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十九歳のエチュード

1 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/10/30(日) 13:07:55 ID:HSOQHjm4

例えば一瞬ある昔の思いに支配されて
何も出来なくなってその場にくず折れそうになることがある
そうしてその思いも真っ白な雪が上から覆い隠すように忘れられていく

ステッドラーの鉛筆を持ってノートの隅に書いてみる

好きだった

 好きだった


好きだった


2 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/10/30(日) 13:08:34 ID:HSOQHjm4
ちょっとだけ待たせてください。

3 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/10/30(日) 13:12:54 ID:HSOQHjm4
あの異常にハイな夜にすばらしく山猫のように光っていたものが
今どうしてこんなにも死んでいる

圧倒されて打ちのめされてそれでも破かなかった紙片がまだ残っている
私はその紙片に2Bの鉛筆であなたの似顔絵を描いた
しかしその似顔絵は夢の中で見たあなたに似せようとしていたので
まったく気味が悪いピエロの人形のようになった

あなたはその紙片を拾い上げて画鋲で壁に貼り付けた
今もあなたの部屋にその似顔絵はあるんだろうか

4 :名無しさん:2005/10/30(日) 15:26:18 ID:IhO8xlO9
ゆりさんお帰りなさい

5 :名前はいらない:2005/10/30(日) 16:40:00 ID:S2sj0J+s
あら ・・・ 今日は帰ってこないと思って 晩御飯の用意してないわよぉ
そだっ ・・・ お茶漬け作ったげるから そこで座って待ってなさい♪

6 :名前はいらない:2005/10/30(日) 17:28:47 ID:9Yf2gMo8
エチュードってなんだ?

7 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/10/30(日) 21:01:48 ID:y1fgC4af
>>4
ただいま

>>5
お茶漬け好きです。

>>6
習作。
原口統三の本のタイトル文字りました。

8 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/10/30(日) 21:08:33 ID:y1fgC4af
枯れた黒い枝が私の頭の中で燃えさかっている
業火ともいう焚き火ともいう
まだのこっていたノートの切れ端も破いて全部その中に突っ込んだ
熱風で舞い上がった黒い紙片に焦げた文字が浮き出る
しかし断片だけでその文字が何であるかは特定できない
掴んだら手の中に黒い煤が残っていただけだった

今でもその文字が何であったかは分からない

9 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/10/30(日) 21:13:00 ID:y1fgC4af
恐怖も痛みも失くして
虚脱や倦怠だけが全身を支配している

恐怖の時間が過ぎていく
人生を破壊したくて目を見開く
明日は残酷にやってくる
誰だ
明日は希望だとのたまったのは
誰だ


10 :名前はいらない:2005/10/30(日) 22:49:02 ID:S2sj0J+s
エチュードと聞いて ふとショパンを思った
20 で祖国ポーランドを捨て 家族を離れ ウィーンへ旅立った
その翌年 祖国はロシアに占領された
しかし帰らなかった そこはもう敵国ロシアだから 一生帰らなかった
ロシア兵を一人でも この手で殺せたなら 彼は悔やんだ
そして家族の無事を知らせる手紙は 彼を安心させた
彼は作曲に励んだ 演奏会も開いた 
そしてポーランド人の恋人もできた
でも彼女は 自分の国へ帰っていった
また恋をした 
でも誤解が解けぬまま 別れた
最後はパリで 肺結核を患いながら 39歳の生涯を閉じた
死後 心臓だけが 祖国ポーランドへ帰ることができた ショパンの望み通りに

11 :10:2005/10/31(月) 23:26:02 ID:DV1VYGnu
「詩人への道」

手元には一冊の本 タイトルは ”ピーナッツ” そう スヌーピーが出てくる
もちろん書いたのはシュルツだ そして訳したのは谷川俊太郎
ピーナッツを訳し続けて20年 いつの間にか詩人になっていた
今や彼を知らぬ者は居ない というぐらい有名な詩人に
ああ そうか
なんとなく詩人への道が 見えたような気がした






という訳で,今日は練習しないの?

12 :名前はいらない:2005/10/31(月) 23:59:57 ID:uRKwkm5h
「9の続きにもし何かを書くとしたら」

生きることの 責任の重さに
  悲しみと恐怖に 逃げ道を見いだす
 大きな 深い暗闇の中を
   ひとしずくの涙が こぼれ落ちる
  心の中は 適度な湿度で満たされ
    かすかな光が 奥底にゆらめく
   全てをさらけ出した 最後に残る
     小さく燃える わずかな希望

りりらりらりらら りりらりらりらた
  たらりらるらりら てらりらるらりれ
 明るく笑いかけながら 哀しい唄を口ずさみ
   やわらかい秋の陽射しの中を 静かに回り続ける
  淡い空をゆっくりと仰ぐと 横に連なる雁の群れ
     悲しみに覆われた心は わずかに脈打ち躍動し始める

ああ
 あともう少し 生きてみよう
生きて
 この雁の旅立ちを 見届けよう

13 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/02(水) 00:17:21 ID:JOWqEbPC
>>10
雨の日に聴く別れの歌はやさしい
ずいぶん昔の古傷を虫歯のようにうずかせて
自分のさびしさを格好がつく形に置いといてくれる
卑怯で優雅なアンビバレンツ

>>11
シュルツ「大人の顔は見えないんです。」
    「大人の声は聞こえないんです。」
    「見えてはいけないんです。」
    「聞こえてはいけないんです。」

14 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/02(水) 00:24:21 ID:JOWqEbPC
>>12
歪んで未完成なやり場の無い炎は何百年も愛され続けている
純粋で不安定な存在は熱量をリズムに変えて
洞窟の壁にぶつけ続ける

歌え 歌え
たぎれ たぎれ

暗くて熱い地底のマグマのようなパワーはいつか
透明になり
相反する真理の世界をうっすらと包み込むんだ


15 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/02(水) 00:31:06 ID:JOWqEbPC
 「花」

馬のお面を被った少年は灰色の壁にもたれていた
穴の空いたお面の目の向こうはただの闇だった
四角い窓に切り取られた空は曇っている
少年は五歳の時花のつぼみが開く瞬間を見た気がした
薄くて大きな花びらが世界に向かって微笑みかけるあたたかな時間を

