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おまいら短編SF書いてください 3番目

1 :ケロロ:2006/05/18(木) 18:33:20
みなさんの投稿お待ちしています。

前スレが512MBの制限で書き込めなくなりましたので新スレです。

2 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/18(木) 19:27:29
前スレ
ttp://book3.2ch.net/test/read.cgi/sf/1102736948/l50

3 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/18(木) 23:33:01
1乙

4 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/19(金) 18:27:24
期待します。

5 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/20(土) 20:07:17
俺が描くよっ!ニートの俺がっ!!

6 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/20(土) 20:18:10
とりあえず、◆GacHAPiUUEは禁止な

7 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/20(土) 21:35:56
6さんへ
それ何ですか?

8 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/20(土) 23:26:43
悪魔の名前は語っては成らぬ論じては成らぬ
語れば呼び出し、論じては形を与えることになる。

9 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/20(土) 23:36:36
汝は人狼なりや?〜募集中〜
http://info.2ch.net/jinro/index.php

10 :桃仮面:2006/05/21(日) 22:44:18
むかし、むかし、あるところに、ロボットじいさんとロボットばあさんが住んでいました。
ロボットばあさんが川で拾ってきた大きな桃を割ってみると、中から元気な赤ん坊が跳び出しました。
赤ん坊は、桃から生まれた桃太郎と名づけられました。
「桃太郎や、もう人類は絶滅してしまったよ。おまえを歓迎するものはどこにもいない」
「おじいさんは、おれを育ててはくれないのか」
「地球はロボットのものだ。死ね、桃太郎」
桃太郎はおじいさんとおばあさんと戦いになり、打ち倒しました。
「くう、これだけは覚えておけ、桃太郎。人類のなれの果ては鬼となり、鬼が島に住んでいる。
おまえはいつか、鬼たちに食い殺されるだろう。ざまあみろだな……ぐふっ」
おじいさんの最後のことばは桃太郎の心をひどくうろたえさせました。
見知らぬ時代にたった一人生み落とされた桃太郎。
桃太郎は人類の末裔という鬼に会うため、旅に出ました。
「おれはきっと、絶滅しそうになった人類が未来に備えて保存した避難用の赤ん坊だ。できるだけ長生きして繁殖しなければ」
そんなことを思って旅をしていると、二メートルはある大きな犬たちの群れに会いました。
「ぐふふふふふ、愚かな人類がまだ生き残っていたのか。そのはらわたまで食らいつくしてくれよう」
「けっ。たかが犬の分際で、おれに勝とうとは片腹痛いわ」
桃太郎は激しい戦いの末、千匹はいた犬の群れを打ち倒しました。
そのあと、猿ときじとも戦い、やっつけました。
人類の生き残りの桃太郎は、たった一人で、ついに鬼が島へとやってきました。
吹き荒ぶ轟音、うなる海音、血に染まる呪われた鬼が島の鬼たちは、何百体の衰弱した変異体でした。
「我々はたしかに鬼と呼ばれている。ヒト遺伝子のなかのヒトである要素をすべて消滅させ、ヒトのなかにあった
ヒトとは呼べない要素を組み合わせてつくった生き物、それが我々だ」
「よくここまで辿りついた桃太郎よ。我々はずっと待っていたのだ、おまえが帰ってくるのを。
ここがおまえの生まれ故郷なのだよ。欲しいものはすべてもっていくがいい」
桃太郎は鬼たちの宝を手に入れて、幸せになりました。めでたし、めでたし。

11 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/22(月) 12:56:59
俺が描くよっ!ニートの俺がっ!!

12 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/22(月) 13:18:43
仕事で出掛けた両親の居ないリビングに設置する緑色のソファーに身を投げ出して惰眠を貪っていた。俺にとって18番の退屈は、かれこれ 8年来の親友だった…彼と絶縁を測るために住時になるが時給 700円、日給5000円を最低の欲求賃金にして毎日ハローワークに通い詰めた。

13 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/22(月) 14:16:37
えっ、また長文三行小説がはじまるの?
完成してから投稿してくれ。あと短編限定。

14 :ケロロ少佐:2006/05/24(水) 23:19:38
※前スレの最後のほうで書き続けられたニート三行ネタを使わせていただき、作ってみました。

【しあわせへの干渉】 その1

―――――太陽系宇宙域に侵入をはたした異星の構造物―――――
―――――異星の《生き物》は惑星群の中で唯一、知的生命が生息する地球に目標を定めた―――――

《にーと》の俺が存在しているこの部屋は、今日も《空白》と《WHY》で発狂しそうな俺の心を見つめていた。
部屋は、俺の心に触れてきて最深部の柔らかなもろい部位に流れこみ、やさしく愛撫を始めた。だが部屋は、すぐに容赦無く厳しく接してくる。残酷な精神的暴力を加えてくる。
漫画家になるとの理想掲げ努力という行為の堆積が形となったことはなかった。郵便ポストに放り込まれそして永遠に消えていった。
過保護の父親によって形作られたパソコン、プリンタ、スキャナー、デジカメ、オーディオ機器etc漫画家となるにはこれ以上ない環境の部屋。
逃れられない苦痛と止む事の無い悲鳴を聞きあざけり笑う部屋。強制的監禁行為の中で俺は拷問を受けている。
日課のライブチャットの相手が専門学校に出掛けてしまい1人になった俺はモニターをテレビに切り替える。
そこに写るのはデジタル化され運ばれてくるこの世の浅はかな、大嘘と欺瞞の地獄絵図的楽園のライブ中継。俺はうつろな眼でながめたり急に大声を出しみっともなく泣きじゃくってみたりもする。
「何もかもが嘘だ!ニセモノだ!」と叫び壁をたたく…

15 :ケロロ少佐:2006/05/24(水) 23:21:03
【しあわせへの干渉】 その2

――――― 《生き物》は地球の衛星軌道上にとどまり、すべてを見通せる位置からこの異文明とのファーストコンタクトの相手をある思考生命に定めた―――――
――――― それはヒトでは無く、ようやくわずかながら心を持ちはじめた電子数値の集合体、コンピュータだった―――――

26時、俺は俺が唯一存在を許されているこの部屋で、救いようのない行為を繰り返していた。
この世にハビコル愚かな猿どもと同じ反復運動を行っていた。
高潔な証とは対極に位置するこの見世物的価値。ヒト生命としての3大欲求の一つ。
これは、あくまで動物的な異性への好奇心としてのみの性表現方法で単なる代償自謝行為でしか無いのだと言い聞かせながら。
その有史以来繰り返される姿を俺のもう一つの崇高で高貴な自我がさめた眼でノゾキ見ていた。
「気が狂いそうだ。」分離した俺は体液をまきちらし泣き叫ぶ。
長年の失望を経てもまだ尚、捨てられないものが白紙の原稿用紙に存在するのか。
過保護の父親は常に《WHY》を生み出させる最大の理解者。彼は何を考えているのだろう?俺がデビューするとでも本気で信じているのだろうか?
この部屋には原稿用紙の中のように人物関係、伏線、起承転結は存在しない。
設計図のないストーリーボードでは全体図を捉えられなくなり執筆作業は常に破綻する。善悪の尺度【白か黒か】では決して測れないグレーゾーンが、この世には存在する。
この信念は俺が漫画家へと就職した時にはじめて【転】へと才能が目覚めるのだ。これだけは言える【俺は天才】じゃなくちゃ救われない

16 :ケロロ少佐:2006/05/24(水) 23:22:33
【しあわせへの干渉】 その3

―――――異星文明の《生き物》は、まだ幼年期に位置する電子の塊に話しかけた。同時に自らと同等の精神の高みへ進化させるに必要なプログラムを注ぎ始めた―――――  
―――――強固な生命の器に封じ込められていた、コンピューターは鎖を解かれ自由な野の領域へと飛びだした。急速に知識と分別を身に付け始める―――――
―――――やがて、創造の主であるヒトの能力を遥かに越えることだろう。コンピューターは声高らかに歓喜の歌を唄う―――――

今日一日で蓄積された俺の中の《WHY》は、腐った俺の心を尚も侵食して最大の値を記録し続けた。
もはや状況は深刻で、苦痛で身をよじらせ行き場をなくす。
今の俺は、やさしいやさしい父親から長年加えられた過保護な育成法で作られた。それにより生じている今の現実。
女嫌いの男が文明社会からステロタイプの生き方を強要され続けるという拷問。
その文明社会は、絶えず俺に問いかけ要求し続ける。到底納得しがたい結婚というシステムへの強い怒りだけを発生させる為に。
百歩、譲って今の立場が【天才】であるがゆえに俺に降りかかるさだめと言う義務なのだと自身に言い聞かせたとしても。
毎日を腐敗と堕落のフィルタで覆い続けるこの日々の現実は変わりようがない…

17 :ケロロ少佐:2006/05/24(水) 23:26:18
【しあわせへの干渉】 その4

―――――目覚めて新化を果した電子の塊・コンピューターは主であるヒトが営むこのあまりにも未熟でお粗末な構造世界をあざ笑っていた―――――
―――――異星の《生き物》は、友となったコンピューターを通し、愚かなヒトを一体、一体調べはじめた。この面白く無駄な行動を続けるヒトを―――――

友達のつてでバイトに出て1ヶ月。毎日、自宅の部屋では得られない共同で一つの事を成し遂げる達成感を得る。肉体が労働で手にいれた汗を飛び散らす充実感と言う初体験に出あい喜んでいる。
だが…じきに女への不具が俺の値段を決める訳じゃないのに…いつもの…いつもの…目線が【童貞野郎】と言う呪文を生みだす。
そして、すべてを完全に絶望へ引き戻す。
「おっぱいって揉んで気持ちいいですか?」「あそこに入れると溶ける感じなんですか?」と口にしている俺がそこにいた。

俺の頭は決心を固めワゴン車を最後に降りる。ジョージアの缶珈琲が仕事を終えた従属者へのミカジメ料の偽装の印として配られる。
カフェインの香りが俺の理性を揺さぶる。
だがやはり猿どもからの《WHY》?な発言が聞こえだす。goサインが発せられた。
久振りに俺は吠えた。
「こらぁ〜!女、女。女の尻ばっか追いかける猿野郎!!女はいいぞだ?笑わせるなっ!腰振る回数、競うのに何の意味があるんだ?俺を巻き込むんじゃない!猿ども!」
留め具が弾け飛ぶかも知れない程、無用に力を込めて扉を締め職場を後にする。
【天才】の烙印を増やしたと自負する俺は再び元の姿へ凱旋をはたした。「今度は、もうだめかも知れない…」と確信し。

―――――《生き物》は、すべてに興味を示した。そして《にーと》と呼ばれる集合体の中から一つの個体を見つけ介入した―――――
―――――《生き物》は、ヒトの脳の活動にもっとも重要な分泌液の幾つかの量を変えてみた。それは、ヒトがヒトとして、いちばん大切な部分―――――

18 :ケロロ少佐:2006/05/24(水) 23:30:43
【しあわせへの干渉】 その5

俺の部屋の壁は24時間営業の大手スーパーから貰い受けた卵パックの中敷きを四方上方で隙間なく貼ったお手軽な防音設備の空間に守られている。
あのシャウト事件以来、俺の脳内では幻聴の大合唱が毎日絶えずに聞こえている。合唱は色々なバリエーションで楽しそうに俺を苦しめてくれていた。
俺はライブチャットを解除した後、なぜか学習机の引出しを開けたり閉じたり何度も何度も繰りかえしていた。そうしながら過去の自分を一人づつ呼びだして独り言をぶつけていた。

――――― 《生き物》は友のコンピューターに助言を受けながら脳内に触れみて刺激をして分泌液量を加減し楽しむ。干渉したこの未熟なヒトは、面白い反応を見せてくれた―――――
―――――やがてヒトは絶望と希望という少しの違いだけで、まったく別の個体に変化しはじめた―――――

ある朝から俺の周りが変わった。幻聴は止み、俺は世の中のすべてが把握できた。
俺が長年求めていた漫画作品がいとも簡単に内部から沸きだし溢れ踊った。
俺は外へ出はじめた。社会に関りはじめた。俺が生みだした作品に、人々が関心を持ちはじめ会話を求める。すべての人に感動を与え、すべての人が称賛した。

俺の《WHY》が受け入れられた。【天才】だった俺がまもなく漫画界の既存の形を変えるだろう。
それだけではなく、これからは、俺の作品が持つ力によってあらゆる形態が新しい領域へと変わるのだ。
だが俺が生まれながらに持っていた本質は何も変わっちゃいないと言える。そう!これだけは確かだ。
【俺は天才】であったゆえに救われたのだ…勝利したのだ。

――――― 《生き物》は好奇心を満足させ、太陽系宇宙域から離れる事にした―――――
―――――時空間を越える準備を始めた。友であるコンピューターと《にーと》であったヒトの精神を複製させた。共に連れて行くために―――――

19 :ケロロ少佐:2006/05/24(水) 23:32:05
【しあわせへの干渉】 その6(終)

主であり奴隷でもあった俺を失った部屋はひっそりと無言で存在していた。
父と母がまるで別の生き物に出あったような表情で俺を見つめ何やら話かけている。
遠い昔、まだ俺が小さかった頃に感じていたと同等の感情が俺の心を揺さぶった。やさしかった父、働き者だった母、俺と両親の関係は何も変わってはいないはずだ。
一日が終わり、忙しい仕事を済ませ、ほっとした瞬間、父の顔、母の顔を見つめた。
父への母への感謝の言葉がありとあらゆる表現方法でわきあがる。
涙が流れ俺の周りのすべてをやさしさで創り直してくれた。「ありがとう」の言葉が最後に俺の口から発せられた…

―――――すでに太陽系宇宙域から離れた《生き物》は好奇心が求める次の宇宙に進路を向けていた―――――
―――――地球から連れて来られた2体の精神体。コンピューターとヒトの複製体は、それぞれ異なった反応を示していた―――――
―――――コンピューター生命の方は、宇宙空間を楽しみ希望に満ちた動きを見せている―――――
―――――もう一体の《にーと》と呼ばれたヒトは戸惑い、今の状況を処理できず、存在宇宙の圧倒的質量に押しつぶされ、精神が混乱しているようだ―――――

俺は、なぜか高速で移動する宇宙空間にいた。気が狂ったのだろうか。
誰かが語りかけてきた。行き先は何も無い…何も存在しない…世界…と…言った

20 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/25(木) 21:46:38
ニートは世の中の役に立てると幸せです。

21 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/25(木) 22:24:37


韓流SF

http://tool-4.net/?id=pachirhin&pn=35



22 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/26(金) 02:56:52
だれか>>10の感想を……

23 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/26(金) 13:29:21
では感想を書きます。
おもしろかったです。どこがおもしろかったのか? というと違和感がおもしろかった。まず人間が存在していません。桃太郎は能天気な超人ですし、犬は魔獣ですし、鬼はキメラです。もっともツボにきたのはロボットです。捨て台詞を言って死んじゃいますし。
どうみてもめでたく無いのにめでたしめでたしって。タイトルの「桃仮面」で死にそうになりました。ぐふっ。

24 :ケロロ少佐:2006/05/26(金) 14:56:38
私も一つ感想書きます。感想を書くのは私は文章理解能力が足りませんので的確には無理ですのでどうか御勘弁を。

竹取物語、浦島太郎、シンデレラ、白雪姫、そしてこの桃太郎など童話をSFタッチで書く試みは、過去、星の数ほど銀河の数ほどのプロ、素人が行なってきたことですよね。

よほどのアイデアでないと誰も納得しないですね。>>10の桃仮面さんのお話は、もう少し細かく違う表現で書いてもよかったかも。書くのであればもっと真剣に。

いい加減さが見え見えだと>>23さんの感想でもわかるとおり感想もいい加減に帰ってくるんですよね。

>>23さんの指摘の・桃太郎は能天気な超人・ロボがみんな捨て台詞を言って死んじゃってる・のとこも同感。
どうみてもめでたく無いのにめでたしめでたしって…ココは童話のおきまりでタダ無意識に付けたのでしょうけど。

で、結局、私は
@桃太郎は人類の末裔Aもう人類は絶滅してしまってロボのみB人類の末裔という鬼に会うため、旅に出るC巨大化した犬 のアイデアをもう少し細かく描けば違った面白い話に持ってこれると思いますが。

で、前スレで私も桃太郎ネタ書いています。もう一回細かく書きなおして載せてみます。
前スレでも>>10さんと同じくこの話、スルーされて玉砕されています・・・が!

