろでろの粘膜のそれ
それでした
二時間前のロックを聴き、飲み
障子に目ん玉つけて、襖をイヤイヤ言わせ、いま嘘をつき
三十分前の化粧にマーキングのそれ
それでした
月極なんて言うものだから、月一つみたいな
パターン化のパターン化
石坂浩二が水戸肛門だったように
王道のループ、ループの諦観、ループの低回
“萎えたわぁ”
八日前の自殺予告メール二十通
もっとめちゃくちゃに引きちぎって消去したくて
穴はグロイが、アナログへ
メリーさんの羊は結局それ
それでした
ループの諦観、ループの低回
ブレーカー落ちて、やっと勃起
ムードもクソもありすぎて
ただの箱になってそれ
それでした

357 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/10(火) 07:28:39 ID:lNtF4pux
解れゆく熟れすぎたがなりたちの聖譚

358 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/10(火) 08:03:39 ID:lNtF4pux
そして棺
葬送と鎮魂
宝石と降りこめる青と青
隙間縫って
雨乞いと神楽
少女の端の端
飛沫と印象
殷賑な絵空事を
彷徨いと眩暈が
羅列し廻旋
因業とたらちね
終焉と終演
ゆえに操
選ばれしは
少女ではなく
夜と空白と舞う歌
そして棺
指差した軌の先の
円と宴と艶
何人たりとも
浄くはなれず
またひとつ雫
またひとつ雫
篝火の環での
虚誕と虚飾
静かになお鋭く
焼き鈍した刃の如く
逆いゆるりと
少女は零れ堕つ

359 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/12(木) 08:05:08 ID:awnj+JVC
さむいはやく
すぐにやめて
おだてていま
きかんしゃの
きてきのおと
あのまちまで
ひかるひかる
こわいこわい
ながれのなか
かぶせてくる
かぜのかぜの
かぜのてとて
どうにかして
さらしていま
きかんしゃの
きてきのおと
そのまちまで
ながれないで
かぜのかぜの
なかの繋と繋
さむいはやく
すぐにやめて
このまちまで
芽はふれない
ままでままで

360 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/12(木) 08:06:35 ID:awnj+JVC
びくんと
一針
びくんと
二針
そしてつぎの
一瞬へと
きざはしは
きざはしへ
やわい器へと
降りそそぎつのってゆく
桃源のいろに
染められ沁みてゆく
ときに規則的に
ときに不規則に
びくんと
一針
びくんと
二針
溶けゆくこおりが
心地よさにおかされる微熱のように
融けゆくほのおが
心地よさにさらされる真水のように
少女は本能に鳴き
びくんと
一針
びくんと
二針
メトロノームは
堰きとめられた
不純なむらさきを画いて

361 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/12(木) 08:09:00 ID:awnj+JVC
マニキュアは
けものになる
花弁はひらいて
迎えにいって
帰ってこない
あおい首筋の
その跡は
消えたくなくて
疼いている
温もりじゃなく
そのあとの冷えでもなく
背中にこのけものを
突き立てたくて
食べのこすことで
満たされない満ち
ああ、今朝も
生活の音が
ひどくきれいだ

362 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/12(木) 08:48:57 ID:awnj+JVC
繋芽からこぼれ落ちたふたりごと
白に朱がまじわるのは
あたしではなく
あなたのおくのおくの
おくのおくのだれかが
形づくった不思議の国
アリスはもういない
あたしにも鍵穴がみえない
あなたはおとなになりきれなくて
ともなったはずの痛みをも忘れ
あたしたちその先へ歩を進める

363 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/12(木) 10:27:32 ID:awnj+JVC
空には少女
海には少年
大地には老人
森には獣
少女は意味も無く明日を広めた
少年は意味も無く明日を薄めた
老人は意味も無く明日を吸った
獣は意味も無く明日を見つめた
旅人は峠の麓で意味も無くそんな光景を思い浮かべた
誰もいなくなったのはいつの夕日を見届けた日なのか
詰まるのは足の先の小指の隙間から覗かせる明日だけだった
旅人は峠を登った
そこには
一匹の獣が円らな瞳で
一人の老人が畑を耕しながら
一人の少年が海の小波を聞きながら
独りの少女が空を見上げていた
旅人はそれを見て用を足した
そこにはなにもなかった
ありふれたものはすべて
白い回答を待ち続けていた
何も無い夕日を待ち続けていた

364 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/12(木) 10:29:53 ID:awnj+JVC
>>363
なんとなく英語に訳したかった。
英語の単位を落としている自分に気づいた。
なんとなくただそれだけ。


365 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/14(土) 16:31:19 ID:2Ne3XIP0
くぐもりのひかりは
とおくのふたりの背を
おして、ひきよせ、ひきはなし
よるはかさねてうすまり降り積もる
くすんだ外灯の一日のものがたりを
人びとは各々の睦び屋の燭台へと刻み
今宵生まれたばかりの火影は
みずからの宿命を置き去りにして
かつてのふたりが触れていた瓦礫の子らに
ささやかな熱をもよおす
ひかりが射抜くのは
それから間もないこと
ほそめた露のひとみの奥に
火影はまたおのずから身を引く
ひとすじのひかりと
ひとすじのけむりと
瓦礫の子がまたひとつ
がらりと