花はある
しかしそんな瞬間はこの世界のどこにもないんだ
花が開く「瞬間」なんて、どこにもないんだ


16 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/02(水) 00:39:54 ID:JOWqEbPC
例えば最初に絵が描いてあるような上等の陶器を高いところから落としたのは誰だったのかなんてのはどうでもいい

私は君の中に私の破片があることを発見した
今日出した私の郵便物の封筒を秤に載せた事務員の中にすら
私の破片が小さく入り込んでいるのを見た
すれ違った前歯の抜けた額の広い子どもにも
ユニクロの服を着たおじさんにも
むらさきの髪をしたおばあさんにも

そうして私は私を愛す
そうして私は人を愛す
人々を愛す

17 :名前はいらない:2005/11/02(水) 20:38:46 ID:w/RGU/Zx
「16の続きにもし何かを書くとしたら」

あなたの心に 私の破片を見つけるたびに
 その輪郭の複製を しかりと胸に刻み付ける
  パズルのように組み立てながら 私の心にしまいこむ
   そうして最後にできたのは もう一人の私

強かった頃の私 希望に燃えていた頃の私
 幸せだった頃の私 優しかった頃の私

ああ いつの間にか忘れていた 本当の私
 私はこんな人に なりたかったんだ

18 :名前はいらない:2005/11/03(木) 17:05:33 ID:g5O7iSYu
「15の続きに16を絡ませながら もし何かを書くとしたら」

誰もが言った 花はないと
かあさんも とおさんも
せんせいも まあちゃんも
少年は 疑わなかった
しかし齢を重ね 青年になった頃
みんなの心の 自分の破片に気付いた
青年は 取り付かれたように
散った破片をかき集め 組み立てた
組み終えた瞬間 全てを確信した 
花は心の中で 大輪を咲かせながら
青年の成長を 見守ってきたと
そしてそれは もう一人の自分の姿
突然内なる世界へ 心が向いた

19 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/03(木) 19:34:39 ID:++9j9vF1
>>17
できあがったものは
とても恥ずかしい名前のものです
大切にしなければ と誰かが私に教えたのです
一方そうした私の部分が強くなればなるほど
影の部分は毎晩叫びます 抑えきれないほど
にせ
というものを憎むのです
本当の答えなど無いことをまだきちんと頭では理解できていても
心はついていっていないのです
それを
私はまだ十九歳だとかそういうことで
時代は片付けてくれるのです


20 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/03(木) 19:37:22 ID:++9j9vF1
>>18
幼い頃は花をわけも無く愛す
もしくは皆が愛すから とかそんな理由だったかもしれない
七歳ぐらいになってから やがて疑いだす
十四歳になると花を憎む
花の名をつけられた自分を恨む
無意味な言葉を書き綴り 虚ろな夢を見て自己を喪失したがる
やがてまた花を愛す
でもまだ完璧には愛せない


21 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/03(木) 19:46:11 ID:++9j9vF1
 「大ナルシスト」

あなたは私に似ている

そう言って私はあなたを引きずり込んだ
もしくは引きずり込んだ積もりになっていた

自己愛の歪んだ投影だ
思春期の自己と他者の同一化
よくある現象

今ならそんな風に言えるのにね

それでも私に似たあなたは私よりもずいぶん高貴だった

今実際私たちは全然違う場所で暮らして違う物語を進めているけど
まったく生きているね 笑っちゃうよ

それでも今冬が近づいて懐かしい歌を口ずさんでしまった日には
深夜二時のコンビニの前でくず折れそうになって何も出来なくなってしまう
君もそういう瞬間があるんなら、またいつか教えてくれないか?


22 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/03(木) 19:48:43 ID:++9j9vF1

部屋の中で洗濯物を干したら生臭くなった
こういう風に腐ってしまったらもうどうしようもなくなる

赤黒い果実が烏にも食われぬまま
地面に無様に落ちる瞬間を僕はからし色のカーテンの隙間から
じっと見てる


23 :名前はいらない:2005/11/03(木) 22:20:21 ID:g5O7iSYu
「続けてみた」

地面に落ちた果実は 人に踏まれ車につぶされ
赤黒い液体を アスファルトにしたたらせる
今にも降り出しそうな 雲の下
しばらくすると 黄色い蝶が3匹
果実の上で 羽を休めていた
果実と地面の間に 口を押し込み
泥にまみれた液を 懸命にすする
ふと蝶が飛び立ち 街路樹の中へ
飛び込むや否や 突然雨が降り出した
赤黒い液体は 純粋な水で希釈され
果実の残骸とともに 排水溝へ消えていった

24 :歌川ケイ ◆lXZBPVO3GQ :2005/11/03(木) 22:37:02 ID:/tgkN4QD
応援sage


25 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/04(金) 23:03:47 ID:ne2zL9fe
>>23

今日人魚は黒い新月の夜空に

黄色い月のような色をした蝶が三匹

赤く変色していくさまを見る

人魚の細かく整列したうろこたちは赤い光を照り返し一度跳ねたかと思うと

暗い波間に沈んでいった


26 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/04(金) 23:04:19 ID:ne2zL9fe
>>24
ありがとう

27 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/04(金) 23:07:48 ID:ne2zL9fe
くだもの屋さんでパイナップルを買いました
子どもらしい味覚しか持ち合わせていない私は
今日もマンションの中で狭い世界に守られて鼻持ちならない焦りと共に
この酸っぱい果実を咀嚼します

何も知らないでも生きていけます
自分が何も知らないことを知っていると言うのは
同様に 寂しいことでもあります

このマンションの窓から星は見えない



28 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/04(金) 23:27:36 ID:ne2zL9fe
ねえ 君
ちょっと訊くが私の顔はさっきの私と同じ顔をしているかな