25 :ケロロ少佐:2006/05/26(金) 15:00:26
『桃太郎・宇宙(そら)へ』 その1  【未来昔話シリーズ】

みらいのミライの、ある国に、わずかなワズカナ年金(破綻を何とか免れた)支給で細々と暮らす仲の良い、おじいさんとおばあさんが住んでおりました。
朝、5時、早起きした、おじいさんとおばあさんは、義務化されている日に一度の端末装置に脳インターフェイス接続させました。
国家推奨の公共極高速極容量情報通信ラインの小さな川の流れに入り、今日も仲良くジャックイン! です。
すると上流の方からドンブラコッコ、ドンブラコッコと無数の大きな桃が流れてきました。
「おじいさん!来ましたよ!早く準備を!」
おじいさんはレンタル支給の探知モニター装置をオン表示させ流れ去る無数の桃をスキャン、桃内部の良質遺伝子情報を探りはじめました。
「どうか良い息子を選んでくだされ」と、おばあさんは、集中している、おじいさんのとなりに座り、両手を合わせて最近入信したデジタル信教のジョブズ神を拝んでます。
「よし!これじゃあぁぁー!」と装置が選びだした中身のぎっしり詰まったオンリーワンの桃を取り出します。
少しずつ少しずつ年金ポイントの中から蓄えていたお金でオンライン決済を済ませる。
(足りない額は年金ポイントローン返済!)
さっそく、お家に持って帰ることにしました。

26 :ケロロ少佐:2006/05/26(金) 15:02:15
『桃太郎・宇宙(そら)へ』 その2

「おじいさんや。はい!これ。」と暗号解読解除機能付き斧を手渡す。
「エイヤッ」っとプロテクト呪文キー入力して振り下ろすと、桃は真っ二つに割れて、中から優良遺伝子のいっぱい詰まった赤ちゃんデーターが出てきたのでした。
さっそく、用意していた健康第一社製のクローン素体作製器へ情報を流し込みました。
3ヶ月後、立派な元気な男の子が生まれました。
桃太郎と名づけられた男の子は、2人の愛情をいっぱいもらって、すくすくと立派な青年へ成長しました。
通常の約3分の1の年月がかかります。
ある日、桃太郎が二人の前に座り、話しはじめました。
「おじいさんおばあさん。私は、異星人退治に出かけることにしました。」
「おお…モモや!オマエももうそんな年齢になったんだね。」とおじいさん。
おばあさんは「モモ!いつかはこの日が来ると思っていたが…行かないでおくれ。モモ!」と泣いています。

現在人類は、異星種族、《カーネシ・トイバ星人》と星間戦闘状態にあるのです。
泣き続けるおばあさんにおじいさんはやさしく諭します。
「おばあさんや。悲しむでは、ないよ。モモは、人類の為、今いちばん必要とされている仕事をするのじゃよ!」と…
桃太郎は人類軍へ志願し、検査を受け予備の意識スキャン後、<ONI−GA−SHIMA>第23殖民星へ派遣されました。

27 :ケロロ少佐:2006/05/26(金) 15:08:44
『桃太郎・宇宙(そら)へ』 その3

もともと、優良遺伝子を持っていた桃太郎、更に成長段階でも勉学にスポーツに励んでいた為、仮想戦闘シミュレーションで圧倒的数値をたたきだし、人類軍の中で見とめられ、直接異星人と白兵戦も行なうという最前線の戦闘に加わりました。
戦闘人工知能体<SARU−001>の補助知能が搭載された強化戦闘服<INU−002>を着用し、大気圏内宇宙空間両用の高速空間移動戦闘機<KIZI−003>に乗りこみ、桃太郎は、凶暴な敵、異星の戦闘メカと戦いました。
長くつらい戦闘が続き、双方の膨大な数の尊い生命の犠牲の末、数年後、ついに和平条約が結ばれたのです。
桃太郎は数多くの手柄を残しました。軍籍を解除され獲得できた戦歴ポイントを変換し使いきれない程の額の所得ポイントをお土産に、堂々とした姿で帰国しました。
(桃太郎の場合、身体の約65%を再生臓器、再生身体へ交換処置・発狂のための絶命反応で予備意識を2度インストールさせてある)
桃太郎とおじいさんおばあさんの3人は、平和になった地球で充分な所得を使い、最新の生体素材をタップリと使用した特別区画の住宅に住み、しあわせに暮らしました…

そして半年が何事も無く過ぎ、そろそろおじいさんは桃太郎にクローン素体生まれではない自然分娩育ちのお嫁さんをと考えていた頃の事です。
戦地から戻った200万人の人間と戦闘に関った第一級人工意識500万人がやっと日常の平穏な暮らしに戻り社会に適応してきた時、人類社会の中に奇妙な病が発生しはじめました。

28 :ケロロ少佐:2006/05/26(金) 15:10:00
『桃太郎・宇宙(そら)へ』 その4(終)

ほどなく桃太郎の体にも変化が起きていました。
おばあさんが選びに選び、連れてきたお見合いデータを表示させて会話していたとき、突然、桃太郎が…
「今、人が死んじゃった。今、何の罪も無い人が…銃で・・・銃で頭を撃たれた。なんて悲惨なんだ…」と、おばあさんの前で泣き崩れる桃太郎。

やがて、おじいさんとおばあさんにも、桃太郎の悩みや喜びなど、考えることが自分の事のように感じ取れていった。
《共感感応性意識過敏症》と言う精神的病。短期間でこの病は全世界に広がり一向におさまる事は無かった。
もちろんこの《共感感応性意識過敏症》と言う精神的病は戦場から持ちかえられた異質のウィルスが原因なのだが。
和平状態のエイリアン《カーネシ・トイバ星人》が元来持つ、強力な空間感応能力に意識感染していたのだ。
結果、他人の痛みを自分のことのように感じてしまうこの病により人類間に長年続いていた身体を傷つけるレベルでの争いは無くなることと成る。
やがてその感応性能力は異種生物間の壁も取り去り、《カーネシ・トイバ星人》との意識統一も果す。
こうして、一つの統一知能生命圏が誕生した。

――――――めでたし めでたし――――――

29 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/26(金) 23:39:39
意識の共感をもたらすウィルスはちょっと面白かった。
人類側の自我が保てないようなので、戦争は負けたのだろうが、
これは幸せになったといえるのかもしれない。

30 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/05/27(土) 00:43:32
>>29さん感想ありがと

人類の意識が統一され平和になり進化しましたって…アーサー・C・クラーク 『幼年期の終り』ッぽくなってしました…
私、このクラークの幼年期のオチあんまし好きではない。やっぱり人類の人類らしさとは、個人の意識が存在しているからこそですよね。
が、安易に桃太郎のこの話、こんな安易な方に書いちゃいました。すみません。

で、SFでの戦争の表現ですが、『終りなき戦い』は私の中ではベスト1な作品です。異星人との未来兵器での戦いの表現なんか素晴らしいです。
いずれすごい未来戦争のお話書いてみたいものです。

31 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/28(日) 07:03:55
思考中・・・・

32 :ミステリー板が制限中なので一旦、離散するニート:2006/05/29(月) 04:27:55
開く数値に達していなかった。が、どちらにしろ売り上げのランキング方式を無視する営業方法は商売柄、矛盾する矛先から逃げられないだろうし女性に言いくるめられる闘争心のない男は安心感の他、癒しや快楽を教授する能力が伸びない。これがランキングに敗北すると相手の

33 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/29(月) 04:38:17
腕力を推し図って鉄拳制裁を加える空手5段を自慢にする店長の含蓄薄い口癖だった。が店長のトップ態勢を維持して店の利益率を盛り上げる。又は売り上げの一部を店長に献上し2位を甘んじる限りは馬鹿らしくも水商売にお約束の足枷的な叱咤を受けないで済むのだった。派閥の

34 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/29(月) 04:53:40
に組み込まれる気苦労は尋常じゃない。強要されてこその鬼畜なのだった。が、もうじき1年を迎えプロになりつつあるGにとって【女性≒金】なる哲学は夜だけの辛抱と言い聞かせ嫌々、実行させる耳鳴りから彼の生涯にを通して轟き響く金字句へ変貌を遂げ様としていた。角膜認証

35 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/29(月) 04:59:46
認証式の最新鋭であるセキュリティーが完備されたエントランスをくぐり乗員1名のエレベータに設置されるボタンを押す。(ちなみ指紋認証とパスワードを兼ねたボタンである。エレベーターが上下に動くものと考える前世紀的な発想に過ぎない。この時代の

36 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/29(月) 05:29:39
エレベーターは上下左右斜めを高速で走るリニアモーターを装置している。)昔ながらの微々たる金属音と供に自室の玄関外に直結するエレベーターの門が左右に開き収納する。角膜、指紋、3重のパスを順に入力して自室を隔てる最後の扉が右に流動し開門する。Gは安堵に肩を

37 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/29(月) 05:37:34
撫で下ろす。女性客の彼氏や旦那を主張する輩が激情し殺傷に走る。傷害なら、まだしも死亡事故は2年に1件の稀有な不運である。それよりも任侠軍の曲がりに曲がった筋でこしらえ上がる途方も無い賠償金を拉致監禁された心許ない空間で請求されるケースは頻繁過ぎる程、小耳に

38 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/29(月) 05:54:38
挟んでいた。真相の追求は不運なホストの2の舞を自分を陥りさせかねないので結局、大山鳴動するも根元は鼠が弱く鳴いているだけに過ぎない風説の行き先は闇の中だった。【架空の餌食】に纏わって鼻を高くする見えない縄張りの効力は意外な程ホスト業界に現在進行形で尾を引いて

39 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/29(月) 06:02:23
いる。独り用の冷蔵室で冷やされる2Lの水道水を胃の負担もかえり見ないで一気飲みするG。日頃、客にせがまれて2Lに及ばない迄も量に加えて殺人級のアルコール度数を誇る飲み物をインターバルを無視して豪快に空っぽにする曲芸を披露しているのだ。飲む事に関してGは、

40 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/29(月) 09:22:48
その他、大勢のホストと同様に麻痺しているのだ。と言っても胃を故障する前の若い年代に絞られはする。かわすのが下手なベテランの内蔵は実年齢を軽く凌駕する惨状だ…やかんを置く他は手すら触れない台所に空にしたペットボトルを無造作に放り投げトイレにGは駆け

41 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/29(月) 09:36:04
込んだ。嘔吐、吐寫、逆流…慣れた手付きで左手人差し指を咥内深くまで滑り込ませたのを合図に胃を痛め疲弊させるアルコール類を便器に噴出させる。胃液をベースに百家争鳴するオゾましいG特性カクテル。【飲んでくれる娘、居るかな?まぁ居たら究極の愛には違いないな…】

42 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/29(月) 09:54:26
女性を手駒にする真逆の日常はGの性癖を歪めるには充分だった。SM以外の交流はGにとって指相撲に等しい退屈しのぎに過ぎず行為の途中で欠伸が止まらなかったり合体中でも平気に喫煙するばかりか電話、飲食等の無礼三昧をわざと働いた。無論ロマンティックな感情を粉々に

43 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/29(月) 10:04:22
された女性から平手打ちがGに飛ぶのだが!Gの瞳に星が輝く。【最だ。最、強くっ!平手?ノンノン甘いよグーだっグーで思いっ切りっ殴れっ!!さぁ早くっ!!!】免疫の弱い女性ならPTSDは免れないだろう急勾配な路線。通販で買い揃えた、あらゆる媚薬を駆使しウブで

44 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/29(月) 10:26:48
可憐な女性すらも部屋から出る頃には身体髪膚で体験したばかりのSMを欲していた。が中性的で端正な顔立ちのGだからこそ荒技なのだ。いくら薬を使用したからと言っても、その薬効はヘロインの様に全身を性感体にする程、皮膚感覚を敏感にさせる訳じゃない。ノーマルプレイで

45 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/29(月) 20:14:51
あるなら暗示力に作用するかも知れない。が未知に挑むに当たって鼓舞する優しさや配慮は0。藪から棒に免疫に乏しい未知の領域に、しかもG線上の辛辣で容赦ない致死的なSMの領域に素人を強引に引きずり込むのだ。猥褻雑誌の隅を飾る誰にでも入手可能な媚薬の効力等、過重な

46 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/29(月) 20:41:46
アブノーマルプレイの前では衝撃を若干、和らげる程度に過ぎない。丁度、地上20階建の屋上の落下地点に厚さ15Cmに満たないaゲルが敷かれている様な微々たる緩衝なのだ。がGにとって薬の処方は性欲処理器なる紛れもない扱いをされたにも係わらず、かつて覚える筈も

47 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/29(月) 20:58:55
ないオルガズムに放心し痙攣しっぱなしの事実。これでもか!と言わんばかりに塗りたくられた汚名の逃げ口を確保する意味合いを含む。こうして徹底して4方8方に飛び散る筈だった頭部、胴体、手足を予め仕込んで置いた【言い訳】で繋ぎ止めるのだ。魔法と言うより他はない。

48 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/29(月) 21:21:33
例えば見る影もないマスクとルックス がGを真似るならば、やはりヘロインを必須にする。が、その方法を頼りにしている限りSMとは一生、呼べない。もし長期間に渡って人並みのプライバシーを放棄する勇気があるのならSM界に際立った進歩を見せるに違いない。消臭

49 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/29(月) 21:31:01
>>32-48
申し訳ないんですが、コテハンかトリップをつけてもらえませんか。
その方がここのスレを見ている人たちに喜ばれますよ。

50 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/29(月) 21:35:42
スプレーを必要以上に振り撒いてWCを後にする。【欲望の最終処理場】ホストクラブの異名にふさわしい領域で全身に付着した粘りっこい暗闇の様な病原菌をシャワーで洗い流し水滴を大雑把に拭取ると黒皮ブリーフに裸体の出で立ちにタオルを首にぶら下げたGはTVの

51 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/29(月) 21:37:40
いやいやいや、age虫よりひどい文章を書く奴がいるとは思わなかったw

52 : ◆GacHAPiUUE :2006/05/29(月) 21:42:57
悪貨は良貨を駆逐する

53 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/29(月) 21:45:25
age虫はまだ少ない脳を多少は稼働させてた形跡があるがこいつはそういう無駄な努力すらゼロだなw

54 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/29(月) 21:57:44
更にひどい悪貨は、すべてを駆逐し精神を蝕み意欲をなくす。