366 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/14(土) 16:32:52 ID:2Ne3XIP0
ひきかえそうかな
どうしようかな
いっちゃおうかな
どうしようかな
やりなおそうかな
どうしようかな
どうしようかな
おかあさんのせなか
やさしすぎて
おとうさんのせなか
おおきすぎて
どうしようかな
どうしようかな
おじいちゃんのせなか
ひろすぎて
おばあちゃんのせなか
なだらかすぎて
どうしようかな
どうしようかな
ぼくはどうしようかな
あしたどうしようかな
なみだをかくすようになったのは
きみたちのせいじゃないのに
どうしようかな
どうしようかな
こっそりまくらをもって
ひきかえそうかな
いっちゃおうかな
やりなおそうかな
いまだけはまよわせて
きみたちのみるせなかは
ちゃんとしているのかな

367 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/14(土) 16:33:45 ID:2Ne3XIP0
炎は延とし
燕となりて遠に消え
怨は音となりて
温を遠とし怨を返し
痕は滾々と紺となりて
根は困に陥りて昏に沈みて
先は潜を従え詮なき旋をも
千の線と腺で栓をし
黙する木は目を欲しては
体に対して諦を帯の楔で打つ
私は詩と死を同義と見なしては
史と資の詞で次を視する
紙は幾億にも思を示し
生まれ降り来る子は
賜と至そして自
書くたびに欠くは
生と気と祈と稀
狂と叫と恐と今日だけが
不と腑と普と歩を
意味と忌みを異夢の
途に吐する

368 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/14(土) 16:38:00 ID:2Ne3XIP0
時に声は
心を過す


369 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/16(月) 02:56:30 ID:YD8iEzPY
しがらみの中から曲線を探している
手のひらに携えた海の成分を解きほぐしてゆけば
そこにはけものたちの骨ががなり立て帯びていることがわかる
そこら始まるはずだったいくつもの海のかわきはまだ湿り水気をほおばり
そのしがらみを、さらに遠くの空虚を、そして終着である円を
そこに在るべき空間へと成そうと在らざる焦点を見つめ
降り続ける観念をもその線を成そうと胎を探している

知ろうとすれば、“やがて”と“次々”がわたしを見えないものへと置換してゆく
知らないものは類似することができないため、見つからない言葉を掘り当て
初めは散りばめてゆき、最後には埋め尽くされ、面は腐臭と液に覆われ
わたしはわたしすら見えないはずなのに、音として限りなく広がっているため
その振るえの先端のさらに先の繊毛のような手のひらで感じそしてまた湿ってゆく

ひかりは視覚を奪い、手のひらに累々と微かな重みのしかばねを築く
事象は世界が無くなったとしても必要か…
それでも陽はなにかを照らすために何色かになってでも輝くのだろうか
海の底がまだあったとしたならそこにはわたしの手のひらの繊毛のような
ひとつの点が存在していてほしいと思う
もし願うならばその点に重さは無く、わたしたちの赤子のような脆みを帯び
現像として乾き、写像として乾き、原像を成さずにありのまま孤でいてほしい

わたしは今夜、悲哀の海に身を投げる
苦海に、言葉に、救いなど求めぬまま外の世界を形而上に仕立て上げる夢を見る
手のひらは湿ったまま濡れてゆき、滴り落ちたその先の先
知る必要も無い朝に空間はよどんだまま成すことなく
気づいてしまった切り抜かれたしがらみに広がり続ける音
もはや曲線に意味などあるまい

370 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/19(木) 02:24:11 ID:a3aEpw10
わたしは
となりの女に怯え
視線をなくしたくなる
目を瞑り音楽になりたくなる
軋むのは繋がっているから
鉄の箱庭では夢は見られない
鉄の箱庭では頁は数を刻まない
わたしは
となりの女に
ひとりの少女の
芳しさに怯えた

371 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/19(木) 02:25:37 ID:a3aEpw10
仮面をかぶった少年
首に鍵をぶら下げ
そこに素顔をうずめている
そこにはうつむきの絵も掛けられず
ひしゃげた声のありかさえわからず
ほんとうは帰る場所も知らないで
今日あったことを想いうかべ
そして言いたいことから
消しゴムで消してゆく
仮面をかぶった少年
どうしてもっと簡単に
笑えないのだろう
つよく書きすぎた今日が
その素顔に薄く写ってしまって
鍵と少年
きれいな金属のおとふたつ
夕暮れに映える仮面に
またひとつ日々割れをいれて
仮面をかぶった少年
かんたんに笑えてしまうこそ
笑えないのだろう