今日の私は明日にも連続しているのかな
同じように笑えているかい

さっき君は猿のように私の顔をじっと見ていたけど
今はもう興味なんてない風じゃないか

果たしていったい
私という人間がこの世に厳然と存在したことなど
一度だってあったのかな

一億、十億、百億光年の宇宙の中で
ひらりひらりと生み出されて
意味も与えられず生きて死ぬ
その残酷な生命のすがた

洋菓子のスポンジのように脆い自分を目に見えないもので必死に保って
時間をたゆたっていく
「耐えるしかない」と言ったのは神様か、私か


29 :名前はいらない:2005/11/05(土) 19:20:35 ID:jMAL81+F
「28の詩に対する呼応表現」

大きく変容した 自分の顔に
 あなたは 全く気付いていない
先程まで 大きく見開かれていた瞳は
 今はとても 眠たそうに見える
私と居ると あなたは時々
 どこか遠い世界へ 思いを飛ばし
  この世の虚無感に 沈み込んでいく
空では カンカン照りの太陽の下を
 雀たちが 楽しそうに舞っているのに
  この世の喜びを 謳歌しようとしないのはなぜ
夜には 美しい星々が
 やさしく疲れを 癒してくれているのに
  いつも哀しそうに 見えるのはなぜ
そんなあなたの 空虚な思いに触れるたびに
 何かしてあげたいと 考え込んでしまう

30 :名前はいらない:2005/11/06(日) 11:37:57 ID:3f0sldT1
「27にヒントを得て」

きれいな瞳に パイナップルの汁が飛び込む
あたたかな陽射しに 潤んだ目が輝く
うつくしい頬を ひとしずくの涙が滑り落ちていく
かろやかな笑い声が 今日の悲しみを洗い去る

外では姿の見えない鳥が 楽しそうに歌う
天から降り注ぐ雨は 依然として大地を駆け巡る
雨と天が育てたひとしずくの結晶が 寂しさをやわらげる

ああ 神様ありがとう 今日の幸せを

31 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/06(日) 17:31:25 ID:u9ulrCMu
>>29

私は太陽がうらやましくてしかたがないんだ
私は雀がうらやましくてしかたがないんだ

極端な白と黒のコントラストの間を
運命は移動し続ける

白いところでゆっくり歌い
黒いところで高級な悲しいダンスを踊る

ただそこにある世界を
そういう風に受け止めて
いつも静かに笑っていたい


32 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/06(日) 17:36:38 ID:u9ulrCMu
>>30

「言ってしまえばそれまでだ」
だからモナ・リザは笑う

おもちゃのような果物は私に一つのペーソスを与えることを許した
極端から極端
全てを包括するように

今、瞳はパイナップルで潤いながら
カオスの外側まで見切ってしまおうと見開いている


33 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/06(日) 17:56:29 ID:u9ulrCMu
ちょっと小腹が空いたから(いや実際そんなに空いてなかったんだと思う)、何か物足りなくて深夜十二時ごろファミマに行こうとマンションを出て、それきり歩き出したらどうしても立ち止まることが嫌になった。
私はやかましいサーカスの騒音から逃げたかった。道化以外の何かが少なくとも今の自分に必要だ、と漠然と感じていた。
歩き出したら神田川に出て、水は黒い蜜のようにオレンジの街灯を跳ね返しながらどろどろと流れていた。
私はどちらかというと海が近かったとか山が近かったと言うよりは川の近い所で生まれ育った。
だから橋や川いうものが人間の運命や生死を象徴する、ということを肌で知っていた。
立ち止まりたくなかった私は流れに沿って川沿いに歩き出した。
高校時代たましいが一度だけ触れ合ってそれきり逢っていないもしかしたらもう一生逢わないかもしれない友達のことを思い出して「卒業写真」を口ずさんだ。
それでその友達はそういえば写真を撮る前にもういなくなってしまったから卒業アルバムにも写真が載っていなかったんだというようなことまで思い出してまったく自分の中だけで完結した感傷を抱いてたまらなくなった。
そうしたらもう一歩も歩けなくなっていて飯田橋辺りで道端に倒れこんだ。
バイクや終電逃した酔っ払いなんかが私のことを見てみぬふりをしながら通り過ぎて行った。
寒さいたたまれなくなって起き上がってまた歩き出した。奇形で口が歪んだ黒猫に出会ったりもした。
いつか神田川は隅田川に合流して川幅を広げ、私は何百人ものホームレスの寝床になった再開発という言葉が似合う川沿いの歩道を歩き続けた。


34 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/06(日) 17:57:22 ID:u9ulrCMu
時々、呼応しあうように点滅する高層ビル群の赤い照明に微笑みかけたりもした。
空はやがて白みだして群青色のパノラマの都会が姿を現し始めた。
足の裏とふくらはぎが痛んで喉は渇いていたけどもう立ち止まれなかった。
月島という街までやってきてガソリンスタンドの時計を見たら朝の六時だった。
かもめが空を切って私の頭上を飛んで行き、船の頭が見えるところにひたすら向かい続けたら、やがてふ頭に出てもう歩くところは無くなった。
対岸に丸い球体が挟まったビルがあってああここがお台場かあなんて感心した。
川が終わって海が始まる場所を始めて見た。
しばらく動けなくてふ頭のへりで座り込んでいたが、また立ち上がると地下鉄の駅まで歩き出した。
都営大江戸線はもう動いて一日を開始していた。
家に帰るとサーカスはまだ終わっていなかった。私は本当はあの安っぽいサーカスが胸を焦がすほどうらやましかったんだと言うことにようやく気づいた。

35 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/06(日) 18:03:41 ID:u9ulrCMu
家に帰ってからは浅く何時間も眠った。
最後に試験に落第して自分の古いロッカーからたくさんの荷物を運び出す夢を見て目が覚めた。
起きたら体中がきしんで祭りの食べ物を欲していた。
春になったらまたあの川沿いを歩こうと思った。

36 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/07(月) 22:58:49 ID:1kkqlJGd

あなたは歌うよ白い月夜に

嘘八百の歌詞をならべて

上等なワックスのかかった靴を光らせ

タップ・タップ

私もこの世の中を知らない道化のドレスを着て木綿の手袋をし

あなたの背広の肩につかまっていきます

二人は空を飛びます

タップ・タップ

夜空の月に照らされて

音楽に浮かび上がるはわらい皺


37 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/07(月) 23:03:07 ID:1kkqlJGd
 「気味の悪い女」

気づいてしまったんだから

女はド・ドーミエスミスのようにその場に倒れた
決して自分ではもう死ぬ力も残っていないんだと知って倒れた

男は女の尻を一瞥して悔やみの言葉も言わず外に出た
もう太陽は沈んで十一月の暗い夜が始まっていた
心臓の形をした黄色い葉が街灯に照らされ大学の歩道に浮き上がって見えた