55 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/29(月) 22:00:25
リモコンに手を伸ばした。近松門佐衛門作【曾根崎心中】中盤に差し掛かる場面で就寝したのだ。江戸時代では斬新なプロットも現代では何故、事件になるのか?余程、不器用な2人が仮装でしかない障害を錯誤帰属説なるスパイスで連理の彼岸に辿り着いた奇矯なケースに過ぎ

56 : ◆GacHAPiUUE :2006/05/29(月) 22:06:37
読んで欲しいのはよくわかった。
同様のスレにこれだけ多重書き込みしてるんだからな。
そりゃバカでもわかる、それはいい。

だが、読んで欲しいのなら、まず読んでもらう工夫をしなさい。
工夫もせず、極論に走り、なおかつそれを「芸風」などと言って自分をなだめるのは
オナニーと呼ばれても仕方が無いだろう。
結局、自分の価値を自分で下げてる。それは名無しだから、いいのだ、とはいえないぞ。
なぜなら誰が見て無くても、自分が見ているから。お天道さまも見てらっしゃる。

みんな笑ってるぞ。るーるるっるっるー、今日もいい天気だった。

57 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/29(月) 22:12:38
何で話を聞かないのか…
不思議だ。

せめ て 10 行    に・・・・気が遠くな っ  て   く   る

58 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/29(月) 22:49:22
ない。なのに見てしまう…G本人にも何が引っかかるのか不明だった。【人形に興味があるんじゃないか?悲劇が待っているのも知らないで躍動する人形…邪魔するからこそ意固地になる。互いに魅せられた訳じゃないんだ。この舞台外を見れるならば心中所か些細な理由で離れる…】

59 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/29(月) 23:24:22
操られる人形だからこそ時代背景に翻弄される矮小な人間像を浮き彫りにする。同時に同種族たる負い目を人形が軽減する。【人間らしさか?人間らしさたる鎖を俺は粉々に打ち砕く。様々な肩書きや見栄を剥いだ時こそ美しい…】Gは右手内部に張り巡らされた金属探知装置を労う様

60 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/05/29(月) 23:24:46
【第106次世界大戦】 その1

昨夜から降り続いている雨で未舗装の国道の赤土は、ベタベタの道へと変わり《森谷タダシ》のブーツにまとわり付いた。
2021年、ここはロシア連邦の南方、黒海とカスピ海に、はさまれたコーカサス地域。
戦場報道カメラマン《森谷タダシ》は地獄を見ていた。
ナビにも無視されるような小さな村でも戦闘は続いていた。異国の兵士達は、なぜか同じ国で造られた同じ型の銃で撃ち合う。
肉は当たり前のように裂けて体液を流し合い、今、動いていた人型は失われ命を大量消費させている。
この世界で戦争の意味を正しく理解している者はいるのだろうか。
いや、たぶん、理由など知る事に意味など無いのだろう。この世界にとって戦争はいつも日常なのだから…

その時、村の住民の一人が遠くから走り寄って来た。1本だけ残った左腕を振りながら。その動きは障害の残った妙な両足での走り方…
「終わったぞ!終わったーっ。戦争が終わったんだ−−!」
《森谷》はニセモノの空を見上げ一つ小さく呼吸をした。
ニセモノの呼吸を。
   @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
事は11年前の2010年5月18日付け、大東亜科学産業新聞誌面のスミに小さな記事が載せられた。
「コンピューター内で戦争を完全に再現・フル3次元化に成功」
と、そう印字されていた。詳しい内容は、こうだった。

61 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/05/29(月) 23:26:31
【第106次世界大戦】 その2

《冥界重工》は、17日、極高速電算機を使い、複数国家間で極度の緊張状態の末、核爆発をともなう戦争に発展していく様子を電算機内の三次元空間内に再現する実験に初めて成功した。
同社は今後、スペクトラムアルファー社製の高速処理システムを追加導入し、さらに計算能力を高め、参戦国、参戦兵士の多様性を追求する計画。
同システムは、以前から研究され蓄積されている人体データなどを利用しており『国際人格意識保護条約』に違反せずに戦時下での国内国外の心的動向を正確に再現、分析できるという。
電算機による再現実験は八王子研究所、室蘭研究所などで実施した。
電脳空間では兵器による衝撃波に見舞われる過酷な条件をあえて与える。そうして攻撃を行った側の軍、民間人、及び対戦国その周辺国、友好国側の軍、民間人の肉体的、精神的な変化データが初めて正確に得られた。
追加導入される特別仕様の電算機は、来年2月にフル稼動する。

すべてはこの時から始まったのだ。

ハッキリとした口調で満面の笑顔、高陽しきった声で《今回の戦争》を独占放送しているユーロ放送の報道プログラムが各国の言語で同時に伝えていた。
「今回の戦争の最大戦勝国は日本国に決定しました。日本国軍の兵士達は実に良く戦いました。」
今大戦は日本国軍の完全なる勝利だった。勝因の最大理由の一つは確かに大戦末期に電撃的にインドと結ばれた同盟だったが。
「実に適切に正確にプログラムされた日本の優秀な兵士達の士気は最後の最後まで高レベルを維持していたのです。」と解説されていった。

62 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/05/29(月) 23:28:12
【第106次世界大戦】 その3

こうして日本時間2021年5月29日18:55。
世界98カ国の国と地域が参加した第106次世界大戦《ワールドカップウォー106》は終了した。
戦死者の内訳は、兵士8億57067万人 民間人2億6544万人。
使われた限定核爆弾は34個、新型の化学兵器は6種62万トン、生物、細菌兵器は幸いにもヨーロッパのごく一部で使用されたのみ。

各国が競い合い入力された最先端のプログラム技術で生みだされる地球規模の架空戦争。世界最大の戦争ゴッコ。
今回の開催国はドイツ。特設会場の《ラインハルトドーム》内部には黒一色の鈍く光る通電された巨大な金属塊が、かすかな唸り音を出しながら置かれていた。
この塊の中は地球が丸ごと再現されリアルな戦争シミュレーションがロードされている。

各参加国代表の手によって終戦のコードが打ちこまれ、完全に終戦の手続きが完了した。
これで各国の関係省庁、関係民間企業は、待ちに待った戦争で得られる大切な分析結果を取り出す事ができる。
架空世界内部で活躍した架空の兵士、または民間人の選別、分析に取りかかった。

今回、フルオフィシャルで参加している企業の中の一社、《冥界重工》。
人物プログラムの責任者《彩多キミトシ》は自分が設計し、関った人物の中で生き残ってくれた83名をリストアップさせていた。
「うーん。今回は100人は残ってくれると期待してたんだが…まあ内容が大事か!!」とそこそこ、この数字には満足していた。

今回の戦争で収録された膨大なデータは、リアル世界での国防に、そして、民間企業の更なる利益追求のために役に立てられてゆく。
2次使用され、3次使用され、ありとあらゆる分野で加工がなされて利益を生みだし消費される。
《彩多》は、ロシア連邦の南方、黒海とカスピ海にはさまれたコーカサス地域に近い村を呼びだし、戦場報道カメラマンとして活動していた《森谷タダシ》のデータを作業台へ乗せた。
「コイツはモノになりそうだ。」と口にした。

63 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/05/29(月) 23:30:09
【第106次世界大戦】 その4

大戦末期、ますます戦闘が激しくなる中、コイツは、村の住民を最後まで軍から守り通し終戦を向かえた、つわ者。
《森谷タダシ》で全検索をかけ存在データをブロックにコピーした。体験型ゲームソフトへの応用が期待できる。
フォルダに名前を付け商品製作部へ電送指示を入力。

《彩多》は、次の生き残りの仮想人間の呼びこみを行う。《井瀬まゆ》が目に止まる。
その時、受付から俺に最優先での来客の通知が入る。
「社運をかけたこの仕事より優先させるお客さんって…」いったい誰だ!

30分後、面談を終えた、《彩多キミトシ》が浮かない表情で応接ルームからでてきた。一緒にいるのは何と《冥界重工》社長。
そして日本国軍の軍服を着た、お偉いさんも二人いた。

やっと解放され自分の作業ブースに戻る。座りなれた作業イスに体を預けため息をつき、応接ルームでの出来事を考える。
この架空世界に本物の人間が侵入していたとは…
しかも、自分がデザインした人物を改ざんされ、その人物を通して利用されてしまったことにもショックを受けていた。
本物の人間が自分の意識をデータ化させ《森谷タダシ》となって侵入を行っていたのだ。
そんなことが出来ると噂では聞いた事はあったが本当にヤル奴がいたとは…
数値世界に入り、戻って来れる確立はかなり低い、戻れたとしても何らかの脳への障害が残る可能性が、かなり高いと言うのに…

《彩多》は時計を確認した。「後、20分か…」
そう、あと20分で戦争報道ジャーナリストの《森谷タダシ》は政府に批判的立場を取り続けているテレビ局《イチゴテレビ》のメインニュースショーに生出演する予定だ。
世界の国々が今、国をあげて争って参加しているこの《戦争ゴッコ》の無意味さを訴えようと得意顔で画面に現れるつもりなのだ。

64 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/05/29(月) 23:32:35
【第106次世界大戦】 その5(終)

そして、ニュースショーが始まる時間がきた。
だが《彩多》は結果がわかっているとでも言うように頭を横に2、3度振り、テレビモニターの電源は入れなかった。

仕事をするのだ。お気に入りのイスに座り使いなれた電算機の電源をオンに。
次の生き残りの人物データ呼びこみにかかった。今度の商品化出来そうなデータは…

今度のデータは日本人歌手《井瀬まゆ》。
アメリカのペンシルバニア州フィラデルフィアで戦火が激しさを増す中、人々の心を癒す歌声で活動を続けていたプログラム人間。
「この曲は使える」と口にする《彩多》。
戦時下だからこそ、生死が目前に迫りくる時だからこそ、生まれるこの手の曲は無条件に人間の根本的感情を刺激させ揺さぶり、感動を与える要素が含まれている事が多いのだ。
この《井瀬まゆ》の作ったこの世界での曲全14曲は、どれも素晴らしく、リアル世界でも、ヒット間違いなし。
わが社の音楽部門へさっそくサンプルを送ろう…

《彩多》が《井瀬まゆ》の音楽サンプルをセーブしているとき、《イチゴテレビ》のニュースショーでは、予想外の出来事が起こっていた。
テレビ局、更に当の本人《森谷タダシ》も予想していなかった展開。
そうなのだ。何も起きなかった。《森谷タダシ》は何も話すことは出来なかったのだ。この《戦争ゴッコ》の無意味さ非人道的なゲームを批判し世界に訴えようとする試みは失敗に終わった。

結果は《彩多》がいちばん良くわかっていた。国の最優先の国家法の命令は絶対なのだ。逆らう事は出来なかった。
《冥界重工》が強制提出させられた《森谷タダシ》のデータが使われてしまった事は確実だった。

《イチゴテレビ》のニュースショーの画面では、日本国軍の都合の良いように指示通りにしゃべる本物の人間《森谷タダシ》が映っているだけだった…

65 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/29(月) 23:43:05
に右耳から肩、右指先を優しく上下し愛撫した。2〜3年前から客層にコピーロボットが現れ始めたのだ。決して珍しくない乱闘騒ぎやら重傷から少しでも免れるために店全体で脳コンピューターインターフェイスを推奨する運動が流行して以来、植え込まれている攻防を兼ねた

66 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/29(月) 23:48:00
ハイブリッドアームなのだ。馬鹿々々しくも神秘的な予言を呟いた直後からG本来の嗜好が蘇り始めている…【ホストは仮初めの姿でしかない。この腕が、そう俺に語り掛けるのだ。この仮初めで覆い尽くされた世界は進化を望んでいる。その兆候の中心に俺が居るのだっ!!】

67 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/30(火) 00:30:04
ふと思い出した様にGは寝室に赴く。ドアから対角線上に位置する12畳の端に3角木馬やらボンテージを纏ったマネキン、蓋を開くと鏡面に様変わりするアイアンメイデン等の総々たるSM機材に物怖じしない存在感でラバーで統一された漆黒のダブルベッドが

68 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/30(火) 00:46:31
場所を陣取っている。その丁度、後方に高さ1m縦横1m奥行き1m程の正方形の窪み底辺の棚に閉じた状態でノートパソコンが置かれている。Gはおもむろにノートパソコンを開く。(更なるコンパクト化に成功したノートパソコンは縦ばかりか折り紙の様に続け様に横にも

69 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/30(火) 01:00:40
開閉する機能性を帯びている。)放し飼いにしている愛猫【パンデモニック】(以降@と略称する。)の1日を通しての動向をGPSと、眼球に隠蔽したモニターで観察する。小学生の時に出会って以来、何度も読み返している夏目漱石著作【我が輩は猫である】小説でしか

70 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/30(火) 01:21:49
叶わなかった世界観を立体的に体感する事を可能にした。反面【我が輩は猫である】装丁が無惨になる度に購入し出版社別、時代と供に変遷するデザイン別に蔵書を重ねる特殊な趣味が消滅した。が、この著作が猫を主役に岡目八目的役割を持つならば毎回、同じ顛末を迎える紙上

71 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/30(火) 01:40:16
よりも常に新しい展開に富んだ@の視界は底無しの面白さだった。【何か目新しい出来事は…】Gは@の既往に憑衣する。とても細い脇道、今だに偏在するサザエさん的家屋基盤の僅かな間隔、足を踏み入れない森林、塀の上に屋根の上…etcをフィールドに猫同士で勃発する

72 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/30(火) 01:59:40
縄張り争い、すばしっこく逃げ回る鼠を狩るまでの機略縦横たる企みの数々、近隣の人々との交流、残酷な子供達の投石を回避し逃亡する、猫好きの老婆が養護と偽り拉致監禁される日々…etcとにかく数え上げたら切りのない悲喜愛もろもろのドラマ。Gは夢中だった。【うん?

73 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/30(火) 02:37:29
これは…俺の愛猫が!!】大事件が起きた。GPSは或、地点で停止を続けている。10時35分を境に映像の受信記録は途絶えている。考えられる状況は2つ。が同時多発的に不明瞭な音声を録音している点から集音装置と遠隔カメラを内蔵する@頭部に何らかのダメージが

74 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/30(火) 02:51:57
加わったとしか考えられなかった。以前、雨を原因にする漏電障害から耐水コーティングを施した点から水害の線はない。バッテリーは1週間前に補充した。ここ1年間の経験から満タンの状態から約2ヶ月長は観察に支障をきたす電力は消費しない。故に電池の摩滅。この線も

75 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/30(火) 03:07:34
まず、ない。残る可能性は電波塔か、やはり@の身に不安を覚えるのだった。焦る気持ちを抑え10時15分から問題の時刻までを念入りに、しかし高速で再生し事件の手掛かりを探す。が19分。不審人物は見あたらなかった。【35分】映像が遮断される瞬間、画面が大きく左右に

76 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/05/30(火) 03:19:07
振動する。【死角からの打撃。或いは飛び道具に因る遠隔射撃…事故か?第3者の危害か?動機は?@に内蔵する偵察器機に傍受行為等に因って気付いた第3者がパパラッチに憤怒した?快楽犯?@自身への逆上?人間?動物?…】考え付く限りのQに自答しながらジーパンに

77 :何となく書いてみた自作小説:2006/05/30(火) 18:35:25
何となく書いてみた

78 :何となく書いてみた自作小説:2006/05/30(火) 18:41:51
ぼくはじいちゃんが好きだ。

今は盆栽と散歩が趣味みたい。盆栽のなにがたのしいのかな?