372 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/10/19(木) 02:27:43 ID:a3aEpw10
かぜに訊いたよ
かぜに訊いても
こたえは返って
こなかったけれど
やっぱりやまびこが
いちばんいいや
おなじことしか
いってはくれないけど
ずるいや
ずるいや
みんなずるいや
でもやっぱり
ぼくがいちばん
ずるいや
ながしたくて
ながれた
なみだは
なみだじゃ
ないよねって
きのうおかあさんが
おとうさんのしゃしんのまえで
いっていたのに
ぼくもおかさんも
やっぱりおとうさんみたいには
まだなれないや
じゃあね
そろそろ帰るね
こんどはちゃんと
あの子に訊いて
みることにするよ
ありがとね
ばいばい

373 :Mana魔名:2006/10/28(土) 16:26:28 ID:AyHwZG81
一塊の雲に浮かび、覚めない夢の苦しみに喘ぐ子供の様に
空と太陽の境目に戦慄が走り、曲線はゆるやかに重なり合う
一塊の雨に打たれ、愛する者の悲しみに気付かないままで
鉄の箱庭で時を知り、見えない背中に揺らぐ影を重ね合わせ
繋がれた心と体に切り込みを入れて、己の刺青に自己投影
芽が出て膨らんで、花が咲いたら射抜いてみせよう不如帰

374 :Mana魔名:2006/10/28(土) 16:33:21 ID:AyHwZG81
一度組み合わされば離れることもなく
日時計が刻む一分一秒に苦痛を強いられ
のばした指先に鎮座するのは能面の死者達
嘔気は絶え間なく我に襲い、胸に言葉が痞え
吐き出す息は死の臭い、堂々巡りの輪廻と業よ

375 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/11/01(水) 00:26:45 ID:roAts58p
縦揺れする鉄の箱庭
読点でいつもすべてがなくなり
みな誰しもが誰しもの視点にかさなる
あさい眠りのなかに映る少女の素足は裂け
りくとそらとうみ
がなるひらがなの群像
とうに忘れられた
うめきの先の野生が縦に揺らして
丸められた東西線の暗やみがまた一つつまづく


376 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/11/01(水) 00:28:57 ID:roAts58p
>>375
難しいですね。
ありがとう。

377 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/11/01(水) 00:30:01 ID:roAts58p
>>373-374
難しいですね。
ありがとう。

378 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/11/01(水) 03:00:48 ID:roAts58p
死のうと考えてやめる日
にしのお日さまに願います
ため息ついたのはなんとなく
いさかいのない日のあるゆうがた
とりとめもないひとり言呟きます
いま、いま、いま、と
つまらないひとり言呟きます
ため息つたのは慰められたくて
らん、らん、らん、と
楽しいそうに歩きます
にしのお日さまはやがて
なんにもないような顔して
れくいれむのようなひかりで
るん、るん、るん、と
気がふれたようにひがしにでて
がんばってくださいと投げやりに
しばって、しばって、ぼくをしばって
てかてかとぼくを連れてゆきます
点のようなぼくを投げやりに
嘘をいうはずはないのだけれど
ため息ついたのはなんとなく
だんだん苦しくなって
いさかいのない日のゆうがたも
いさかいのある日のゆうがたも
ためいきついたのは慰められたくて
かなしくて、かなしくて、ぼくかなしくて
つまりは同じってことです
ため息もひとり言も
だんだんと朝に向かって泥んでゆく
けものはいいな、けものはいいな、ぼくけものにないりたいです

379 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/11/15(水) 00:21:59 ID:9aLEsN68
歩くんだよ
やっちゃうの
コンビニで
やっちゃうの
マックでも
スイッチ入れて
歩くんだよ
やっちゃうの
やりすぎなの
月曜の朝から
けだるさのさなか
やっちゃうの
会議中
思い出しちゃって
メールで
ぼろん
ぼろん
ぶるん
ぶるん
ぶるるるるん
ぼろろろろん
電車の中で
妄想、妄想、残像
なんとなくね
あえてモザイク
やらしいっていわれる
くしゃみ
よくね

380 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/11/15(水) 00:27:38 ID:9aLEsN68
青空い日
空転の白
怯えてた
娘の頬と
銀と群青
そうして
五分後の
今の過去
今の未来
今の今の
今と今と
創られた
大それた
詩と死と
そうして
わたしの
わたしと
わたしと
わたしの
今の今の
今の今と
娘の頬と
銀と群青
ふるえて
わたしに
言づてて
そうして
五分後の
わたしの
青空い日
空転の白


381 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/11/15(水) 02:09:23 ID:9aLEsN68
信じなくなって
疑いはじまって
裏切りなれてって
そんな女と
そんな男と
寝ていた部屋が
五分後にはじまって
テーブルのリンゴを
二つの視界が犯していって
損な女と
損な男と
ほんとうは
起きていた部屋は
三分前でも
なんら変わらなくって
テーブルのリンゴを
二つの視界が犯していって