告別を言うことが出来るのはいつも男に限られている
女はヤキがまわってもう涙も出ない

馬鹿な感傷も媚びた笑顔ももうこの女には許されていない
女はそこに気づいてしまった

後は恐怖の時間が残されているだけだ
果てしなく長い人生が横たわっているだけだ


38 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/07(月) 23:06:17 ID:1kkqlJGd

自分を傷つけることも結局は自分を愛していると言うことだ

生きている限り自分を愛すことをやめるなんて出来ないんだ

死ぬまで空っぽの自分に見えない愛を注ぎ込みつづけて

人は最後に笑うんだ

それはたったの一度きりなのにその機会がまた何年後かに待ち構えていると確信し

人は死ぬんだ


39 :名前はいらない:2005/11/08(火) 12:18:05 ID:STCRcuZl
「33−35にヒントを得て」

祭りの賑わいは 日ごろの無常を浮き立たす
祭りの枯れたやさしさは 悲しみを忘れた心を
ひっきりなしに誘い 虚構の世界へおとしいれる
悲哀に満ちた叫びは はしゃぎ声の奥に押し隠され
いかにも楽しそうな空気を 仮面のようにかぶらされる
あたかも今日で 人生が終わるかのような騒ぎの中で
生きる苦しみから 解放されることを願いながら
祭りは延々と続く


40 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/16(水) 02:38:24 ID:m3IEaIkm
>>39

黒く狭い空を連ねて
おもちゃの色と昔のアイスクリームの色をした提灯が揺れる
華奢な肩を揺らして夢のような色をした女が感傷からは程遠い歌を歌う

サーカ小屋から逃げ出したあの黄色い獣は
愛も知らず歌も知らず
彼女の白い喉笛を食いちぎった

祭りの後は寂しいので祭りの中で死ぬことは昔からの夢でした
私は幸せ


41 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/16(水) 02:43:47 ID:m3IEaIkm

聖なる明るい歌は茶色いしっかりとしたコートを着た人たちを群集に貶め
夜の空を広くし私を満月の下に暴きだす

あの素敵なコットンカフェまで電車に乗らず歩いていく
カフェの中には大きなパキラの樹がある
客はピザや鶏肉をほおばりながらその樹と天井の黄色い電飾を眺めてやさしく笑う
わけの分からない酒を飲んで酔う
満月
満月
満月

ビルの上
道の上
人々の上

私は見上げる
ブーツのかかとをくじきながら
満足げな笑みを天上に送り
暴かれた楽しいカオスの夜を特殊なステップで堂々と歩いていく


42 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/16(水) 02:48:35 ID:m3IEaIkm

こういう夜にアバの歌を歌いだすような少女は無視してやる
パンくずのようにどこかの道路に棄ててきてやる

ミスターワンダフル
長い夜は赤色の英語の電飾で幕を開ける
一様に冷たい人々は空疎な私を馬鹿だと思っている

棄ててきたパンくずは鳥に食われ次の日の朝にはどこにもない
安易で空疎な風船はしぼんで
空を飛ぶことも出来ない


43 :名前はいらない:2005/11/17(木) 21:10:04 ID:b6cl9HFu
「前レスにヒントを得て」

パンくずの落ちた道には 次に日にはハトの糞が並ぶ
その隣の木の上には またパンくずを落とすことを望み
数多くのハトが群がる
大きな雲が雨を降らす頃 祭りの残り物を携えたピエロが
ピザのかけらを落としていった
ハトは一勢に駆け下り ピザをついばみ取り合った
しかしマヌケなあるハトは ピザの肉片と間違われ
片翼を食われ 飛べなくなった
ずぶぬれになって 横たわったそのハトは
次の日 引き返してきたピエロに拾われ
サーカス前の鳥かごに 入れられて
見世物として 飾られ続けた
餌は毎日 ピザのカケラである

44 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/19(土) 04:36:41 ID:gZ259gRr
>>43

ピーエロがたんたんタンバリン
飴のように引き伸ばされたり転がったり

金の籠のすき間から鳩はそれを見て
泣き笑いのリズムと道徳を学び
どうです世界のみなさん、ご覧あれ
醜い羽をちらちらと
見物料を払った紳士淑女に見せ付ける
向こうが反吐を吐こうが穴の空くほど見つめようが
鳩はもげた羽の醜い付け根を
世界に向かって突きつけ続ける


45 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/19(土) 04:37:12 ID:gZ259gRr
 「前髪」

深夜古いアメリカの映画を観ながら
偽者の色をした十台最後の前髪を切る

髪は素直に床に散らばり
九月の嫌だったこともその時の私の面影も無かったことにしてくれる

もう、
もう戻らない

そのアメリカ映画は救いようが無い台詞であふれていた


46 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/19(土) 04:37:39 ID:gZ259gRr
「紺色のコート」

金色のボタンがたくさんついて丈夫な生地をした
紺色のコートを買いました
白く長いマフラーを絡め
ある種のシルエットに私は挑みかかります
そのシルエットは流行のいたちであります
いたちは明日ピンクや緑の恐ろしく甘いお酒を飲んで
能力を生まれ持ってすばやく駆け回ることができる
そんな動物のふりをするのです

あさっては兎
しあさってはライオン



47 :名前はいらない:2005/11/20(日) 06:44:15 ID:CXnk4Cts
「前レスにヒントを得て」

人を欺くのには もう疲れました
 私は素のままに 生きたいのです
ああ神様 どうして私は
 私以外の生き物として 生きなければならないのでしょう
見栄を張るのも これでもう限界です
 しっぽを隠すのも これでもう終わりです
私は本当の姿を みんなの前にさらけ出し
 気ままに生きることにしました いたちとして
人から嫌われようと のけ者にされようと
 私はこの姿が とっても気に入っているのですから
神様いいでしょうか いいですよね
 返事が無いので いいみたいですね
よかった よかった
 本当に よかった