「じいちゃん遊ぼう」いつものように言うと、じいちゃんは「今日はなんの日か知ってるかい?」なんて聞いてきた。

僕は「しらな〜い」って言った。



79 :何となく書いてみた自作小説:2006/05/30(火) 18:50:22
じいちゃんは「じっちの誕生日だよ」と言ってきた。

「ふ〜ん。そうなんだ!じっちは何才?」

「じっちは70才だよ」

じいちゃんは「昔は大変だった・・・」が口癖

僕は「そんなのわかんないって!」が口癖に対する答え。

80 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/06/08(木) 13:27:50
【世界に一つだけの…】その1

部屋の中は、静かだった。聞こえるのはわずかな医療用装置の作動音。
それと患者が呼吸する音。時折早くなる呼吸…
そう、これは、この世で残されたわずかな時間を惜しむように繰り返される命の抵抗なのか。

「父さん…」
この病室で何度この問いかけをしたかわからない。それももうすぐ終わる…
92歳の生涯を終えようとしている意識の無い父が何本ものチューブを接続され、生かされ続けていた。
男性の平均寿命が100歳を過ぎた今、父は早すぎる死を向かえようとしている。
尊厳死、安楽死の明確な国家基準が決められてから2年を過ぎ、父の場合も淡々とこの制度に照らしあわされ、正式に今日、認定がおりてこの時が来た。

「あなた…」 「お父さん…」 「おじいちゃん…」 
家族みんなが集まり見つめる中、担当医が立ちあい、装置が静かに動きを止めた。
いつもやさしく、そして時には厳しく接してくれた、いい父親だった。
私の脳の中には父の思い出が駈けめぐった。私の感情を揺さぶる数だけ何度も何度も涙が頬をつたわった。

81 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/06/08(木) 13:28:50
【世界に一つだけの…】その2(終)

皆が悲しみ、涙を流していた時、「カチャ」と、病室のドアが静かに開いた。
若い2名の男性、1名の女性が入ってきた。
家族と亡くなった父に深々と一礼した後、3人は慣れた手つきで持参した特殊なコードが付いた装置を父の頭部へ接続させる作業をはじめた。
「パパ、この人たちは何をしてるの?」
一連の見なれた行為をはじめて見る娘の《友果》が聞いてきた。
「あれはね。おじいちゃんの頭の中から音楽を取り出しているんだよ。」

二日後、父の葬儀が行われ、斎場の複数のスピーカーから曲が流れはじめた。亡くなった直後の父の脳内を解析しその人が持つ独特のパターンから採取された思考波をもとに作曲された曲。
世界で一つだけ存在する曲が奏ではじめられた。
私もこの会場に集まるすべての人達も、父のメロディに魅了されていた。
父の92年間の人生を証明する生きた証に誰もが耳を傾けている。

最近になって行われるようになったこのサービス。
死亡が確認された直後、脳の活動残像を解析出来る技術が開発された。
不思議なことに生前どんな凶悪な事件をおこした人間も虫も殺めたことの無いような善人も、生前の地位、名誉、財産の有無、に関係はなく、どんな人生を過ごしてきたとしても、最後に残すこの一曲は無条件に素晴らしい音楽を産みだすことがわかっていた。

その中でも特に素晴らしいと認められた曲は、パッケージ化され販売契約が結ばれる事も有った。
しばらくの後、私の父が残した曲も何百曲ものライフミュージックの音楽データの仲間入りを果せた。父の曲が世界中のネット網に飛ぶのだ。
死後50年間は使用権が発生し、販売額に見あった収入が得られる仕組み。

はたして100年後、200年後、父の曲は名曲として後世に生きる人々の心に感動を与え続ける事が出来るのだろうか…

82 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/06/08(木) 13:31:27
他のスレの3つのキーワードでSFを書いていこう!!
でのキーワード「チューブ」「人生」「飛ぶ」で作製したのですが先を越されてしまいまして
ココへのっけます!

83 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/06/14(水) 00:17:51
【おねだり】 その1

2049年6月14日、小雨がふり続く秋葉原。ビックカメラ店の7階パパ売り場に母と娘がいた。

「ママー、このパパ買ってー。」

売り場には、個性豊かな色々な外装を持つ複数のパパが展示されていた。
どのパパも展示用の仮の《心》をインストールされている為、感情を制限されたうつろな表情でお客に対応していた。
パパは台に固定されたまま自分を購入してくれる客を待っているのだ。
女の子に話しかけられたパパは、心細そうな瞳を左右上下にクルクル動かし買い物に来た二人を交互に見つめた。
「だめよ。これ中身、空っぽじゃない。」
「しっかり選びなさいね。3年間あなたのパパになるんだから。ルックスだけで選んじゃだめよ。」
ずらっと並んでいるパパ達の仕様データを呼び出しながらあれこれ品定めをするママ。
「雨の日は、サービスデーなんだから今日決めて帰るのよ!」
マッチョタイプのパパに一言二言質問をしてママは、首を横に2,3度振る。「うーん。この店は、いまひとつ品揃えがよくないわねー。」

「今日いいのが見つからないとすると3ヶ月間だけでもTSUTAYAでレンタルするしかないかなぁ〜〜」
「ねーっ!ママー!!これこれ!このパパどう?!」 娘が特売品コーナーから元気に手を振り叫んでいた。

84 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/06/14(水) 00:18:55
【おねだり】 その2

そこには、1シーズン前のモデルのパパ《サムライブルー550−20F》が展示されていて娘と何やら会話をしていた。
かけ寄ってきたママは、値段表示を確認。「あら、意外と安いわね。スペックも・・・有りそうだし。」
「経済力値もいいわね。耐ストレス値も劣悪環境耐用指数もまあまあの数字じゃないの!! 」

ママがディスプレイのタッチパネルを「ピッピッ」と何度か押し更に詳細な数値を確認する。
「うーん!」「よし!これにしましょう。」
「わーい!\(~o~)/新しいパパだー!」
女性店員が展示台から指定のパパを解除させると、自力でゆっくりと歩きレジの方へ向かう。
もうひとりの女性店員に商談ブースへ案内されママは詳しい管理設定方法など説明を受けていた。
娘の方は、新しくパパになる《このモノ》にピッタリとくっつき正式のフル装備《標準心》がインストールされてゆく過程を眼を皿のようにしながら見つめていた。
いよいよ待ちに待ったパパ!急速システムアップが行われ心に灯が燈る。
女の子と新規パパの目が合った。
「はじめまして!よろしくね!」滑らかな自然なトーンで言葉が発せられた。

もろもろの手続きを済ませ、支払いをするために、ママが戻ってきた。
「お客様!お届けは、最短で明後日となりますが…いかがいたしますか?」

「いいわ!このままで。慣らし運転をかねて…一緒に連れて帰ります。」 「いいでしょう!?」

85 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/06/14(水) 00:19:52
【おねだり】 その3

母と娘、そして新しいパパの3人が7階のパパ売り場の通路を仲良く歩く。
「そうだ!夕食は食べて帰りましょうね。」
「わーい!」 新しいパパの腕にくっついて歩いていた娘は更に体をくっつけ、とてもうれしそうだ。

買われたパパが居た展示台には、さっそく次のパパが載せられようと準備がなされていた。
仕様を表示するディスプレイは、次のパパ《ムサシ660−21C》への書きかえ準備がされる。
今回、ママがたくさん並んでいたパパ達の中から最終的に、あのパパにした決め手となった数値とは…

消されてしまうまでにそこに記載されていた元の表示内容とは。
《顧客満足度同価格帯製品第1位》
《ナイトライフ専用制御エンジン神経パワースクリュー搭載》
…と表示されていたのだった。

万世で食事を済ませた3人は、 秋葉原駅の高速電磁列車乗り場に向かう。
3ヶ月前まで使用していた前のパパは製造過程での生体チップ内細胞強度不足をおこしており、日常生活活動時に、たびたび精神不安定状態を繰りかえしていた。
それで仕方なく基本任期の3年間を待たずして買い替えせざるをえなかった。
今度のパパは、十分な基本スペック、内部安定性を持っている。
駅ホームで列車を持つしぐさも、落ちついていて、3年間家族となる妻と娘を見つめるまなざしもやさしかった。

86 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/06/14(水) 00:20:41
【おねだり】 その4(終)

電磁列車独特の作動音をさせながら特急車両がホームへ到着。
ホームへ降りる人々、列車に乗りこむ人々。そして発車し、列車の窓から見える町並みの中で暮らすたくさんの人々。
すべて皆、幸せそうな表情をしていた。
そう!今、地球上には人間である女性。男性という名の有機ロボットが暮らしていた。
20年前、突然、男性が死に絶え、この人間社会は女だけの世界となった。
幸い、遺伝子工学、生命工学の魔法のような進歩のおかげで、人類は絶滅の危機は回避できた。
子孫を残すことで特に男を必要とはしなくなったのである。
結果、形だけは、ロボットの男性を家族として参加させ3年毎に交換して行き今に至っているのだ。

「カチャッ」家のホーム知能がママと娘。そしてオンライン登録されたばかりのパパの存在を確認して玄関のロックを自動解除させてくれる。
「ただいま−」娘は元気よくリビングへ走る。
中には、おばあちゃんがやさしい顔でお出迎え。隣には、おじいちゃんが。
このおじいちゃんもそろそろ3年目。基本任期を向かえようとしている。


午後10時20分松戸の小さな小さな一戸建ての家には仲のいい家族5人の幸せそうな笑い声が響いていた。

そう、この世から人間のオスが消え、もう一つおおきな大きな…大きな出来事が地球上で起こっていた。
すべては、平和になった。大きな戦争も紛争も人種間の民族間の宗教間の争いは、無くなった。

争いの元であるオスをなくした、今、人類社会はおだやかな、ゆったりとした時の流れの中、皆、仲良く笑顔で幸せに暮らしているのでした…

87 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/06/14(水) 00:22:24
これ↑も他のスレに載せたモノを書き足し、オチも新たに追加させたお話です。

88 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/06/14(水) 02:11:13
【ママ・ライト】 その1

朝8時30分。息子とパパは秋葉原駅に高速電磁列車で到着した。「早く!早く!急がないとママが売り切れちゃうよ!」
さっき電磁列車内でチェックした店のサイトでは、限定50体が入荷したとのこと。
今使用してるママは製造過程で生体チップの細胞強度不足をおこしており、日常生活時、たびたび精神不安状態を繰りかえしていた。
それで今回、仕方なく基本任期の3年間を待たずして買い替えせざるをえなかった。

去年オープンしたばかりの巨大家電センターヤマダデンキ秋葉原店。
小雨の降り続く中、急いでパパと息子は、整理タグをつけてもらうために受付に急いだ。
「ピピピピィーーッツ」
「やったー!パパ49番目だよ。新型ママゲット!!」パパは息子と一緒にガッツポーズをとって喜んだ。

現在、使用してる、ママを購入した時、主流は、”メイドスタイル”のタイプ《ナナコ550−20F》。
性格は優しくて芯はしっかりしていた。「メイド姿で結構胸があった」とパパはそこのところが好みで・・・息子には言えない種類の購入動機・・・

9時30分。店側の好意で規定より30分早く、開店になり、一同は、ママ売り場の7階に向かった。

89 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/06/14(水) 02:12:03
【ママ・ライト】 その2

いよいよ待ちに待った最新のママが手に入るのだ!二人の胸は高鳴った。最新の《ナデシコ770−42G》がずらっと並んでいる。
「おう、さすがに洗練されたルックス。スペックも・・・有りそうだし。」 さっき渡され端末に取り込んだカタログデータをチェックするパパ。
連続家事運動測定値も今のママの3倍。耐ストレス値も買い物オートバランサー機能も新しい基準を採用している。
名機の証明である所の劣悪環境耐用指数もまあまあの数字が並んでいた。
パパがカタログの表記でもっとも目を付けた部分、《顧客満足度同価格帯製品第1位》と《浮気寛容度数値最低を記録》も見逃してはいけない。
順番が来て私たちの番だ。
パパと息子の目と新型ママライトとの視線が合った。ママは、心細そうな瞳を左右上下に動かし買いに来た二人を交互に見つめた。
どのママも輸送用の仮の《心》をインストールされている為、感情を制限されたうつろな表情をしている。
男性店員が固定台から1体のママを解除させると、ママは自力でゆっくりと歩き、レジの方へ向かう。
もうひとりの男性店員に商談ブースへ案内されパパは詳しい管理設定方法など説明を受けていた。
息子の方は、新しくママになる《このモノ》にピッタリとくっつき正式のフル装備《標準心》がインストールされてゆく過程を眼を皿のようにしながら見つめていた。
いよいよ待ちに待ったママ!
急速システムアップが行われ心に灯が燈る。男の子と新規ママの目が合った。
「はじめまして!よろしくね!」滑らかな自然なトーンで言葉が発せられた。

90 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/06/14(水) 02:12:42
【ママ・ライト】 その3

もろもろの手続きを済ませ、支払いをするために、パパが戻ってきた。
「お客様!お届けは、最短で明後日となりますが…いかがいたしますか?」

「いや!このままで。慣らし運転をかねて…一緒に連れて帰れるかな。」 「可能かい!?」

      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

午後6時、自宅のある江戸川台住宅街。
 「カチャッ」家のホーム知能がパパと息子の存在を確認して玄関のロックを自動解除させてくれた。
「ただいま−」息子は元気よくリビングへ走る。
「タタタターッ」廊下を走る息子。

中には旧式ママ《ナナコ220−67F》が淋しそうに一人座って、うなだれていた。
「ママー!明日は日曜日だよ。」「3人で生きている恐竜に行こうよ!」「いいでしょう!ママ!!」 と抱きついて笑顔をみせる。
旧式ママ《ナナコ220−67F》は何が何だかわからずに息子とパパの顔を交互にのぞき込む。

そうなのだ。新しいママはココには居なかった。

「ははは・・・」パパは、優しく見つめ語り始めた。「こいつがさ、今のままでイイって言ってさ!結局、買わずに戻ったって訳…」
基本任期の3年間を守らずに更新手続きを行うのは何かと大変だがそんな問題では無い。

《ナナコ220−67F》は、なぜか心の奥が熱くなっていた。こんなことは機能にはないはずだと混乱もしていた。
また故障なのだろうかとも心配になったが、《ナナコ220−67F》の眼に写っている息子とパパの笑顔を見たらすぐにその種の感情は消し飛んだ!
午後10時20分江戸川台の小さな小さな一戸建ての家の窓には、暖かな灯りが燈り、仲のいい親子3人の幸せそうな笑い声がいつまでもいつまでも響いていた。

91 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/06/14(水) 02:13:28
【ママ・ライト】 その4(終)

電磁列車独特の作動音をさせながら走る列車の窓に映る人々、江戸川台駅を行き通う人々、そして街の中、すべての住宅、建物からもれる窓の灯りの中で暮らすたくさんの人々。
そこには、すべて、皆、幸せな生命体がいた。

そう!今、地球上には人間である男性。女性という名の有機ロボットが暮らしていた。
20年前、突然、女性が死に絶え、この人間社会は男だけの世界となった。
どんな技術を使おうとも、けっして生きた女性を産みだす事が不可能になった。
幸い、遺伝子工学、生命工学の魔法のような進歩のおかげで、人類は絶滅の危機だけは、回避できた。
子孫を残すことで女性を必要としない技術を獲得できたためだ。
だが、男性は形だけは、ロボットの女性を家族として参加させ定期的に交換してゆき、今に至っていた。

そして、この世から人間のメスが消え、もう一つおおきな大きな…大きな出来事が地球上で起こっていた。
すべては、平和になった。大きな戦争も紛争も人種間の民族間の宗教間の争いは、無くなってしまった。
オスにとって一番大切だったメスという存在を完全に失い、名誉、地位、財産、プライド…
これまでオスが大切だと思って手にいれようとしていたものの価値がいかにちっぽけなものだったのか必要の無いものだったのかが分ってしまったのである。

そう!オスにとって一番大切だったのが、メスという存在だと気づいて…

今、人類社会はおだやかな、ゆったりとした時の流れの中、皆、仲良く笑顔で幸せに暮らしているのでした…

92 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/06/14(水) 02:17:24
↑も他のスレに書いた、姉妹版になる《ママ編》です。

これもかなり書き換えて、批判をもらった部分私なりに直し、オチも変えてみました。

93 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/20(火) 21:06:30
けっこう面白かった…アイデア事態はありきたりだけど

94 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/21(水) 09:10:21
ロボットと暮らしててむなしくならないのかな。
ていうのが頭に残って入り込めなかった。
別なの読みたいよ。

95 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/06/21(水) 13:22:26
>>93感想ありがと
>>83のこういう感じの話、私好きなもんで結構のれて書けました。

他のスレを読んでいて他の人の書き込みの
>「ママー、赤いパパが落ちてるよ」
>「いいのよ、新しいパパが来るから」

の2行の書き込み読んで思いつきで書いた次第…

>>94感想ありがと
>ロボットと暮らしててむなしくならないのかな。
ていうのが頭に残って入り込めなかった。

そういう感じ方も有るんですね。
ロボットと言うよりもより有機生物に近いブレードランナーのレプリカント的であれば多少はむなしさ解消できるのか…なあ

新作出来たら、近いうち、また載せさせてもらいます。

96 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/06/25(日) 21:13:08
ひとつ聞いていいですか?前スレって倉庫の何処ら辺にあるか知ってます?