382 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/11/15(水) 02:12:35 ID:9aLEsN68
終わりは始まり始まりは終わり終わりは始まり始まりは終わり
五分前からすべてはやってきて五分後にすべては去ってゆき
取り残された少女と少年とけものは怯えながらも輪舞して
そしてやがて名も失せ指す言葉さえ予言の頁へ羽を広げ
どこかのなにかの生まれたばかりの音は仮初めとなり
凍みてしまった匂いの類いはただ風に吹かれようと
川岸も中州も失せた静かな時を“流れる”と言い
言いようのない夢物語にみずから頁となっては
少女の髪に少年の眼にけものの牙に啜り憑き
輪舞は哀しくて鳴いてしまいまた名が失せ
音は約束と命を交わし住まわせた空転を
白へと進ませてやがてをまた五分後へ
そしてまた五分後へ連れ去ってゆき
やがて書き尽くした“すべて”を
そして書き終えた“せかい”を
永遠に少女と少年とけものは
“今”と叫びながら眼前の
ぐるぐる廻るみずからを
静止した音に乗せては
互いを呼ぶ言葉さえ
忘れ鳴いてしまい
終わりはやがて
始まりを迎え
始まりをも
終わりを
迎えて
今を


383 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/11/15(水) 02:50:47 ID:9aLEsN68
四季が一巡りしたのも忘れたまま
飯を喰い睡眠を取り性を貪り今に至る
五分前も五分後も今に変わりはなく
今またこうして書いている


384 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/11/15(水) 02:51:58 ID:9aLEsN68
今に鳴く
今に無く
今に泣く

385 :名前はいらない:2006/11/15(水) 03:02:43 ID:Tdj0fhKm
「カーテン閉める」

そうして溜まるのが悦びならいい

386 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/12/01(金) 00:17:03 ID:iZHr1V2L
静寂の檻のなか
居場所を探している
少女は夕日を見忘れ
抽象画のなかの悲愴を
ちいさな身でそっと温め
そしてまた蹲っている
やがて蹲りこもった影は
すこしの夢を食みながら
すこしのまどろみを
在り続けさせようと
ふるびた孤城を創り
そしてまた壊してゆく
風だけがまだ檻のなかで
食みだしたままの瞬きに
側にあったはずの窓のふくらみに
竦んではこの物語を音にして
胸に刻んだふかいふかい夕日を
その息づかいで音符にしようとして
そしてまた叶わず破れてゆく
形にできない虚ろに
いつしか寄り添ってしまって
風も檻を奔るのを止めてしまい
少女の髪はもう揺れることなく
絵はただの色になってしまい
孤城の民は夕日を見上げ
少女の居場所を指さして
ああ、祈りを
ああ、懺悔を
檻はまた新たな風となって
そしてまた茜が少女を模してゆく

387 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/12/01(金) 00:18:20 ID:iZHr1V2L
ぽっかりと穴があいて
靴を宙に放った
空に届くはずだったのに
空はもうそこになくて
ぼくは思わず奇声を吐いた
東京は歩くばかりで
なんだか嘘をついているような
そんな気になって
靴ではなく嘘を履いているようで
靴底はそれでも日に日に減っては擦れていった
ぼくが何千の煙草の
不貞腐れを眺めているとき
ぼくの靴は何億の煙草の
屍をいたぶっては
自らのその寿命を減らし
その絶景を咎めているのだろうか
馬場の駅からの曲がり角をも
忘れ失せてしまったけれど
何度目かの曲がり角に
ぽっかりと穴が開いたのだ
靴を宙に放った
空に届くはずだったのに
空はそこにはあったのだけれど
ぼくがただ見たくなかっただけで
ぼくは元から奇声を履いていた
ぽっかりと穴があいて
ぼくはそこに首を突っ込んで
ただただ奇声を吐きたかったんだ

388 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/12/01(金) 00:21:30 ID:iZHr1V2L
暗みのなか乞い
とんで
はねて
とんで
はねて
お前を
犬と呼べるだろうか
とんで
はねて
とんで
はねて
お前は
犬と呼べるだろうか
とんで
はねて
とんで
はねて
お前が
犬と自らを知っているなら
とんで
はねて
とんで
はねて
かきむしって
よだれたらして
ひきちぎって
ふりまわして
なめまわして
なぶって
うしなっている
このわたしは人と呼べるだろうか
暗みのなかの故意をわたしと

389 :名前はいらない:2006/12/01(金) 00:22:12 ID:1KrjvZ/q
だからいったでしょう?
何万回死んだ猫って
あなたに似てるって
何万回やった男みたいな

やっと最期に
愛する人と結ばれるんだけれど

390 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/12/01(金) 00:23:30 ID:iZHr1V2L
ありとあらゆる
目或いはその類いで
わたしは視姦されています
わたしは自らがどう見られているのか
考え、思い、想像し、そして妄想し
嬉しくなり、悲しくなり、怒り、とち狂い
わたしはだんだんと湿ってゆきます
そう、ずぶ濡れで帰ってきた子犬を
自らの腹でゆっくりと乾かしてゆくときに
おまえが感じる湿りです
これはわたしたちでは感じることのできない
おまえたちだけのある種の清さですが
わたしは幸か不幸かその清さが
くるしく滴るひかりの繊毛のようにせつなく震え
唯一わたしたちのからだのなかに
埋まってしまったものに伝わってくるのです
さてこれはどうしたことでしょうか
さてこれはいかがなものでしょうか
ありとあらゆる
目或いはその類いは
訴えてはくれますが言ってはくれませんので
だからどうかおまえが言ってください
おまえの大きな口と剥きだした牙に音を反響させて
「ほんとうは見えないんだよ」とおまえのそれが音である限り
わたしはおまえの子犬のようにおまえが腐れて骨になったとしても
ただの音として見えないおまえを
そっとこの埋もれてしまったもので
包んであげるからどうか言ってください
ああ、見られている
おまえはそこにはいないから
どうか言ってください
わたしを乾かしてください