48 :名前はいらない:2005/11/20(日) 23:26:19 ID:CXnk4Cts
「前レス(>46)にヒントを得て- パート2」

いたちが人を化かすのは
祭りのようなものです
ふと日常の平坦さに嫌気が差し
ちょっとスパイスを効かせるような
そんな高ぶりを与えてくれます
誰もが望む変化に挑戦し
見事に化けれたものだけが
真のいたちの喜びを味わうことができます
そういえば漫画
”彼氏彼女の事情”の少女も
そのようなものなのでしょうか
だとすればいづれは
自ら変化(へんげ)からの解放を望むことになります
そして本当の自分を探すことになるでしょう
本当の自分と思っている姿も実は
化けている姿なのかもしれませんが

49 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/23(水) 02:04:53 ID:TOv3Ee1K
>>47-48

スパイラルから脱線する
孤独で愉快な七変化

無闇に神の名を呼ぶダンサー
新しい星の海のように
その祈りは暴力的な響きを持っている

デフォルメされた動物の毛皮をとっかえひっかえ
いたちごっこは繰り返される

ラリっちゃってるんだ
痛い人間になりすましたい
お酒の入ったバウムクーヘンであの娘は
ラリっちゃってるんだ


50 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/23(水) 02:10:36 ID:TOv3Ee1K

火曜日は図書館
水曜日はフランス語、画塾
木曜日は現代

女子の声 意味不明
(しかしあの娘らは何をしっているんだろう
 わたしはひたすらうらやましい!)

半分だけの月に託して誰かに似ているなんてひとり
わたしは寒空の下で笑います

富士山の近くで生まれたと言うあの人は
高級で純粋で豊潤なオーラに満ち満ち
牛乳パックを火曜日に出す

(背中を貸してください)

そんな一言が言えたら良かったのに
と思う
火曜日


51 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/23(水) 02:17:17 ID:TOv3Ee1K
 「尊敬する人はアインシュタインとのび太くん」


三次元の空間に時間軸を加えることによって初めて四次元としての空間は成り立つ

・・・頭弱い
私はステッドラーの鉛筆の後ろでも齧ってます
・・・頭弱い
映画も漫画も詩もあふれてるんだ 無力なんだ

君はどうきらきらと世界を解釈する
重大なシミを真ん中に落としたまま全員の注目を浴び
見苦しく生きていく人間
手を伸ばせば伸ばすほどその世界は遠のく


52 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/23(水) 02:20:05 ID:TOv3Ee1K

安っぽいベートーベンの第九が金属的に歪められ
近所の広場で鳴り響く

前進貫く私涙す


53 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/23(水) 02:20:44 ID:TOv3Ee1K
誤字。前進→全身

54 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/25(金) 22:13:25 ID:laobYfbt

枯れゆく秋の楽しさを
ブーツで踏み分け
朝日が差し込む

「なんにも手に入らない」
眼鏡をかけたマネキンが講堂の地面に横たえてある
人形の頬に髪に細かな愛のくだけた砂が降り積もる

私はその人形の古臭い睫毛をにらみながら
必死でその腹を蹴飛ばすのを堪えていた


55 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/25(金) 22:17:32 ID:laobYfbt
「羨ましい」と岩下が言った
岩下は夜に働いている
私は図書館の前で岩下が自転車を漕いでいくのを一度だけ
目にしたこともある

岩下の肌は黒く
世の中に削り取られたように肉が無い
瞳はネズミのように光をたたえている
私はその黒い木で彫られた彫像のようなお前を見る度に
羨望で胸を焦がしていると言うのに

岩下は夜に働いている


56 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/25(金) 22:22:18 ID:laobYfbt
こういう風にしか生きられない
ということを嫌というほど私は
知っていて太陽を憎むようなこ
とを教えられて育った第三のナ
ルシストは私の中で今とても壮
大な楽器を作り上げこんじき色
の音楽をフォルティシモで奏で
はじめる欝だ死へ向かう神風青
年のエロティシズム破滅に向か
うそうその瞬間私は今生命的な
んだああつまらない退屈だ退屈


57 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/11/27(日) 04:49:08 ID:jUhWAgVQ
人を馬鹿にしたような目がそっくりだ

58 :名前はいらない:2005/11/30(水) 02:51:36 ID:rLfWX0em
「1週間ぶりにやってきて」

乾いた枯れ枝の隙間を やさしく北風がすり抜ける
新しくできた掲示板に 若い情熱が注ぎ込まれる
多くを感じ多くを思い 心の奥から聞こえる叫び声を
丁寧に言葉に置き換え 詩にしたため
猛烈な速さではじけゆく 行き場の無い思い
ガンバレガンバレ! 俺は熱い奴が大好きだ!
外はとても寒いけど ここはとても暖かい

59 :名前はいらない:2005/11/30(水) 03:11:08 ID:rLfWX0em
「57にヒントを ...得 .て .. . . . .  .  .  .   .ネムイ ...」


人を馬鹿にしたような目がそっくりだ 僕の愛犬を見ながら彼女が言った
さらにクスリと笑ってまた言った ホントは私のこと馬鹿だと思ってるでしょ
いつもはやさしい彼女が 今日はなぜかいじわるかった
でも確かに馬鹿だと思っていた しかしそれも含めて彼女の全てを愛していた
それにしてもどうしてバレちゃったんだろう 目だけで人の気持ちが分かるなんて
本当は馬鹿っぽく見せてるだけで 実はとってもスルドイのかも知れない
そう思うと突然僕のほうが馬鹿に思えてきた 女性にはいつも勉強させられるよ

60 :名前はいらない:2005/11/30(水) 03:13:10 ID:rLfWX0em
ID:rLfWX0em
     ↑
ここらへんに”P”がほしい

61 :名前はいらない:2005/11/30(水) 03:53:33 ID:OXs9aWl/
ID:OXs9aWl/
オックス・スクール 牡牛の学校
○×のスコール 突然の赤ペン先生


62 :名前はいらない:2005/11/30(水) 07:06:56 ID:rLfWX0em
「中ぐらいのナルシスト」

夜が明ける 空が水色に色づく
私は今の今まで 起きていた
大きな目的のために 起きていた
がんばったような 気もするが
振り返り見れば ほとんど何もできていない
何のために 起きていたのか
大きな目的って 何だったっけ
我に返ってみると なんだかつまらない一日だった
誰かを困らして 気晴らししたい
リリーさんの 熱い情熱ときれいな心にほれました
どうか僕と付き合って下さい! なんてね
どう? 困ったかな?
もし怒らしてしまった時の為に 先に謝っておこう
ゴメンね