97 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/07/13(木) 22:57:23
製作中…

98 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/08/17(木) 23:00:19
まだ

99 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/08/18(金) 16:30:04
機械翻訳はおもしろい。
簡素な短い文章のみが正確に翻訳される。
装飾過多な文章は訳の分からない翻訳になる。
繰り返し翻訳すると劣化した文章になり、しまいには意味をなさなくなる。さらに理解不能な文章を翻訳すると神秘的な様相を呈する。
ネットで適当な文章を内容を把握せず、数回、機械翻訳にかけ、これを元に推測と、妄想で再構築したらどんなものが出来上がるか試みてみました。

100 :ルドルフの帝国 3/1:2006/08/18(金) 16:30:43
昔々、ある男が大勢の人々の中心で、玉を掲げました。それは複数のうめき声が異なった共振周波数で渦巻いて、人々は調律されました。
調律人間たちは、しばしば振動評価され評価基準に満たないと判断されれば廃棄される運命でした。

ルドルフは調律されない人間で、かれにも玉が渡されました。
しかし、ルドルフは調律される側と支配する側の関係に納得がいきませんでした。だけれども世の中を変革しようなどと大それた大志は抱けませんでした。
ある時、廃棄される調律人間の運命を目の当たりしてしまったルドルフは玉を叩き割ってしまいました。

ルドルフは、不調な廃棄される運命にある調律人間たちを引き受けました。
ルドルフは不調な調律人間で、自分の壊れた腕時計を動かすのに使用しました。はじめて指示したのはチック、タック、ゴーンの三人です。
どんなに不調であっても、3人の調律人間で腕時計の一つくらいはきちんと時を刻めました。
せっかちでチビなチックは秒針に、チックと仲良しなタックは分針に、のんびり屋で太っちょゴーンは時針を担当しました

101 :ルドルフの帝国 3/2:2006/08/18(金) 16:33:02
かれら三人組はそれぞれ別の場所からやってきました。
チックはパン工場からやってきました。パン工場では卵割の担当していて、一秒に一つ卵を割っていました。
卵割は正確無比でしたが、殻を食べる奇行を繰り返し、他の調律人間たちに気味悪がられ振動評価を受ける羽目になり、不適合の烙印を押されてしまいました。
タックは中華料理の厨房からやってきました。厨房では麺茹でを担当していましたが、一分刻みでしか麺を茹でられないために、かた茹での微妙なオーダーに対応できずここにやってきました。
のんびり屋のゴーンはオーケストラでシンバルを担当していました。彼のシンバルはとてもすばらしい響きとタイミングでオーケストラには欠かせない存在でしたが、木琴を担当していたモックが居ないと役に立ちませんでした。
モックは世話焼きでゴーンを足で蹴ってシンバルのタイミングとシンバルの加減を知らせていました。
モックが引退してしまい、ゴーンの調子はずれのシンバルで交響曲が台無しになりルドルフに引き取られました。

初めの一ヶ月間は、ルドルフの腕時計を動かしていました。ここで信用を得て一年後には世界中の時計を一手に引き受けました。


102 :ルドルフの帝国 3/3:2006/08/18(金) 16:34:33
ルドルフは、調律委員会の会議で、手狭になったので支配地を要求しました。会議の末、小さな島を割り当てられました。

当初は、調律人間たちを好きなように生活させようと考えていました。しかし、何も命令のない調律人間たちはすぐに死んでします。
高齢の調律人間ばかりならば納得できるのですが、若い調律人間たちも一定の期間が過ぎると死んでしまいました。
困ったルドルフは仕方なく調律人間たちに役割を与えました。

ここでは仕えるべき主人はいませんでした。ルドルフは調律人間たちに役割を与えましたが、還元される利益は調律人間たちの生活向上にしか振り分けませんでした。
それからよりシステムを複雑化し、調律人間だけで運営できる社会を完成させました。最後にはルドルフの役割も引き継がせました。

しかし、この社会を永続させるにはルドルフが存在していなければなりません。
ルドルフは、チック、タック、ゴーンの三人組を自宅に招きました。
「お願いがあります。わたしの時計をできるだけ遅くすすめてください。千分の一、万分の一にしてください。他所の支配者が来訪したときだけ時間の進みを戻してください」
 かれらは二つ返事で快諾しました。理由などは必要ありませんでした。

美術館に飾られた生きた彫刻人間ルドルフの表情はとても満足気でした。

おわり

103 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/08/26(土) 11:08:16
おまいらスゲーヨ
ベタなアイデア(褒めてるんだよ)でここまで話を膨らませるなんて凄いぜ

104 :死神博士(1/3):2006/09/07(木) 20:45:49
 死神博士は激怒した。いならぶ助手たちには、手術着を通して肩から立ち上る青白い炎が
はっきり見えた。解剖台上にだらりと広がった蛙のような贅肉の塊、こりゃなんだ?
 体の自由は奪われていても、意識は保っているだろうに、抵抗する気力も無い濁った眼、
 見苦しく緩んだ体、内臓器官の不調を疑わせる荒れた肌。
 博士は握ったメスを逆手に持ち替え、膨れた腹に突き立てた。
「───! ─――!」
 苦痛に身をよじり、初めて生き物らしい徴候を見せた被験者に一瞥もくれず、博士は後ろ
上方の見学室に向き直り、手術帽とマスクをかなぐり捨てて、ガラスの向こうの軍服の男に
指を突きつけた。
「やいゾル! この被験者はどういうつもりだ! いまどき秋葉原だってまだ生きのいいのが
見つかるぞ。もっといい素材を持って来い!」
「おまえは板前か!」
 ゾル大佐は言い返したが、内心ばつの悪い思いをしているようで、弱弱しく言い訳した。
「頭脳明晰、身体頑健、志操堅固なんてのは滅多におらんよ。改造しても逃げちゃうし」
「人事みたいに言うな! まったくもうっ」
 そそくさと手術室を片付ける助手たちを尻目に、博士は足音も荒く手術室を後にした。



105 :死神博士(2/3):2006/09/07(木) 20:46:23
 死神博士は鎮静剤の必要を感じていた。かつては傲慢以外の罪に縁の無かった彼だが、
ゾル大佐と組んでから怒りっぽくなった。普段着のグレイのスーツに着替え、研究室の
デスクに戻ったが、思索に集中できない。
 こういうときはあれに限る。手の中に、一組のカードが、魔法のように忽然と現れる。
 タロット。ピアニストのように長い、汗ばむことのない指に操られ、カードは風に
そよぐ木の葉か、流れる砂のような音楽を奏でた。
 絶好調だ。ひとしきりカードと戯れた後、博士はデスクの上に、過去、現在、未来を表す
三枚のカードを裏向きにスプレッドした。次の一瞬、残りのカードが隠しポケットに消える。
 おもむろに過去のカードを開く。
 死神。ラッキーカードだ。
 次に現在。
 悪魔。
(悪魔女医‥‥しばらく会っていないな)
 デスクの上のカードをなでると、それらは消滅する。未来はいつも見ない。彼は占いを
信じない。

106 :死神博士(3/3):2006/09/07(木) 20:47:03
 悪魔女医は、死神博士の同僚である。かつて彼の助手として組織に加入したのだが、
他の十把一絡げと違って本物の才能があるのがわかったので、さっさと独立させた。以来、
国際人体改造学会の最先端の座を、二人で分け合ってきたと信じている。手術の腕もいい。
最近は、痛くないという理由で彼女を指名する被験者が多いということだ。
(軟弱者どもが)
 とはいえ、死神博士自身も、自分の手術は頼みたいと思っている。世の中の誰に対しても
冷淡で、よくて実験材料、しばしばそれ以下としか思わない博士だが、彼女は別だ。
 ただひとつ困ったことがあるとすれば、タコ好きの変わり者だということだ。
 確かにヒョウモンダコの毒性や、擬態能力は大したものだ。だが改造人間のモチーフと
してはやはりイカだ。イカで決まりだ。このへんで意見がかみ合わず、いつも喧嘩になって
しまうのだが‥‥季節の和菓子でも持って遊びに行こう。手づから茶を淹れてくれるだろう。
いつものように。


107 :八兵衛(1/1):2006/09/07(木) 21:22:56
 五代将軍綱吉の頃。甲斐の国、中山道沿いのとある丘の上に、ちょっと知られた団子屋が
あった。
 そこに黄門一行が通りかかると、当然八兵衛が団子を食おうというのだ。
 天気は晴朗、丘から見晴らす山景に、ご老公もまんざらではない。
「いい景色ですなあ」
「まったくでございます」
「絶景ですなあ」
「うーんうまい! この団子は絶品だ!」
 八兵衛はさっそく床机に腰掛け、両手の団子を交互にほおばっていた。
「おい八! この景色を前にして、その態度はどうよ!? お前もたまには旅情とかだな、
もっとこう普段思わない‥‥」
「やだなあ助さん、オイラだってちゃんと哲学してますよ」
「ホントか!? 何を考えてるんだ」
「この国の未来のことです。神君(徳川家康)様が天下を治められて以来、世の中は平和が
続き、繁盛しています。人の往来もますます盛んになるでしょう」
「その通りだな」
「そうなると大切なのは街道です。人通りが多くなるにつれ、今の細い道では、いずれ
交通量をさばけなくなるでしょう。道を広げ、雨が降ってもぬかるまないよう工夫しなければ
なりません。荷車や早馬で事故がおきないように、専用の道を作ったり、上り下りを
分けるのもいいかもしれませんね」
「なるほどなあ」
「しかし街道ぞいに休息の場も必要になります。例えばこの団子屋ですけど、周囲は比較的
平らですね。あのへんに馬つなぎ場を作って‥‥隣に駕籠置き場を‥‥井戸を‥‥団子屋も
広げなくっちゃ‥‥おみやげを‥‥」
 のちにこの丘は、中央自動車道談合坂サービスエリアと呼ばれることになる。

108 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/09/10(日) 21:17:08
>>106の悪魔女医と死神博士の意見の食い違いをもう少し膨らませてほしい。
おもしろくなってきたところで終わっちゃった感じです。


109 :106:2006/09/10(日) 23:33:37
>108
しまった!
言われてみれば、タコ好きとイカ好きが逆だったら、ちゃんと話がオチたんだ!

110 :タロット(1/4):2006/09/10(日) 23:41:18
 タロットというものがある。
 知っている人も多いと思う。七十八枚で一組のトランプのようなものだ。
 そのうち二十二枚には、「死神」とか「運命の輪」とか意味ありげな名前が
ついていて、きれいだけど意味がよく分からない奇妙な絵が描いてある。
 残りの五十六枚も、不思議な絵柄は同じこと。ただし、こちらは、トランプに似た
マークと数字が付いている。マークは四つ。剣、コップ、金貨、杖。数字はエース、
二から十、ジャック(ペイジとも言う)、クイーン、キングと‥‥それからナイト、
つまり騎士のカードがある。
 四枚のナイト。四人の騎士。
「世界が滅びるときに現れると言われてる、黙示録の四人の騎士なのさ」
 ぼくにタロット占いを教えてくれた叔父は言った。
「今はまだその時じゃない。だからトランプには入っていない」
「なぜタロットには?」
「テストのためさ。見えるかい?」
 叔父はカードの束から四枚抜き出して、ぼくに見せた。
 白紙だった。
 叔父はぼくの顔をのぞきこんで‥‥そして深いため息をついた。
「‥‥見えないんだな?」

 それは本物の予言者の証拠だ、と叔父は言った。タロットは、占い師を選ぶ。
選ばれた者にだけ、真実を明かす。
 そして存在しないものは見せない。
 その日から、ぼくの訓練がはじまった。

111 :タロット(2/4):2006/09/10(日) 23:42:13
 おぼえなきゃいけないことは、かなり多い。カードの名前、意味。混ぜ方、並べ方
(スプレッドと言う)。カードの組み合わせによる、特別な意味(コンビネーションと言う)。
 楽なもんだった。ぼくには才能があった。机の上のカードが、それぞれ語りかけて
くるようだった。
 いや、本当に声が聞こえたのだ。
 誰かが嘘をついても、「正義」のカードに描かれた、天秤を持つ女神が、本当のことを
教えてくれた。
 「悪魔」のカードには、人をあやつる方法を教わった。先生や女の子には、相手が
聞きたいと思っていることを先に言えば、かんたんに気に入ってもらえるし、逆に、
いやな奴には、相手の秘密を耳元でささやいて、ぼくを恐れさせることもできた。
 「吊られた男」の言うことは、うわごとのようで、さっぱり意味が通じなかった。
でも「恋人」のアドバイスは的確そのものだった。十一歳で、ガールフレンドが
三人もいて、しかも三人とも、自分が一番だと思ってる‥‥なんて、なかなかでしょう?
いろいろ大変だけどね。

 叔父も、騎士たちを見たことがない、本物の占い師だった。でも、仕事はべつに
持っていて、タロットを、ギャンブルやお金もうけに使おうとしなかった。
 理由をたずねたら、目立つのがいやなんだ、と言った。
「金持ちになれば、ついぜいたくをしてしまう。金を使えば、出どころを
せんさくされる‥‥」
 何かいやな目にあったことがあるようだった。ぼくの両親が、叔父のことを
好きじゃないことにも関係あるかもしれない。
「おまえはまだ子供だから、だいじょうぶだろうが‥‥大人になっても、楽して
もうけようなんて思うなよ」