391 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/12/01(金) 00:24:32 ID:iZHr1V2L
言の音に
母は笑った顔をくずして
子守唄をやめてしまって
どこからか降ってきて
どこからか止んでゆく
言の音はとてもさびしく
ぼくはその乳房を放すことができず
泣いたままおとなになって
顔のない母を抱き
そして瞳を枯らしてゆくのです

392 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/12/01(金) 02:50:46 ID:iZHr1V2L
>>385
>>389

ありがとう。

393 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/12/01(金) 02:51:31 ID:iZHr1V2L
光の速さで眠る
部屋が見える
青色の服のかたまり
綺麗に振りかけられた
迷彩の火と声の胸
陽と水と恋と血潮
すべてが気温で
書かれたり消されたり
そして須らく天使の冷笑
魅せられた指が通う
宿り木と車輪の枝と鉄
時間とはぼろぼろの
名もない現在という孤児
間違ってもいい
無いものは推定して
世に生を受けた時に
すべてが気温で
書かれたり消されたり
良かったねと囁く
わたしには脈絡がなく
照る身は夜の意味を
神さまは惚れた悔いを
終わっちゃうのかいと
小人は気さくに名残を
奪いあって
殺しあって
笑いあって
ちょっと誰かがズルをしたから
なんとなく明日は始まったりして
なんとなくせかいは
光の速さで眠る
その部屋が見えてしまって

394 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/12/01(金) 03:02:15 ID:iZHr1V2L
透き通って
舞って
さっちゃん
寂しいって
言わないから
午前一時の鐘
世界一ちっぽけなマチだねって
何かあるようで
何もないようで
それでも雨の遠くに
ぼくら
わくわくしていたんだ

395 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/12/01(金) 03:27:35 ID:iZHr1V2L
砂漠の端っこで
言葉の限界
月は点きながら点き
空蝉の花
たとえ躓いても
穿て
そこには赤信号
瘡蓋を愛でる女子高生
ビー玉をせかいに透かして
幻想の麻薬を売っている
ライライライ
ライライライ
そんな呪文でも
ときに強くなれるぼくら
午前二時の神様からの悪戯で
焉、真夏は帰らぬ
己県我郡私町僕一丁目で
君のニーソックスに出会い鬱
三分クッキングの婆の
残響が奏でる後退りの歌
落日嘔吐に散切り頭の風の音
ベランダにて勘違いだったみたい
印象だけに薄すぎた最後のスープ

396 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/12/01(金) 03:36:46 ID:iZHr1V2L
細かく
細かく
詩も人も
そして確かはなく
答えは出ず出さず
細かく
細かく
詩も人も
難しいね
おやすみ

397 :名前はいらない:2006/12/01(金) 23:59:50 ID:rUu3H6v4
^^イイオート3Q

398 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/12/09(土) 00:14:55 ID:Cuvx03OF
隠れる場所がないかくれんぼ
呼ぶ名前さえ知らないあの日の雨
ずぶ濡れで傾れ込んだ土管
自問と妥当で夜に咲いた少年
蹲っていた影で影ふみをした少女
レールに散らばったまっしろな切符
のっぺらぼうな賽の目を
それでも子らは振りつづける

399 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/12/09(土) 00:16:11 ID:Cuvx03OF
鳴き疲れた夜明け前の雨に
泣き疲れた少女の顔は
逝き急いだ夕暮れ前の陽に
生き急いだ少年の顔は
どれも仰いでいた
どこもかしこも
見えないものばかりで
どこもかしこも
塊になったものばかりで
どれも仰いでいた
みずたまりは映した
じゃりみちは奏でた
足元のそれさえにも気づかず
少女の顔はこころを浸して
少年の顔はこころへ沈んで
やがて名もなかったそれは
花と名づけられ
みずたまりに潤い
じゃりみちに活き
少女と少年を繋いだ
とても頼りなく
とても危うく
とてもちっぽけな
芽をせかいと呼びながら
少女の顔は泣き疲れ
少年の顔はは生き急ぎ
今もまだ仰いでいる

400 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/12/09(土) 00:16:42 ID:Cuvx03OF
少女は雨の子
少女と雨と孤
少女の雨は虚
少女は雨の子

401 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/12/09(土) 00:17:17 ID:Cuvx03OF
少年
染め
少年
染み
少年
沁み
少年
凍み
少年
染む