63 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/12/01(木) 21:11:58 ID:hMWMZnDm
>>58-59

と朝十時通学路の並木通りが赤色からくすんだ茶色になっているのを認めて
斜陽とか祈りとかそういう類の言葉が思い浮かんだ
万歳神様 私は無力だ
例えばあの子と廃屋の中で黄色くなった新聞紙をバリバリ破いて遊んでいた
あの日の私たちからは日々遠くなる 確実に
無力だ

ふかみどりのワンピースは
柔らかく毛羽立って 昼過ぎ私はカレーを食べる


64 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/12/01(木) 21:14:29 ID:hMWMZnDm
>>61
ID:hMWMZnDm
未開のワンレン・メソッド

65 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/12/01(木) 21:18:15 ID:hMWMZnDm
>>62
謝る必要はありません。
ただ、私はここである人を待っているだけなんです。
想像することは自由なので脳内彼女にでもしといてはいかがでしょうか。

66 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/12/01(木) 21:29:10 ID:hMWMZnDm

池袋の人間たちは夜の中で振り回す花火のように赤や黄色に輝き移動する
わたしが悪趣味なオムライス屋でショー・ウィンドウの夢を見る頃
あなたはじっと蝋人形の移動を見据えて高笑い、高笑い
オムライスの中には煩悩のスープで炒めた飯が詰まっている
それを奥歯でしっかり噛みながらわたしはあなたの高笑いに胸を高鳴らせ
もう胃には何も入らない


67 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/12/01(木) 21:32:28 ID:hMWMZnDm
汚辱を知っていると自らのたまう人間が
かわいく頬を上気させ
群衆の中で立ち止まり
「看板」になろうと必死になっている

僕は看板だ
僕は看板だ

女も抱けます 操作して欲しい 頼むから
足が棒のようだ

どうしてそんなにみんな 光ってられるの
もう動けない でも立ち止まるのもしんどいんだ


68 :名前はいらない:2005/12/02(金) 19:57:30 ID:MSScn1kk
ふと窓辺から外を臨むと
 真っ赤な夕日がまぶしく
  私の心に差し込んだ
居ても立っても居られずに
 カメラ片手に飛び出して
  近くの最も高い建物の
   最上階まで登りつめた
ファインダーを覗き込みながら
 いざシャッターを切ろうと
  したその瞬間電池が切れた
仕方が無いので目に焼き付けて
 日が沈むのを見届けてから
  その場を立ち去ることにした
その夕日は永遠に私の心に残り続けた

69 :名前はいらない:2005/12/02(金) 20:08:10 ID:MSScn1kk
ロールパンの入った袋から
 一つ取り出して食べて見ると
  まずかった
   二個目もまずかった
これは業者に
 文句を言わねばなるまいと思い
  ふと袋の底を見るとその内側に
   ぽつぽつとカビが生えていた

70 : ◆D5kT1oka3U :2005/12/02(金) 20:31:30 ID:DneS8rDK
うはww

71 :名前はいらない:2005/12/03(土) 23:40:58 ID:sPvnkoax
友達の家に遊びに行った
 テーブルの上に目をやると
  ビスケットの入った皿
隣にチョコのカケラが落ちていた
 もったいないと口に入れて
  噛み砕いた後に後悔した
磨り減った茶色のクレヨンだった

72 :名前はいらない:2005/12/05(月) 17:54:52 ID:pQy3hxK4
風船は届きましたか?

73 :名前はいらない:2005/12/08(木) 19:45:56 ID:f4wct3l3
銀河の中心から放たれる黒い光
恒星をまたぎ 惑星を横目に過ぎていく
地球に届き 電波望遠鏡が捕らえる
黒い光は 白い光になり
宇宙の誕生とその歴史を
我々に伝える

74 :名前はいらない:2005/12/11(日) 16:55:44 ID:0FS1zFHR
小鳥はついに
鳴き方を
忘れけるかな

75 :名前はいらない:2005/12/15(木) 13:41:25 ID:a2k6o2WT
きらめく冬の陽射しの下に
今朝の雪がヒカヒカと光る
夜の間に積もりし雪に
わたしの足跡が付いていく
その後ろに残った足跡の上に
いとしい弟が小さな足を
丁寧に重ね合わせながら
付いてくる
学校までの距離は遠い
踏み切りもあれば八百屋もある
魚を積んだトラックも横切れば
塀の向こうからわめき散らす犬もいる
学校につくまでまだまだある
その間につく足跡は
冬の朝の思い出とともに
融けてなくなる
いつの日か
いつの日か

76 :名前はいらない:2005/12/15(木) 13:46:37 ID:a2k6o2WT
冷たいそよ風に揺られながら
遠い北の果てから流れてきた
カモが2羽
静かに波紋を漂わせながら
水面をそっと横切る
その上をシラサギが大きく羽ばたきながら
滑降し激しく波紋を沸き立たせながら
着水する
いつの間にかカモたちは
ガマの茂みの中に
見えなくなっていた

77 :名前はいらない:2005/12/17(土) 22:15:30 ID:NQvpEpAB
金網の向こうに寂しく光る丸い月
すべるように流れる雲がその前を通り過ぎる
月を隠し 星を飲み込み 黒い大地に潤いを与えながら
さようなら 悲しみの空よ
ごきげんよう 失意の光よ
もう 私はあなたとは会えない
もう 私はあなたを抱きしめることはできない
もう 私はあなたを想うことすらできない
その下に濡れてたたずむ愛する夫へ

78 :名前はいらない:2005/12/18(日) 01:02:28 ID:wLu4fAbA
はじめましてリリィさん
あなたの詩に心打たれました

79 :名前はいらない:2005/12/18(日) 16:32:41 ID:cQJj1Om/
今日も元気な カルガモ3兄弟
冷たい風 吹く水面を
 小さな足で蹴飛ばして
  空飛ぶ翼が凍えそう
乾いた陽射しを体に受けて
 濡れたくちばしが きらきら光る
  三角のしっぽが ぴくぴく動く
陽の沈みかけた山に向かって
 いつまでも
  どこまでも

80 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/12/18(日) 23:19:07 ID:oOeWgeV9
>>68
案外ショボかったりする使い捨ての風景
この世の果てを見るような気持ちで冬
窓を開け放した実家の部屋の中で
呆然と赤い空を見ていたことがある
私の涎の後は廊下に染み付いた