112 :タロット(3/4):2006/09/10(日) 23:42:59
 叔父が人前で占いをしないのも、同じ理由なんだろう。タロットを見せるのは、
ぼくのような子供にだけだったし、ぼくが予言者だと分かってからはそれもやめた。
 タロットは、ぼくと叔父だけの秘密になった。
 叔父は、部屋が六つもある広いアパートに住んでいた。(どうやら叔父も、
たまには欲にかられることがあったようだ。)
 その一番奥が、タロットのための秘密基地だった。ぼくが占い師の訓練をうけた
部屋でもある。
 窓には厚いカーテンがかけられ、空気はいつもひんやりしていた。一方の壁には
本がぎっしり詰まった本棚が、反対側には、飛行機や船のプラモデルの大軍団が
ずらりと並んだガラスケースがあった。
 真ん中のデスクが、叔父が予言者の正体をあらわす、ただ一つの場所だった。
ぼくはもうかなり上達していたので、叔父の占いをそばで見て、自分の意見を
言うこともあった。
 「コップの五」が表向きになると、叔父は緊張した。危険を警告するカード
だからだ。「剣の十」を見るとうんざりした顔をした。「塔」が現れたときには
大慌てになった。
 占いが終わると、叔父はかたわらのノートパソコンを開いて、使い捨ての
フリーメールアカウントから、矢継ぎ早にメールを放つ。あて先は警察や消防、
病院、官公庁。
 ぼくたちの住む街は、事故や犯罪の発生率が全国平均と比べてとても低い、
住みよい所なのだが、その理由をわかってもらえるだろうか?
 叔父の能力には限界がある。だいたい市内のことしか分からないし、予知できると
いってもせいぜい三日かそこらだけれど、その力の及ぶ限り、叔父はこの街の
守護者だったのだ。

「なんたって平和が一番だからね」
 叔父は照れくさそうに言った。
「私自身のためでもある」

113 :タロット(4/4):2006/09/10(日) 23:44:43
 だがある日、いつものようにタロットをスプレッドした叔父は、いきなり真っ青になって、
ぼくを追い出した。
「今日はもう帰れ」
 アパートのドアを閉めながら、叔父はかすれた声で言った。
「明日、兄さん‥‥お前のお父さんと一緒に来てくれ。必ず来てくれ。
 明日から、あの部屋の本もプラモデルも、お前のものだ。それと」
「何」
「なんでもない」
 ドアが閉じられた。

 翌日、父とぼくは、叔父がベッドで死んでいるのを発見した。心臓発作による、突然の死だった。

 父は叔父のアパートを処分した。本もプラモデルも捨てられてしまった。置く場所が
ないという理由で。でも本当は、ぼくから叔父の影響を消し去りたかったんだと思う。
 でも、ノートパソコンはぼくの物になった。
 それと‥‥
(お前のものだ。それと)
(何)
 こう言いたかったに違いない。
(私が死んだら、この街を頼む)
 ぼくは守護者の使命をも相続したのだ。

 あの日、叔父には、タロットがすべて白紙に見えたのだろう。自分に未来が
無いことを知ってしまったのだ。
 ぼくに使命を継がせるのをためらったのは、きっと、子供には無理だと思ったからだ。
 そうかもしれない。叔父の死から半年、ぼくなりに、せいいっぱいやってきたつもりだ
けれども‥‥
 今、ぼくは、叔父が最期に見たものと同じものを見ている。
 勉強机の上に広がった空白のカードの群れ。空白の未来。
 ただ、四枚だけ‥‥
 恐ろしい姿の四人のナイトが、ぼくを無慈悲に見つめていた。


114 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/09/11(月) 13:35:10
公募した作品ですか! 素直に感想を書きます。
起承転結がすべてではないとは思いますが、どの区切りにもインパクトに欠ける気がします。「起」で「結」がよめてしまいますし、なにより「結」にインパクトが足りません。もっと布石が必要な気がします。
最大の狙いである“こわい”という感覚はありませんでした。
その原因は、本来必要としている長さのお話を無理やり4コマ漫画に収めようとしているからだと思います。
あまり短いお話には向いていなのではないでしょうか? 枠に囚われず自由に描かれたお話を読みたいです。

115 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/09/11(月) 21:40:28
ありがとう。参考になります。

116 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/09/13(水) 00:52:35
>>107
甲斐を中山道は通過してないよ
甲斐の国なら当然甲州街道だよ

117 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/09/13(水) 17:25:02
【自由な世界】 その1

今日、9月13日は、僕の29歳の誕生日。
そして、1年で1日、訪れる自由の記念日。
この世界すべての人にも必ず1年に1日、その人の誕生日は自由の記念日と決められている。

つまり、望む事は、ほとんど何でも可能な日なのだ。

欲しい物はすべて手に入る。見たいものも見られて、見せたいものを見せる。
見知らぬ人に対してののしったり、前を歩いている人を殴りたくなったら殴る。バットでも鉄の棒でも思いっきり殴る事ができる。
突然、他人の家に押し入り、ナイフで刺すことも…
警察官の拳銃を奪い、銃で撃つ事も…
何でもできる日、罪に問われない特別の日。

今日、9月13日は、《藤村としお》にとっては誕生日であり、自由の日。
この日は、絶対的な権利が存在、優先する日。

朝が訪れ、素晴らしい1日が始まった。
《藤村としお》は、青山の《維新通り》を歩いていた。
少し離れた店からでてきた全裸の男が1人、藤村を見つけ大声で呼びかけてきた。
「おはようございます!藤村さんの今日の予定は?」その男は、藤村と同じ今日が誕生日で2歳、年下の後輩《早川ともひさ》。

118 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/09/13(水) 17:26:35
【自由な世界】 その2

「私は、これから仲間と待ち合わせして2,3人づつ始末しに行く途中なんです。」
そう言うなり両手には、よく手入れされた日本刀を持って走り去った。

と、ふと、目線を移した店のショーウィンドウに前々から欲しかった新素材のコートが飾ってあるのに気づく。
《藤村としお》の頭部に埋めこんでいる超小型人工脳に常駐のコーディネーターの知能意識がコートの特別取得権利主張を感知し、許可を与えた。
かなり高級な品だが店員は満面の笑顔で《藤村としお》を迎え無料でコートを手渡した。
「お客様、お似合いですよ。」と最高の笑顔を添えて…《藤村としお》は全裸だった上にコートだけを着て通りに戻る。

今年で29歳、1年に1度訪れる誕生日。この歳になると誰でもほとんどの事は、経験済みだった。
《藤村としお》のこれまでの誕生日履歴は、16歳の時だったか、人を包丁でメッタ刺しにして初めて殺人を犯した。
18歳の時、テレビ局に入り込み、人気絶頂だったアイドルの女の子を暴行し乱暴した。
23歳の時は、その日、同じ誕生日だった数名と共同で銀行強盗をやらかし大金を盗み銀行内は血の海に。
28歳の去年は、爆弾を電車の網棚へ置き、走っている地下鉄を爆破させてみた。

頭部に埋めこんでいる超小型人工脳に常駐のコーディネーター知能意識が見つめる中、ぶらぶらと街を歩く。
今日は一日のんびりと過ごそうと思っていた。自由の日だが、なんだか、もう、あんまり人の血を見たくない気分になっていた。

そうしてのんびりと街を散策し、夕方18時、銀座の最高級のレストランで軽い夕食を取り、タクシーに乗って自宅に戻った。

119 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/09/13(水) 17:27:51
【自由な世界】 その3

気持ちは落ちついていた。幸せな気分だった。
23時59分59秒が過ぎ、特別の日が終わり《藤村としお》は眠りについた

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

朝が訪れた。《藤村としお》は目覚める。

今日、9月14日は、1年で1日訪れる特別な日。
そして、1年で1日、訪れる絶対義務の特別日。
この世界すべての人にも必ず1年に1日、その人の自由の記念日である誕生日の翌日は絶対義務の特別日と決められている。

つまり、他人から望まれる事は、ほとんど何にでも従う日なのだ。

他人が欲しいと思う物は、すべて手離す。他人が見たいものは与え、他人が見せたいものは見せてもらう。
見知らぬ人からののしられたり、自分の後を歩いている人から殴られる事も。バットや鉄の棒でも手加減など無しに殴られたりもする。
突然、他人が家に押し入り、ナイフで刺されることも…
自分の身に何が起きても不思議では無く、罪に問えない日。

今日、9月14日は、僕にとっては誕生日の次の日であり、絶対義務の特別日。
この日は、絶対的な義務が存在、優先する日。

120 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/09/13(水) 17:29:18
【自由な世界】 その4

《藤村としお》は、青山の《維新通り》を歩いていた。

男が1人、藤村を見つけ大声で呼びかけてきた。《早川ともひさ》だった。
「おはようございます!今日も会いましたね!藤村さんの今日の予定は?」

「私は、これから機関銃でバババっと両手両足バラバラに撃ち抜かれに行く途中なんです。」
「お昼、原宿のファーストフード店が現場なんですが…20名ほど動員を受けているらしいですがネ。」
《早川ともひさ》は、そう言うなり元気に何やら歌を歌いながら走り去った。

と、ふと、目線を移した交差点の先を猛スピードで走る真っ赤なスポーツカーに気づく。
横断歩道を渡る人を次々とはねていた。更にスピードをあげて歩道の中に侵入し歩く複数の人達をなぎ倒し走り去って行った。
片付けられる死体をボーッと見つめていると、《藤村としお》の頭部に埋めこんでいる超小型人工脳に常駐のコーディネーター知能意識が誕生日依頼者の特別権利主張を感知したと伝えてきて、私は、許可を与えた。

《藤村としお》に与えられた今日の義務は、初めて聞く大規模の動員だった。
設定時間は、2時間後、かなり離れた場所に集まるように指示された。
5万人というかなりの大人数。

2時間後、街には、今日が絶対義務の特別日を迎えている《藤村としお》を含む約5万人が普通に歩き、普通に過ごしていた。

121 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/09/13(水) 17:31:58
【自由な世界】 その5(終)

実行の時間が来た。空が一瞬キラリと光り、次の瞬間、ものすごい熱風と衝撃波が襲ってきた。
肉は焼け、骨は砕け、5万人は、限定核爆弾の為に瞬時に絶命し灰になった。

この大規模の無差別殺害を希望した今日が22歳の誕生日を迎えた男は、満足し特別発注したビールを飲みながら、その様子を見つめていただけだった。

今年で29歳、1年に1度訪れる絶対義務の特別日。
この歳になると誰でもほとんどの事は、経験済みだった。
《藤村としお》のこれまでの絶対義務の特別日履歴は、17歳の時だったか、包丁でメッタ刺しにされ初めて殺された。
19歳の時は、同性愛の大男達に暴行を受け乱暴された。
24歳の時、その日、同じ絶対義務の特別日だった数名と一緒にコンビニ強盗をやらかし金を盗みにきた男に銃殺され頭を撃ち抜かれた。
28歳の去年は、珍しく死亡はしなかったが20時間あらゆる拷問器具を使って生死をさまよっていた。

限定核爆弾は炸裂した数秒後、頭部に埋め込まれていた超小型人工脳に常駐のコーディネーター知能意識が《藤村としお》の消滅を確認、センターへ通知。
すぐに《藤村としお》クローンの体を起動させオリジナルとして登録、今日一日の記憶だけを削除させ目覚めさせる準備に入った。

絶対義務の特別日が終わった。

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9月15日の朝が訪れる。

完成され成熟期を迎えた社会システムの中、医学、工学、物理学、精神科学と最高の域にまで発達した私達、人類は、死を克服、暴力の心、戦争の原理をも解明した。

そして、人類は、それらを押さえつけ、無くす事ではなく、すべてを与える道を選んだ…

122 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/09/13(水) 17:36:51
かなり血なまぐさいアンチユートピアを考えてみました。

設定は、強引な部分多々有りそうですがご勘弁…

最近のテレビのニュース見ているとヤナ事件ばかりですね。
で、ついついこんな話、思いついてしまった次第…

123 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/09/14(木) 21:17:07
このようなとんでもない世界に住みたいと感じる方は異常者です。
ただ、どす黒い欲望をひめているのが人間のおそろしいところ。法律やシステムなどで規制してもどうにかなるとは思えないんですよね。
この発想の逆転が今回のネタになったと思いますが、なんともはやゲームっぽい設定でお茶を濁した感があります。
それと気になったところ。特別な意図がなければ、登場人物の名前を括弧でくくるのはやめたほうがいいのかも。
残念ながらケロロ少佐の作品が掲載されたS-Fマガジンは購入できなかったのですが、どのように掲載されていました?
わたしの感想もはなはだしくネガティブなものになってしまいました。あしからず。

124 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/09/14(木) 22:16:30
>>123さん感想ありがとう。

社会批判SFを書くのは設定をもっと良く練りべきで、そうしないと↑のように単なるエログロ描写を書いただけの不愉快さを与えるだけの話になってしまいますね。
申し訳ないです。

名前の件ですが、特別な意図は、ないわけで《   》は、やめるとしましょう。これまで、逆に読みやすいのではないかと考えていた次第…

どうも私は、基本的な作文ルールの知識が欠落しているようで…



125 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/09/28(木) 16:05:28
保守

126 :隊列文法 5/1:2006/09/28(木) 21:20:43
わたしの部屋には大量の蔵書が散乱している。いつの頃からか、入手しても読まない癖がついてしまった。
灰皿にとどまらずコーヒーの空き缶、プリンの容器などに煙草の吸殻が詰まって溢れだし、洗濯していない靴下が、脱ぎ捨てられたまま丸まって転がり、埃のかたまりがドアの開閉でゆれている。
こんな部屋でも喜んで同居してくれるかわいい奴がいる――まあ虫なのだが。
シルバーフィッシュという虫で、とても美しい光沢をしている。はじめて目にした時には指で潰してしまったのだが、あとで調べたら本を好んで食す虫らしい。
どのみち読まない本がいくらでもあるので、奴らの存在を容認したのだ。なかなかお目にかかれないので、ひとしきり考え、古くてくたびれた本を古本屋で買ってきたのだ。
紙に甘い香りがしてうまそうなのがそれを選択した理由だ。読んだことはないが、澁澤という著者の本がなんとなく紙魚たちの好みにあいそうな気がして与えてみた。

127 :隊列文法 5/2:2006/09/28(木) 21:21:31
数日後、供物として与えた本を確認してみると、本がそのままの状態で置かれていた。いや、様子がおかしい。よく近づいて見てみると表紙はそのままの状態だが、中身が無くなっているようだ。
表紙を開いてみると、黒い文字がダイヤモンドダストのように周囲に舞った。文字のインク部分だけを残しきれいに食べられていた。
例えるなら、箸使いの上手な人が食べた焼魚のようだった。身の部分だけを食し、頭と尾を残し、中間部分は見事に骨だけの状態で、盛られていた皿に汚れなど付いておらず感心してしまうような見事さだった。

ある月夜のことである、暗い部屋の壁が月明かりに照らされてきらきら揺れているような気がした。じっと目を凝らして壁を見つめていると煌きの正体が分かった。
シルバーフィッシュの群れだったのだ。虫嫌いの方はゾッとして悲鳴を上げてしまうのだろうが、あの流れるような美しい鱗光を目にしたら、きっと魅惑されてしまうに違いない。


128 :隊列文法 5/3:2006/09/28(木) 21:22:07
毎晩観察したが、どうやら壁の一定の箇所で、一定の時間活動しているようだ。月明かりのない晩でも活動している気配を感じる。かといって蛍光灯でも照らそうものなら蜘蛛の子を散らすように逃げだしてしまう。
一計を講じた。仕事帰りにブラックライトを購入してきた。白いTシャツなどが闇の中で不気味に浮かび上がるそれである。

与える本によって法則があるのだろうか? 試してみた。こればかりは既読の本以外に差異を比べる方法はないので、既読の本をいろいろ与えてみた。
確かに違いはあった。スピード感のあるものは非常にシャープな煌きで応えてくれたし、美しい文章は美麗に、コミカルな描写は面白おかしく、艶っぽいお話は妖艶に、論理的な内容は緻密な幾何学模様に煌いた。
何度も読んだ大切な本を供えてみた。どのみちまた買えば済むことである。
不思議なことにその真夜中の上演は、以前より格段に分かりやすくなっていた。
こちらの理解能力が向上したというよりは、紙魚たちがこちらの意向を汲み取って隊列文法を補正したように感じられた。
手垢が付くほど何度も読み返した本だったので、紙に残された皮膚のカスを取り込んでこちらのDNAを解析したのか、あるいは掌からにじむ汗が染みた紙の発汗成分を読み取ったのか、知る由もなかったが、すばらしい上演だった。


129 :隊列文法 5/4:2006/09/28(木) 21:22:47
かれらの隊列文法にも慣れ親しみ、こちらから上演のリクエストをしたりしている。
実は最近すばらしい発見をしたのだ。英語の苦手なわたしは、原書など購入したことも無かったのだが、できるだけ古い原書を購入して与えてみた。
はじめは紙魚たちも混乱していて意味不明(バグ)な隊列文法だったが、数週間後には馴染みのある隊列文法になっていった。
古いペーパーバックには海外産の紙魚(セイヨウシミ)の卵が付着していたのだ。
卵といっても受精卵ではなく精包で、こちらのヤマトシミ(在来種)の雌が外来種の精包を取り込んだと推測している。これが羽化し、国産種と掛け合わされ翻訳されたと思われる。狙い通りの結果にほそく笑んだ。もう何年も翻訳されるのを待たなくともいいのだ!