402 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/12/09(土) 00:18:04 ID:Cuvx03OF
女は皴の数だけ
男は傷の数だけ
ブランコを漕ぐ
ゆらりゆらりと
足は浮く事無く
ゆらりゆらりと
地を引きずって
あの日の雨の音
あの日の陽の色
ゆらりゆらりと
緩やかにゆらり
穏やかにゆらり
今日の雨の音に
皴を弛ませては
今日の陽の色に
傷を解かしては
ゆらりゆらりと
繋いでいたもの
ゆらりゆらりと
やさしくなって
そして遠のいて
名も無きそれは
ブランコの錆の
メトロノームに
みずからを乗せ
また仰いでゆく
ゆらりゆらりと
ふたり言のよう
名がつかぬよう
ふたりだけの花
ゆらりゆらりと
咲きますように

403 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/12/09(土) 00:20:28 ID:Cuvx03OF
>>397
ありがとう

404 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/12/09(土) 00:53:11 ID:Cuvx03OF
凍て省

果樹園の久しき灯り小屋の窓万人の影父を実らせ
森閑の紫陽花の露食み駆けほてる頬うずめた先一寸の冷めたほむら
知らぬとも海は胎を撫でまわし潮にふくらむ少女の麦藁帽
鼻照らす翳せし流灯そろそろと口つぐみ喉枯らし陰るほどに父を
そら豆の殻に閉じこめ燻ぶる夕母その煙が象るふかきソネット
しずめられ木皿の疵に夏川の染み入る少女の住処の重み
草の笛緑淫の園に恋は無き乞う前の静けさや愛はなどと凪は嘯く
車輪の音花大根の道さえ硬く鉄のがなりをも今は生身
言の葉の通わぬ箱は雑駁にいまや国語教師の明日にかなしもなし
かんかん帽もはや帽を被らぬ若人多きけりころがりしさきも車窓の刹那
詩の知恵も才も気力もなくとも毎年のあきたこまちの苗のひとつの重みは知り
ふるさとの訛りとともに捨てた女今日のはちょっと苦いねと女が二人今朝のモカ珈琲
倖を別ったことさえ知り得ずに酔いの公園にてホームレスに英世を握らせ
求めし雲雀料理銀髪に諭さされも朔太郎の凱歌礼の気持ちが楽譜を滲ます
己を探す旅と銘打って麦藁帽の網目の数だけ検索のクリック音で夏が暮れる
亡き父も燕は食わずと空見あげ祖父は食ったかとどこも似つかぬ我が身を起こす

405 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2006/12/09(土) 00:53:42 ID:Cuvx03OF
>>404
寺山修司 〜燃ゆる頬抄〜より
到底本歌取りとは呼べないもの

406 :名前はいらない:2006/12/10(日) 21:27:39 ID:ukdRPM9N
刺すような痛みはあてどもなく深い
血を吐いて倒れ込む毎日
言葉でしか表せないような苦しみなのに
言葉で表すことができなかい
なぜならば四方八方からつつかれる気がして
自分でさらに自分を苦しめるからだ
血の底を這う苦しみを吐き尽くしたところで
飲み込まれ一掃されたら
私は死ぬかもしれないと思った
こうやって苦しみと向き合うような文が書けるようになった今
少しだけ強くなれたのかもしれない

407 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2007/01/07(日) 22:39:31 ID:WZicAE50
唄を探しています
あの子の唄を探しています
空白を愛してやまないあの子は
砂あらしの朝四時半に
ひざを抱えながら
数日分の暮らしと映像だけが
煩雑に音をかき消して
それでも雨の音だけが透け
通り過ぎてゆきます
唄を探しています
あの子の唄を探しています
どうしてか寝台の温みを
何度も確認してしまう
とても心地よく
とてもさびしい
唄を探しています
あの子の唄を探しています

408 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2007/01/07(日) 22:40:15 ID:WZicAE50
>>406
ありがとう。

409 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2007/01/07(日) 22:42:51 ID:WZicAE50
星屑と呼ばれた子
散り散りに蒔い
咲いた裂いた
咲いた裂いた
その腕
その脚
その身
咲いた裂いた
咲いた裂いた
星屑と呼ばれた子
今日は東に堕ちて
昨日は西に堕ちて
明日は北だろうか
明後日は南だろうか
だれかに代わろうと
なにかに変わろうと
星屑と呼ばれた子
咲いて裂いて

410 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2007/01/07(日) 22:44:17 ID:WZicAE50
モスグリーン
陽々に願って
両の手消えてゆく
アスファルト
浅く数段下って
鉄格子に伝う伝う
しろく光り通う通う
息と息のかたまり
せつなく昇って
モスグリーン
陽々に願って
ぼくは遠くを
きみは川面を
そのモスグリーンを
あやふやにゆらゆらと
消えた手を悔やみ
ぼくら頼りなく
その濁りに
その深さに
身を寄せ合う

411 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2007/01/07(日) 22:49:27 ID:WZicAE50
実にならなくて
花も咲かなかったことを知る
根が張らなくて
芽もないことを知る
茎が伸びなくて
己の身の程を知る
明けましておめでとう