81 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/12/18(日) 23:20:12 ID:oOeWgeV9
>>69
私もアンパン買ったらあんこが異常に少なくて
寂しい思いをしたことがあります。

82 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/12/18(日) 23:22:51 ID:oOeWgeV9
>>71
茶色のクレヨンは遊び心を知っている
緑色の絵の具には毒素が含まれている
赤と白を混ぜて
年頃のピンクは逆さまに
蛍光色のネオンとなって


>>72
まだ届いてないです。

83 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/12/18(日) 23:25:00 ID:oOeWgeV9
>>73
一億年百億年一千億光年
昔日の星の光 冬の透明な空気に
ふるえ
深呼吸して
肺を冷たく刺してみる
青色の夜

>>74
カナリヤ色の銀杏並木が
吹雪みたいに
大学の歩道に燃えている

84 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/12/18(日) 23:27:33 ID:oOeWgeV9
>>75
静かに静かに時間に押しつぶされて
記憶が鉛色の慟哭と共に
ひしゃげてしまう
そういう恐怖は未来永劫
人間存在の孤独に付きまとう

悲しさとか愛とか
大切にしすぎるんだ


85 :名前はいらない:2005/12/19(月) 15:32:01 ID:2EtglsJx
激しく降りしきる雪の下に
ダンボールに入れられた
子犬たちが打ち震える
親にねだるもとがめられ
あの子たちを見捨てて
連れられて行くわたし

こうこうと輝く月明かりの夜
独り家を抜け出して見に行くも
その姿は既になく
四角くへこんだ雪の上に
小さな花束があるのみ

ごめんね ごめんね
空を見上げると
月が星屑の涙を
流していた



と言うことで
リリーさん 復活おめでとう!!

86 :名前はいらない:2005/12/20(火) 22:16:00 ID:/D5a0nbm
帰途に着く 真夜中の12時30分
街灯に照らし出された 黒い道を
うつむきながら歩く ふと上を見ると 
オリオン座が私を そしてこの町を
見下ろしていた 雄大な姿で
しかし私は知っている 実は
サソリ座から 逃げていると

87 :◇PLAYBOYc7c ◆VGMdSbKWD6 :2005/12/20(火) 23:38:00 ID:vh2NIAsh
>65

88 :名前はいらない:2005/12/24(土) 16:42:09 ID:grSdzOS9
久々に積もった雪の上
すってんころりん転ぶ人
車はのろのろ 自転車ふらふら
それでも楽しい雪合戦
しもやけ かまくら きたまくら
ついでに小さな雪だるま
疲れた頃には夜も更け
ご飯だよと 母が呼ぶ
今日は特別 クリスマス
雪はサンタの贈り物
また来年も積もるといいな

89 :名前はいらない:2005/12/24(土) 20:43:06 ID:grSdzOS9
以上 大阪府吹田市からのレポートでした

90 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/12/25(日) 15:06:54 ID:k/VLLIBI
>>76
確かに私が先刻ぜんまいを巻いた
カモはみごとに
殺人的に愛くるしい後頭部を
ひっこひっこ
揺らして進んでゆきます
白へのあこがれはそれでも断てません


91 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/12/25(日) 15:09:48 ID:k/VLLIBI
>>77

やばいのは
命日が近づいていたことを忘れていた時なんかで
冷たい人は夢の中
おぼろげに現れる
その曖昧さに
涙が止まらないこともある
時間はどうしたって重くて私は生きている限り
あの日からどんどん遠ざかる

あなたが今度見えないぐらいぼやけていたら
私は謝罪するべきなのかな


92 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/12/25(日) 15:14:50 ID:k/VLLIBI
>>78
ありがとう・・・

93 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/12/25(日) 15:18:04 ID:k/VLLIBI
>>79

カルガモの夜は紺色
お洒落な色合いで眠る
中空の丸い金色時計
西の山の端まだ白い
静かに
誰かが注意して子どもは黙る
静かに
丸い時計が動いていく


94 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/12/25(日) 15:27:34 ID:k/VLLIBI
>>85
一度目の見えない仔猫を拾ったことがある
ぼろ雑巾のようにくたびれて痩せていたので
芥と名づけた
三日で死んだ
とても芥の肉球は薄かった

95 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/12/25(日) 15:28:23 ID:k/VLLIBI
>>87
なんだい

96 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/12/25(日) 15:32:06 ID:k/VLLIBI
>>88
例えば私は何かの代替物なの、
って訊けない

子供の頃電子音にまみれたクリスマスソングを鳴らす
くまのぬいぐるみを貰ったことがある
それ以来自分の心臓を凍らしてしまうぐらい
切ない音階があることを知っている

あなたのぬいぐるみになることは厭わないけど

東京に雪は降らない
眠るあなたの手は馬鹿に熱くて
私は秘密のキスをして眠るふりをし続けた

97 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/12/25(日) 15:34:26 ID:k/VLLIBI
大阪府吹田市には何度か行った覚えがあります

98 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/12/25(日) 15:39:21 ID:k/VLLIBI
くだらない言葉遊びで舞い上がって
過去の白い恋人愛しちゃって
肌理の細かな男子
大人になる前に眠る

ふるえる喉が欲しがっている
かわいらしく貪るふりをして
私を硬い腕で捉えるけれど
実際囚われてるのは私の方で

何が欲しい
そんな愚問はもう止めてくれ

99 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/12/25(日) 15:42:19 ID:k/VLLIBI
手の甲にした口づけは烙印



100 :名前はいらない:2005/12/25(日) 18:40:51 ID:i8hbh0XX
生きる幸せってなんだろう
アルバイトでお金を貯めて
遊んで食べて旅行して
いろいろ楽しいことをしてみたものの
どれもホントの幸せとは程遠い
そんな気がしてなりません

ある時貧しい国で死んでいく
多くの子供たちを思い
そして気付いた
本当の幸せって
幸せになるために努力できる機会と環境が
与えられることなんだ

101 :名前はいらない:2005/12/26(月) 01:22:03 ID:J80aX/kv
>>65
りゅんりゅんさん?

102 :名前はいらない:2005/12/26(月) 16:34:11 ID:+0Ojb1zI
あぁ ...  リュンリュン(*゚v゚*) ← これネ...