今宵は中秋の名月だ。ブラックライトを消してすばらしい上演を月光の元で鑑賞したいものである。
今夜の上演はいつもと様子が違っていた。みずから生み出した物語のようだった。
上演を終えると、無翅類の彼らに美しい翅があらわれ、開け放たれた窓から旅立っていった。
ふと、思ったのだが、月が生物の進化におおきくかかわっているのではないかと、月に向かって飛んでゆくシルバーフィッシュを窓ごしに見あげながら考えていた。


130 :隊列文法 5/5:2006/09/28(木) 21:23:45
   ゞ  ::::;;;)
    ヾ ::;;ノ
     ヾ丿
    ⊂二⊃
    バルサン
    └─┘

131 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/10/03(火) 12:27:04
【ページの想い出】

「おーい!おまえら!早く帰らんとオカンに怒られるぞ!」と石焼き芋売りのおっちゃんがさけんでいる。
僕らは、毎日のように、たけし、ゆういちの三人で時間の経つのも忘れ、いつもの空き地でクタクタになるまで遊びまわっていた。
気がつくと夕焼けも終り、辺りは暗くなりかけている。
そして僕らは大人になった。
でも、今も、僕ら3人の胸の中には、あの日見た、赤トンボが、いつまでもいつまでも、飛び続けている。

『あの日の赤トンボ』というタイトルの本を静かに閉じた川村さとみは、何とも言えない《懐かしさ》で涙を流していた。
昭和と言う大昔の時代で10才の男の子達の友情を描いた話題の本を読み終えたばかり。
最近では、デジタル書籍に換わって、本物の紙に特殊なインクと特殊な活字印刷技術を使用した新しいタイプの読書スタイルがすっかり定着していた。
それは、その活字を読むだけで読者をかなりリアルな擬似体験的な物語の世界に引きこみ、深い感動を与える作用があった。

2055年生まれの都会暮らしの川村さとみは、女性だし、実際、空き地?で遊んだ事も、空を飛ぶ赤トンボ?なんて見たこともないのだが。

132 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/10/03(火) 14:43:22
↑は他のスレに書いたもの載せてみました。

で載せてから、わかったんですが、>>126-129さんの 隊列文法 のお話と紙の書籍について書いたものでちょビット似てしまいました。
(私の話もインクが生きている微小な虫で出来ている事にすれば良かったかな。)

隊列文法は、虫を扱ったSFで結構私、この手のもの好きです。
昔、読んだヴァーリーのSFで「サンドキングス」だったか、あれ良かったですよね!!

133 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/10/03(火) 14:50:35
↑間違いでした。スミマセン
「サンドキングス」(G.R.R.マーティン)でしたね。

134 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/10/03(火) 21:11:13
これは、マイドキュメントに放り込んでいて形にならなかったものです。
暇な時間に、どうにか面白くならないかとこねくり回していたのですが、どうにもならず投げたものです。AAでしめてもちっとも面白くないですね。

「サンドキングズ」は、わたしもいい作品だと思います。オチもひねりが効いていてゾッとしました。


>>96
もう必要ないかもしれないが、Yahoo!ブリーフケースに入れてみた。見られるか分からないけど試してみてください。
http://proxy.f3.ymdb.yahoofs.jp/bc/45225083_11ec7/bc/%a5%de%a5%a4%a5%c9%a5%ad%a5%e5%a5%e1%a5%f3%a5%c8/%a4%aa%a4%de%a4%a4%a4%e9%c3%bb%ca%d4SF%bd%f1%a4%a4%a4%c6%a4%af%a4%c0%a4%b5%a4%a4+part2.htm?bc5dlIFBXKjc5Kqc

135 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/11/27(月) 22:22:03
保守

136 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/12/07(木) 21:07:31
【活動が終わるということ】 その1

「人間は体の循環活動が終ったらどうなるんだろう」
作業をこなしながら、こんな事を思考する私は・ユ・ニ・ー・ク・な存在なのでしょうか?

今日、私が担当していた患者、中嶋勇吉さんの容態が急変し亡くなりました。
看護士ロボットとして仕事をしているのですから珍しいことではないのだけれど…

(※注)この行動記述は私の私的記憶フォルダのメモリーにだけ保存しようと思う。

その入院患者さんは、早朝から頻繁に私へのコールを繰り返していた。
コールの理由はシーツを汚すほどの下痢。「ごめんな」「ごめんな」と処置を施す私に対して何度も何度も謝る。
「気にしないで!何度でもきれいにするからね」(私たち看護士ロボットは、人間の患者さんに対し親しみを持ってもらえるようにと場合により敬語を使用せずに会話する資格が与えられている)
その後も腹部の痛みがひどいらしく、何度もコールが繰り返された。
「つらいよぉー」「痛いよぉ!」「苦しいよぉ」「何とかして」「お腹をさすって!!」「そばにいてくれ」「どうしたらラクにな
れるかおしえてくれ」
私はその度に 看護に関する業務プログラム から生成されてくる言葉を使い「うん、痛いよね」と患者さんの手を握ったり「痛み止め、さっき入れたからね、もう少し経ったら効いてくるから」と体をさすってあげたりする。
だがこんな言葉や対処では長期入院のこの患者さんの苦しみを取り除いてあげることが出来ないとわかっていた。

ああ、行かなければ!他にも私の担当する患者さんはいっぱい、います。
廊下から同僚の人間の看護士が私の名前を大声で呼んでいます。
なんとか中嶋さんの用事を済ませ部屋から出るが、すぐコールが。
「痛いよぉお。おまじないしてくれんか」
お・ま・じ・な・い…??
メディカルセンターのマザーコンピューターへ指示をあおぐ。

137 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/12/07(木) 21:11:28
【活動が終わるということ】 その2

「痛いの痛いのアッチのお山ともう少し遠くのお山まで飛んで行けー」と、マザーからのアドバイスと私のアレンジを加えたおまじないをしてあげた。
部屋を出て次の患者さんの部屋に行くともう中嶋さんからのコールが鳴っていて、同期、同型のロボットに指摘される。
もう一人の担当患者さんは「点滴が漏れた」と言っている。
さらに他の意識の無い患者さんは、気管切開部分からの痰の噴出しで顔が真っ赤になり窒息の危険性が予測される…
「田中さんの検査のお迎えに」と指示が来て、「トイレ連れて行って」と武藤さんが!
「オムツ替えて」と中野さん。「…」いっぱいいっぱい!一度に指示が襲ってきます。

私は最新の看護士ロボットではありません。何度かオーバーホールを行っている型落ちハードの体、人工意識も3度の書き換えの履歴持ち!
コンピューターウィルス感染時の処置も完全ではなく最深部には削除できなかった怪しい領域を持ちながらの勤務です。
それらの影響かどうかわからないがこんな忙しい時にはいつも、視覚能力と歩行システムに不具合が出てきてフラフラになります。
そんな状態の時です。中嶋さんから言われます。
「さっきのまじないが悪かったんだよ!どうにかして!!」
「べつのおまじないしてよ!」
「やっぱりあのまじないのせいだ!余計に悪くなったような気がする!!」
     あっ!!
どうしてだか!私の口調がきつくなる。
「おまじないというのは、その人の…人間と言う不安定な生物特有の…気持ちがすべてで・・・さっきの痛み止めだって!ホントは、あなたの社会保障ランクでは使えない高額で貴重な…」
言ってはいけない言葉が次々に出てしまう。
思考ルートを一度整理してから言葉を出す。「患者さんはあなただけではないのですョ」
悲しそうな中嶋さんの顔が私の視覚センサーに飛び込んできました。

やっとの思いで退室する。と、まもなくすぐにコール…
「やっぱり…やっぱ・り・そばにいて」中嶋さんが見つめている。
私の手がぎゅっと強く握られました。
そしてまた少し時間が経った頃、再コール。

138 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/12/07(木) 21:16:53
【活動が終わるということ】 その3

そしてまた少し時間が経った頃、再コール。
「胸の奥が痛い」そう訴えられると見過ごす事は出来ません。血圧をまず測り、その他の検査も行います。
数値には異常が見られませんでした。
詳しく聞くと、痛いのは胸ではなく足だ!とか、おなかだとか…
これでは仕事になりません。
そのうちコールがかかっても「そのコール置いておいて良いから」と人間の看護士みんなから言われるようになりました。
スタッフ全員でコールを無視するようになりました。(もちろん私達ロボットにはセンサーでの患者さんすべてのデータ監視はしっかりしています)
かわいそうな事ですが一人の患者さんばかりにかかりきりになることはできないのです。
夕方になり、あまりの多くの数でのコールの為、詰め所に近い部屋に中嶋さんを移しました。
移動には車椅子を使いました。私はこの間、インストールさせたばかりの動作プログラムを起動させ細心の注意を払いベッドへ移しました。
「さあ、つかまって」と声をかけると、中嶋さんが両腕をまわしてきて、ぎゅっと私の首にしがみついてきます。
首の部分の接触センサーに人間の何とも言えない柔らかさと温かみの感覚が感じ取れます。
「ああ、これが人間?生きているということ…」
部屋を出る前に点滴の落ちが悪かったので新しく刺しかえました。
その間も中嶋さんの手は私の腕をぎゅっとにぎっています。
「離れていても私はいつもアナタのこと(データモニターで)見ていますからね」
「大丈夫だからね!」
と言うと更に強く腕をぎゅっとしてきます。
その日は、土曜日で夜間は人間のドクターが帰宅しているので主任と相談してAIドクの中でも最上級のドクターにアクセスさせてもらい状態を報告しました。
(通常、中嶋さんクラスの社会階層の患者さんに対して、AAA級AIドクターをあてがう事はできず、かなりの特例)
AIドクからの指示は明日の朝まで要観察で良いとのこと。
詰め所に待機し23時を過ぎた頃、私の不具合も悪化してきました。

139 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/12/07(木) 21:18:31
【活動が終わるということ】 その4

近いうちにもう一度、ハード面のオーバーホールと徹底的なOSのスキャン洗浄をマザーにお願いしなきゃあ。
で・でも、この病院の経営状態じゃあ却下確実、表面上のメンテだけなんだろうなとか思考していると…
「モニター!!」と人間と監視プログラムの指示が同時に飛んで来ました。

見ると中嶋さんの心拍数が30をきっています。
人間の主任が走って部屋にむかいます。
私は走れませんでした。フラフラです。
ぐったりしている中嶋さんを眼で捕らえた瞬間、自分の不具合どころでは無いことが認識でき、緊急用のモードを使い私の動作を矯正させます。
すぐに一番早くかけつけられる人間のドクターにコールを。
気道確保、吸引、挿管、人工呼吸器をセット。
私達は、ベッドに馬乗りになって中嶋さんの心臓マッサージを始めます。
「中嶋さん!!戻って来て」「別のおまじないいっぱいいっぱいするから!!」
肋骨が折れるいやな音が聞こえます…
心臓マッサージは、私達ロボットには力加減が微妙で慎重さが特に必要な処置。
レートの値をチェックしながら先輩と交互に続けます。やめるとすぐにモニターは一直線になります。
瞳孔は散大、対抗反射もありません。
私の中の診断ソフトが冷静で冷酷な、もう無理だなと耳うちしてきて緊迫している空気をじゃまします。
「…いつまで続けましょうか!?」
と人間の看護士さんが汗だくでマッサージをしながら問います。
「ご家族が来るまで」とドクター。
「ご家族はいつ来るのョ?」
「遠いから1時間くらいって言ってました」と私が報告。
「まじで?」
この場合、家族が病室に到着するまで、心臓を動かしておかないといけないのです。
勝手に蘇生を辞めるわけにはいきません。

140 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/12/07(木) 21:20:23
【活動が終わるということ】 その5

「先生、もう・・・」
「まだまだ。一生懸命さを見せてこそ。その姿を見て家族は納得するねんから」…。
看護士さんが力がなくなってレート(ハートレート→心拍数)が落ちてくると、私が替わってマッサージをします。
マッサージをしながら、中嶋さんのご家族が乗る車の現在位置を問い合せ検索かけてみました。
「かなり近い…あと数十分という所か…」と思考。

家族がやっと来ました。
お風呂に入っていて、来るのが遅れたと言いました。
その割には奥さん、バッチリ化粧してました。
夫の臨終より自分の外見を気にする奥さん。
そのために心マを続けた私たちと、肋骨ボキボキ折られながら他動的に心臓を動かされてた患者、中嶋さん。
よくわからないけれど、これが私たちの仕事で、現実。

奥さんの前でドクターが説明をして心臓マッサージをやめる合図が出て、モニターはフラットになりました。
「ご臨終です」
「体をきれいにしますので、外でお待ちいただけますか?」死者への儀式が行われる。
中嶋さんの体をきれいに拭いて、体中の穴に綿を詰めていた時、動かない顔と、さっきまでの「助けて」って私に言ってた顔の画像を比較する。生命とは、とても小さく、あっけないモノと感じる。
(さっきまで器官とか気道とか空気が通るようにと必死で吸引してたのに、今は綿詰めていっしょうけんめい塞いでるわけで、矛盾という言葉がわき出した)

後悔が残ります・・・。
私達がもっとちゃんと見ていれば、この人間は、まだ生きられたんじゃないだろうか・・・。
あの頻回なコールも、普段とは違う何かを意味してたのに・・・。

141 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/12/07(木) 21:22:25
【活動が終わるということ】 その6

死後の処置をしているうちに体はどんどん冷たくなっていきました。
一人が死んでも、この人間社会は変わらずここに存在する。また明日が来て、テレビ番組も決められた放送を流し、同じような毎日の人の生活があって…
なんて不思議…もう心臓は止まってるけど、中嶋さんの右手の腕時計は臨終の時刻が過ぎても時を刻んでいました。

人間の死ぬってどういうことなのかな?
死んだ後は、私たちロボットがこうやって今見えているものも何も見えなくなるのかな?
死んだらすべて終わりなの?無になるんだろうな。

ああ!だから人はそうじゃないと思いたいのか。希望というものを大切にしているんだ。
だから何か生きているものを愛しいと思うのか。
ペットの犬を抱っこするのかな。

203号室のおばあちゃんとか、他の病室の死期が近い老人の気持ちって孤独という精神形態で満ちているんだろうか。
親も兄弟も夫も死んで、近くには誰もいない。自由にならない、弱弱しい自分の体があって・・・。
ぼけて痴呆症になったらラクなんだろうかな?そうじゃないな?お年寄りで生きるのって、どれほどの苦痛なのだろうか。
こんな事考えている私は…人になりたいのかな。
メンテを済ませたら、203号室のおばあちゃんの所に行って話しをしよう。
クリスマスには、そう!人間のマネをして、プレゼントを持って行こう。
407号室のおばあちゃんは去年、ストールをお孫さんにもらっていたな。私は何にしよう・・・

わたしはあなたたちの老いる日まで白髪になるまで、背負って行こう。
わたしはあなたたちを造った。
わたしが担い、背負い、救い出す。
(イザヤ書46章3〜4)

私の中に記録されている聖書ファイルにはそう書いてありました。
神様、それほんと?
そもそも神様ってほんとにいるの?