412 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2007/01/08(月) 06:36:49 ID:G9dLI2u4
ちいさなこびと
おほしをつれて
ちいさなおいえ
ひかりがついた
ちいさなおほし
きらきらもえて
ちりちりもえて
おみみももえて
おくちももえて
おめめももえて
ちいさなこびと
おいえをこわし
くろくおおきな
おそらをつくり
そこにおほしを
やさしくねかせ
やがてゆっくり
おうたをうたい
おそらにひびく
ひびくおそらは
かなしくなって
それからおそら
なみだをためて
おおきくなった
こびとはあるく
おほしのかげを
なぞっておって
こびとはあるく
おほしのいのち
なぞっておって
あめがふったひ
おうたをうたう

413 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2007/01/08(月) 06:38:25 ID:G9dLI2u4
しょうじょ
ないていた
もののけは
こやをたて
しょうじょ
こやをみて
わらっては
てをたたき
もののけも
おんおんと
ないていた
しょうじょ
こやにすみ
もののけは
いなくなり
しょうじょ
おんおんと
ないたまま
わらっては
てをたたき
またないた
いつからか
おんおんと
とおくから
なきごえが
きこえては
しょうじょ
おんおんと
とおくから
なきごえも
おんおんと
おんおんと

414 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2007/01/08(月) 06:39:37 ID:G9dLI2u4
おにが
ないた
あかも
あおも
きいろ
みどり
くろも
みんな
ないた
いつも
ないた
おには
いつも
つのと
きばと
つめを
おって
いたい
いたい
いって
ないた
やがて
なみだ
あめに
なって
そして
おには
にじに
なって
まるく
まるく
なった

415 :名前はいらない:2007/01/09(火) 07:48:16 ID:N1WiORMa

 どうしよう
お花が咲いちゃった
 どうしよう
小鳥が飛んじゃった
 どうしよう
風が吹いちゃった
 どうしよう
月が天に昇っちゃった

 どうしよう
 どうしよう
 どうしよう

 お願い

 お願い

 お願いだから



 
 私を、おいていかないで


416 :名前はいらない:2007/01/24(水) 00:00:01 ID:G6X7zMEx
痛んだ目の奥を治してくれます
ありがとう

417 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2007/02/07(水) 19:09:53 ID:QKQGBOBH
>>415-416
ありがとう。

418 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2007/02/07(水) 19:11:04 ID:QKQGBOBH
眠りたい日に眠れないから
お月さまは詩を書いたんだよ
眠れない日に眠りたいから
お日さまは詩を書いたんだよ
眠りたい日に眠ったから
ぼくはいつも元気だよ
眠れない日に眠れなかったけど
お姉ちゃんはいつも笑っていたよ
だからぼくは今日詩を書くんだよ
お姉ちゃんが眠れるまで
ずうっとずうっと
ずうっとずうっと
ずうっとずうっと
ずうっとずうっと
ずうっとずうっと
ずうっとずうっと
ずうっとずうっと
ずうっ、とずっと
ずう、っとずっと
ず、っとずっと
ずっとずっと
あたし嘘をついてた

419 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2007/02/07(水) 19:11:50 ID:QKQGBOBH
やぎさんの色を
お姉ちゃんに聞いたら
白と黒しかいないよって
お姉ちゃんが言うから
ぼくは画用紙の一番はしっこに赤やぎさんを書いた
そしたら次の日
赤やぎさんに口ができていて
赤やぎさんは手紙をくわえていた
どういたしまして
赤やぎさんのよだれで
文字がすこしにじんでいた

420 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2007/02/07(水) 19:12:21 ID:QKQGBOBH
たのしいのに
うれしいのに
なみだがでる
かなしいのに
さびしいのに
えがおになる
それでもいい
たのしいとき
うれしいとき
わらっていて
かなしいとき
さびしいとき
ないてほしい
それだけでも
あたしという
いみがあるの
でもごめんね
あたしきっと
いまもきっと
こぼれそうで
だからもっと
もっともっと
もっとあたし
つよくなって
でもちょっと
よわくなろう

421 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2007/02/07(水) 19:12:55 ID:QKQGBOBH
お姉ちゃんが、ぼくを動物園に連れて行ってくれた
はじめて見た白くまはなんだか死んでいるようだった
お昼、お姉ちゃんのおにぎりを食べて
缶ジュースをふたりではんぶんこした
帰るとき、カンガルーの檻のまえでお急に姉ちゃんが
おなかが痛いって言って
トイレに駆け込んでいった
おしっこにしては長くて
うんこにしては短かった
帰りの電車のなかでお姉ちゃんが
カンガルーのおなかのなかに入ってみたいよねって
ひとり言のように言って
ぼくは眠たかったからただうなずいて
お姉ちゃんの肩に頭をうずめて眠った
電車をおりたあと
ぎゅってお姉ちゃんの握る手が強くて
お姉ちゃん痛いよって言ったら
お姉ちゃんの顔がオレンジ色にしわくちゃになっていた
ぼくはなんだかいけないことをしたような気がして
アパートに帰ったあとはじめてぼくが晩御飯をつくったみた
ようやく出来たとびっきりでっかいおにぎりに
お姉ちゃんの顔がまたしわくちゃになって
ぼくもつられてしわくちゃになって
ふたりしてしわくちゃのまま
ぼくのちいさな布団でふたりして丸まって眠った