103 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/12/26(月) 19:46:48 ID:T8uQMI6e
>>100
何にもまして大切なものごとは
何にもまして言葉にしてしまうとつまらない

とS・キングが言ってたなあ

>>101
さあね

>>102
少し違う

104 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/12/26(月) 19:54:07 ID:T8uQMI6e
 「赤いミネストローネ」

料理ぐらいしかすることが無い
鍋の中の愛は揺れます

あなたは今頃白い世界
東京のシャム猫のことなんか忘れてしまって
ワンルームマンションはトマトの匂いで満たされ
マニキュアの剥がれた白いメスの掌に軽く
憎しみを覚える
夕方


105 :リリィ ◆YURIRsZ6T6 :2005/12/26(月) 20:00:32 ID:T8uQMI6e
君と椅子の話をしたことを思い出した

高級な椅子や歪んだ木製の椅子や綿の飛び出たクッションの椅子や
君は座っているのか、と

私はまだ椅子を解体することも破壊することも出来ず
それでも暴力を求めている 生命的でありたいと思っている
笑い笑う
木の燃える狭い部屋の中真っ黒な空気
喜んで

あなたにしっかり手を振ろう
見えなくなるまで手を振ろう

後でまた思い出せるように


106 :名前はいらない:2005/12/26(月) 23:12:26 ID:+0Ojb1zI
花が散る
涙が散る
恋が散る

そして気付いた
本当に恐いのは
愛する人を失うことではなく
愛する心を失うことであると

どんなに天気が悪くても
どんなに風が冷たくても
太陽はいつもその上から
私達を見守ってくれていると

ふと気付くと葦の隙間から
カルガモが2匹
涙で濡れた私の顔を
静かに見ていた
まるで全てを知っているか
のようなまなざしで

107 :名前はいらない:2005/12/27(火) 20:04:40 ID:u+nKhBLt
独り暮らしの料理はつまらない
自分の自分による自分のための料理

誰もおいしいって言ってくれない
誰もうまいねって褒めてくれない
素敵なうつわもなぜか寂しい

いつの間にか私の食事は
コンビニ弁当に代わってゆく

108 :名前はいらない:2005/12/27(火) 23:38:21 ID:u+nKhBLt
厚く積み重なった灰色雲が
天球を覆い尽くし地平線まで続く
目前から吹き向かう北風が
灰色の空を鋭く貫き
青く澄んだ光が漏れる
細く開いた切れ目の中では
黒く小さな飛行機の影が
静かに泳いでいた

109 :名前はいらない:2005/12/30(金) 18:04:58 ID:btXuB25a
グルグルと回る渦潮の中に
 赤い花束を橋の上から
  投げ入れた
花びらは北風で舞い上がり
 リボンはほどけ去り
  渦から逃れようとする
最後に残った茎だけが
 みすぼらしく渦の中へ
  捕らわれて行く
群れからはぐれた
 カモメが遠く
  夕日の中に揺れる

110 :名前はいらない:2006/01/03(火) 21:07:38 ID:p3sWPIxX
はるか向こうの 山陰から 夜月に照らし出された
 狼が2頭 鼻先を天に差し出し 遠吠えをあげる
  空は冴え 空気は凍てつき 地は鳴り響く
犬どもは 落ち着きを失い 泣きわめき 
  カラスが そこらじゅうから 一斉に飛び立った
 家の中からは 赤子の泣き声が 漏れ出し
   猫は毛を逆立てて 闇に向かいて 威嚇する
夜の世界は 一変して 秩序を失い
 明日(あす)にも響く悲鳴をあげ 全てを巻き込む
夜明けは まだまだ遠く 先のことである

111 :名前はいらない:2006/01/06(金) 23:01:26 ID:gRe55eKl
引き上げ者 戦争の地から帰り来る 我が夫
 血のにじみついた拳銃が 薄暗い黒雲の下に 弱い陽射しを吸い込む

悲しみ嘆く多くの戦友を 頭上に飛び交う銃弾の下に 失いながら
 私の愛するあの人は 我が子の居るこの町へ 戻ってきた

私の代わりにずっと あなたを守り続けてきた その銃は
 血が付きすっかりさび付いて もう撃鉄を起こすことすら ままならない

もう終わったことなのだ 戦争も徴兵も飢餓も
 もう失うこともないのだ 夫も子供も友人も
  そして遂に 今から始まるのだ あなたと私と子供の人生が

でも ごめんね
 私はもうあなたのそばには 居られないみたいです
  病床での生活にすっかり疲れ果てました
   あとは あとは 子供の先行きだけが気がかりで心配で なりません

ごめんね
あとは あとは . . .

あなた
そんなに泣かないで下さい あなたが居て子供が居て
私の一生は 結構幸せでしたよ

だから あとは . . .

ごめんね
幸せにね
元気でね

さ よ う な ら

112 :名前はいらない:2006/01/06(金) 23:11:55 ID:gRe55eKl
私の人生って一体何だったんだろう
24で結婚し
3年後にやっと子供が生まれたかと思うと
突然戦争が始まり
愛する夫は死と隣合わせの戦場にかりだされ
いつ夫が死ぬとも知れない不安に
夜も眠れぬ毎日を送り...
それでも子供の世話を続けなければならず
私は遂に結核に冒され
子供も抱かせてもらえない小さな部屋に隔離された

やっとあなたに出会えたと思ったのに
それもつかの間
やせ細ってやつれた私の体は
もうあなたに愛されることすらできずに
天に召されることに

死の間際ですら
あなたにすがり泣きつくことができず
強がってばかりいる私の性格が
うらめしい

一度でいい
一度でいいから
あなたの胸にしがみついて
思いっきり泣いてから
死にたかった

113 :名前はいらない:2006/01/12(木) 22:28:07 ID:HkYyqHou
神の手を持つ男
仏の心を持つ男
合体したら
ただのホモ

114 :名前はいらない:2006/07/20(木) 21:42:40 ID:0WAHg/kD
         ワシがサクジョ放ろう人じゃっ!!
          ζ
         / ̄ ̄ ̄ ̄\
       /         |
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115 :名前はいらない:2006/10/23(月) 19:37:50 ID:uebPu9Tl
二十歳のエチュードはおじいちゃんの悲しい思い出です

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