422 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2007/02/09(金) 00:32:07 ID:s5DjxuBe
わたしはわたしを見ていた
夕暮の公園の砂場にわたしを見ていた
わたしはわたしを見ていた
朝焼けの庭先の花壇にわたしを見ていた
わたしはわたしを見ていた
昼下がりの小学校のグラウンドにわたしを見ていた
わたしはわたしを見ていた
わたしのほかにも
たくさん人がいたが
姉の姿はそこにはなかった
わたしはその名もない砂を踏み
わたしはその名もない花を踏み
わたしはその名もない土を踏んだが
わたしの影を踏んでくれる
姉の姿はそこにはなかった
それからわたしは
砂と花と土に名をつけてしまい
姉の名前を忘れてしまった
田園のまっただ中
いなごたちが
勢いよく各々の稲穂から
飛び去っていった

423 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2007/02/09(金) 00:33:25 ID:s5DjxuBe
藍を諌めうずくまる枝のような女
固まってきつく栗色の毛はこだまして
刺すように染み透いてゆくせなかのその羽
立ち尽くし力なく拙い天使が咎める
啼き憎み盗み眠りこけ延びてゆく
走る火ふるえる閉塞感と本能
瞬く水むごたらしい迷走と妄想
夜陰を諌め喩にしてゆく枝のような幼女
乱として凛として類火を連として蝋をつくり
輪のなかをんをんと、ん、ん、ん

424 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2007/02/09(金) 00:35:11 ID:s5DjxuBe
向日葵のようにはなりたくなくて
遠回りするのはなんだか面倒臭い
近回りするのはなんだか胡散臭い
中回りするのはなんだか半可臭い
どうしようもないから空回りする

425 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2007/02/13(火) 05:02:43 ID:jrJ+ePiG
気取ったり気取らなかったり
壊してみたり壊さなかったり
そんなのどうでも良かったり
たりたりたりたりたりたりたり
たりたりたりたりたりたりたり
たりたりたりたりたりたりーん
雪の降らない冬
野ざらしの風鈴が
縁側でひとり鳴いている

426 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2007/02/13(火) 05:04:59 ID:jrJ+ePiG
1

野良犬のまねをしてみたかったんだ
ポリバケツをひっくり返して
生ものをむさぼる
野良犬のまねをしてみたかったんだ
枝と枝のすき間から
耳をおさえながら
牙を剥きだしにしている
けものになりきれない
野良犬のまねをしてみたかったんだ
まぬけな服を着せられたまま
エルメスの首輪を引きちぎって
冷たいアスファルトに嬉々し
しだいに瞑々と鳴き
とぼとぼと歩いてゆく
ゆく当てのない家出をした
野良犬のまねをしてみたかったんだ
ハイヒールの魔法に初めてかかった日
きれいに整った歯茎のすき間から流し込み
ねっとりとこじ開けたあと
ぼくはたまらず野良犬のまねを止め
見あげた瞳だけが月に吠えた


427 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2007/02/13(火) 05:05:43 ID:jrJ+ePiG
おまんこのおは
おかあさんのお
おまんこのまは
ましゅまろのま
おまんこのんは
んっんっんのん
おまんこのこは
こどもたちのこ
やさしくひかる
やさしくひかる
わたしをうんで
ぼくをうんでと
やさしくひかる
きらきらきらと
ぬらぬらぬらと
ぴくぴくぴくと
やさしくひかる
ありがとうって
やさしくひかる
やさしいこえが
きこえるひとを
ずっとおまんこ
まっているのだ

428 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2007/02/13(火) 05:06:42 ID:jrJ+ePiG
3

腰が外れるまで
やったのはいいけれど
ぜんぜん気持ちよくないのはと
疑問に思う以前から
わたしは乾いていた
背骨が軋むのは
あなたのせい
あごのラインが崩れるまで
やったのはいいけれど
ぜんぜん疲れないのはと
疑問に思う以前から
わたしは乾いていた
四肢が凄むのは
あなたのせい
だからわたしはいつも
なんどもなんども確認する
不安はいつも
シーツのしわの数だけ
いびつになってゆく


429 :bottom in the depths ◆hmvCcJH4do :2007/02/13(火) 05:21:02 ID:jrJ+ePiG
4

失禁するまで弄くられたい
失血するまで吸われたい
失言するまで焦らされたい
失笑するまで罵られたい
失念するまで監禁されたい
失明するまで暗やみのなか
失望するまでいたぶって
失踪するまで狂わせて
でも失恋するのは嫌だから
ずっとずっとずっと
あいしていると言って
飲めないお酒を片手に
毛布一枚にくるまって
そのなかに冬の病が居座って
わたしはくぐもる白い窓に
それを描き続ける

430 :名前はいらない:2007/03/23(金) 01:02:14 ID:+YMpJ7aB
元気ですか?

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