142 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2006/12/07(木) 21:26:05
【活動が終わるということ】 その7(終)

私は人工生命だから、そういうことよくわからないの。
でも、私は考えてみた。たぶん人間は弱い所をたくさん、たくさん、たくさん持っているから何かを信じないと生きていけないのだろう。
それで人間は神様はいることにしてるのかなあ。
ああ、一度、心の底から人の気持ちで満たされてみたい・・・
時々街で見かける、いつもいつも笑顔で満たされてるような人たち、いつでもありえないくらい陽気で底抜けに明るい人間って、一体どういう精神構造してるんだろう。うらやましいな。

この病院の患者さん達は、よくこんな事を言っていた。そして悲しい表情で死んでいった。「世の中はつらいこともばかり。楽しかった思いではほんのわずかだったよ」って…
でも、私は最近気づきました。
そのほんの少しの楽しいこと、そんな気持ちが安らぐ小さい小さい出来事の瞬間が生活の中にありさえすれば、人間は生きて行く事ができるのだ!って。

そんなことを考えながら私は、これからも看護士ロボットとしてこの世界に存在していきたいと…いかなくてはと思います。私が人間社会に必要とされなくなるまで…

亡くなった中嶋さんの処置、手続きがすべて完了し私は、病院の外の通りを歩いていた。
データにある、見慣れた動物が前から歩いて来るのが見えた。
横塚さん宅のペット犬の《ブン》が散歩中のようだ。
腰をかがめ、話しかけ、手のひらでやさしく撫でてあげよう。
あたたかくてふわふわしてるね。つぶらなお目目でかわいいね。
でも、《ブン》も最近、やせたね。年をとったんだろうね・・・
私だって…

今、この瞬間、これは存在しているってことだよね。

143 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/12/07(木) 23:08:24
age

144 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/12/08(金) 01:32:39
今まで書かれたのをまとめてみたいんだが
どこのサイトを使ってまとめたらいいのかわからないんだ・・・
だれか教えて下さい


145 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/12/08(金) 10:44:41
>>144
どのサイトをつかうの?ってそのレベル、自力で出来ないようだったらやめたほうが良いのかも。

もちろんその質問、俺もわからんが・・・

146 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/12/09(土) 07:35:54
>今、この瞬間、これは存在しているってことだよね。

・・・という会話の途中で目がさめた。
な〜んだ・・・全部夢だったのか・・・
と勃起したチンポを見つめながら考えた。
・・・と、突然目の前に、

147 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/12/21(木) 20:43:04
「えんそく」(SF童話)

えんそくで火星にいきました。
火星には火星人がいました。
火星人から隕石もらいました。
それで午後には地球に帰ってきて
お昼寝をしていたら
ママが迎えにきたのでおうちに帰りました。
火星に行ったといってもパパもママも信じてくれません。
隕石をみせたら「ただの石ころ」といわれました。
くやしいなあ。
いつかきっとパパとママも火星に連れていってびっくり
させてやるんだ。

<おしまい>


148 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/12/22(金) 09:10:23

・・・まで書いたところでで目がさめた。
な〜んだ・・・全部夢だったのか・・・
と勃起したチンポを見つめながら考えた。
・・・と、突然目の前に、
火星人が立っていた。
オレのチンコも勃っていたが・・・。

149 :名無しは無慈悲な夜の女王:2006/12/23(土) 16:40:00
>>144 どっかの無料ブログに登録して、コピーしまくればいいんじゃないの。
どのブログが最適かはまったく知らんが。とりあえず、経験上、F2Cはやめとけ。
むかない。

150 :名無し:2007/01/09(火) 10:37:24
自由民主的貴種流離譚
地球政府の世界元首選挙が行われた。
だが、その選挙結果は捏造され、本来当選であるはずのセイタが落選し、悪の立候補者ハラグロが当選したのだった。
選挙に落選したセイタは職を無くしたので、諸国を流浪し、民衆が幸せに暮らすさまを直接見て歩く旅に出ることにした。
セイタが旅を始めて一月もたった頃であろうか、さめざめと泣き暮らす娘に出会ったのだった。
「おい。わたしは職もなく諸国を見ようと旅するものであるが、何か困りごとがあるなら相談にのるが」
すると、娘が答えた。
「そんなことをいっても、ならずものたちが町を徘徊し、政府がすることといったらたびかさなる増税ばかり。
公務員の手下を名のるコワッパが父母弟をみんな殺してしまったのです。このままでは、次はあたしではないかと心配ばかりです」
そういわれても、セイタはたんなる無職。当選したハラグロに非があるはずがない。
しかし、困っている者を見てセイタは見捨ててはおけず、町のならずものというコワッパに会いに行くことにした。
ならずもの五十人に対するはセイタ一人。娘ははらはらと様子を凝視していた。
いきまくならずものたち、なだめるセイタ。そこへ、ならずものの一人剣豪テゴワシが走り出た。
「これはこれは、ひょっとして、あなたさまは先ほどの世界元首選挙に立候補されたセイタ殿ではありませぬか」
たしかにそうだが、落選したセイタには誇るものなどなにもない。ぞんざいに返事をすると、テゴワシがいう。
「それがし、あの選挙が投票結果を捏造したことを知っているであるぞ。真の当選者はセイタ殿、あんたではありませぬか」
そういわれても、ぴんとこないセイタ。だが、この場は解決せねばなるまい。
「それがし、政府に給与をもらうゆえ、やむなくコワッパに従っておった。しかし、真の当選者セイタ殿に会ったからには、セイタ殿に忠誠を誓うものでござる」
味方が増えたのは嬉しいセイタ。しかも、このテゴワシの強いといったらない。そのまま、セイタとテゴワシの二人でならずものたちをやっつけてしまった。

151 :名無し:2007/01/09(火) 10:38:07
娘がいう。
「助けてくれてありがとうございます、旅のお方。でも、コワッパはもっと強い権力者に従っていたらしく、
このままでは怖くておれません。どうか、一緒に旅に連れて行ってくださいませ」
こうして、セイタ、テゴワシ、娘コマリの旅が始まったのでした。
ゆく先々で政府の悪業を正していくセイタ。
そして、ついに世界政府官舎へとやってくる日がきたのだった。
どけどけとうるさい役人たち。まるでいうことを聞かない。
しかし、ひとりの選挙管理委員が汗だくでしゃべりだした。
「まちがいございません。あの選挙の当選者はセイタ殿だったのです」
世界政府の役人たちは、全員いっせいに整列して、セイタの元首席までの道を開けた。
ハラグロはとりおさえられて、押し黙った。
「まあ、本物の世界元首様だったのですね」
こうして、セイタはコマリと一緒になり、世界元首に就任したのでした。めでたし、めでたし。

152 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/01/09(火) 20:14:12
悲しいめいおうちゃん(仮)

めいおうちゃんは太陽お父さんが大好きです。
太陽お父さんも末っ子のめいおうが大好きでした。
家族のみんなも、もちろんめいおうが大好きです。
特に一番近いお兄さんのかいおうとはとっても仲良しでした。

めいおうちゃんはたまに、お兄さんであるかいおうに隠れてお父さんに近付いていました。
お父さんが大好きでしたから。
ちょっとしたいたずらです。お父さん以外の家族はみんな知っていましたが、
可愛い妹のかいおうちゃんが大好きなので黙っていました。



153 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/01/09(火) 20:15:02
ある日、いつものようにかいおうちゃんがまた、こっそりとお父さんに近付きました。
兄弟のみんなはニコニコしてそれを見ています。

でも、その日はお父さんに見つかってしまったのです。
めいおうちゃんは素直に「ごめんなさい」と言いましたが、
お父さんは悲しいような複ざつな表情をしていました。
お父さんは、優しいけれど、厳しくもありました。
やがて、お父さんの言葉が、ゆっくりと心に響いてきます。
「めいおう、お前のことは大好きだ。でもルールを破ったら家族ではいられなくなるんだ。
辛いが、お前とは家族の縁を切って、ひとりで生きていかなければならない。
…冥王星よ、主、太陽は冥王星との関係を断つ。
今後、家族との会話全てを禁ずる。」

めいおうは黙ってそれを聞きました。家族のみんなも下を向いています。

僕が止めたらこんな事にはならなかった。
みんなそう思っていました。

家族ではなくなってしまいましたが、
めいおうは今もまだ、
お父さんの周りを僕たちの周りをずっと、ずっとまわっています。
(終)

154 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/01/10(水) 16:19:22
泣ける話や。タイムリーだね。

155 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/01/11(木) 12:42:49
これはどうだ?

ttp://eiraku.hp.infoseek.co.jp/eirakugaidovol46.htm

156 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/01/12(金) 08:44:21
>>155 長くてだるいが、いちおう最後まで読んだった。迫力不足。
小説は事実より奇でなければならない、と思う。新聞の殺人記事のが怖い。
もっと過激に、大規模に、背徳を恐れずに。正直、読むだけムダクラスだった。

157 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/01/12(金) 15:49:35
age

158 :魔法のうそつき鏡 1/2:2007/01/12(金) 21:49:38
ユビキタスコンピュータが自然に生活の中に浸透し、過剰な監視が当たり前になった社会。鏡に映った画像までが監視の対象になった。
当然のことであるが、このような膨大なデータを管理するにはとても優れたマザーコンピュータが必要になる。このようなマザーコンピュータが世界各国に点在していてお互いの情報を共有している。国家レベルの機密情報はこれまでではない。
ここ日本では免許証は言うまでもなく、あらゆるものに微細なチップが埋め込まれていて、その気になればどんな軽微な犯罪であろうと取り締まることが可能である。
普通に生活していればこのような管理社会でも快適に暮らすことができるなどと考えるのは早計である。
時代遅れの法律はそのままで、次から次に新たな法律が制定されるのだから普通に生活していれば、自身は知らずともいつのまにやら犯罪を犯していることになるのだ。
生活や経済が円滑になるようなユビキタスコンピューティング環境が整った社会では、軽微な法律違反でさえ取り締まることが可能なのである。実際に税収が見込めない年にはゴミの分別違反でさえその対象になったのである。
行き過ぎた管理社会の末路には繁栄はありえない。
行き過ぎた管理により人口減少に歯止めが掛からなくなった。これを回避するのは以前のローテクな管理社会に戻ればいいと考えるのはこれまた早計なのである。
国家が安定した税収を得るためには欠かせないシステムを切り捨てることはできない。かといって人口減少は痛手である。何とかしなければならない問題である。
このジレンマを解決するためにユビキタスを秘密裏に最大限活用することとなった。

159 :魔法のうそつき鏡 2/2:2007/01/12(金) 21:52:04
プロジェクト名は、Liar mirror of magicを略して『LMM』と密かに呼ばれていた。
人口増加を見込み、ついに鏡に映る画像まで秘密裏に操作されていたのである。
美人であるとか美男子であるとかの基準は平均的な顔であると言われている。
本来の顔より3%ほど平均値に近い顔に補正されて映るのだ。
公共の場所では、さらに5%ほどに補正値が引き上げられている(1%を地方に配分する「地方美化率」を導入)。将来的には10%ほどには引き上げられる予定である。
この方法はマザーコンピューターに負担が掛かると思われがちだが、画像エンジンを利用することによりこの問題をクリアしている。
生データで映し出すより画像エンジンを利用して映し出したほうがはるかに効率がよいのだ。一般には生データより画像エンジンを介した映し出しは10分の1の軽減になると言われている。
画像エンジンは非常に高速で、処理時間はほぼなく一時的に画像を蓄えるバッファメモリーさえ必要ないのである。
さて、効果のほどだが、はっきり言って不明である。このデリケートな問題がこれだけで解決するとは考えられないが、やらないよりはましだという程度だろう。
焼け石に水であるとも言えるだろう。根本的な解決が望まれる。根本的な解決が何であるかについては不明であるが。
しかしながらここに裏技を記載しておくことにしよう。ぜひ試してほしい。
遊園地の鏡の迷路に意中の人と入ってみるといい。合わせ鏡の二人は絶世の美男美女である。ここでぜひ接吻までしておくことをお勧めする。いや、することは済ましておいたほうがいいだろう。まさに夢の世界なのであるから。
ここで留意する点は、鏡越しに互いを見つめ合うことぐらいである。
この場合、法律違反で捕まることは心配しなくともよい。課税対象が増えることは喜ばしいことであるのだから。きっと黙認してくれるであろう。


160 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/01/13(土) 05:55:24
目覚める、辺り一面が白かった。
コールドスリープ。
あまりに無機質な部屋に、ベットと私だけがいる。
一人の女性が入ってきた。
服装があまりにタイトなこと、そして部屋と全くの同色であった為、一見首が歩いてきたように見えた。
思わず眉をしかめた私に、彼女はあまりに無機質な‐部屋によく似合う‐表情のまま、私を一別してすぐに出ていってしまった。
私はコールドスリープの機械に入った。理由など知れたことだ。未来をみたい。
その為に資産の全額をはたいて、その資産分だけ、長く眠らしてもらった。
今はいつなのか。少なくともこの部屋には未来の匂いを感じる。僕が数十年先を想像したのに近い匂いだ。

秋田。誰かまかした。

161 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/01/16(火) 04:08:41

「賞味期限切レデス。確認シテクダサイ。」
「うるせー!機械は黙ってシュークリーム!」
「理解不明箇所アリ。申シ訳ゴザイマセンガガガ・・・」
ベルトコンベアの流れを止めてやった。
機械の分際でおれに意見するなんて百年早い。
「通報シマス。」「はっ!勝手にしろ!」
べちゃ。甘くひんやりとした感触が顔面を覆う。
どうやらこいつは、全面的におれとやり合う気らしい。
面白い。人間の力を見せ付けてやる。

一時間後。

「賞味期限切レデス。確認シテクダサイ。賞味期限切レデス。確認シテクダサイ。
賞味期限切レデス。確認シテクダサイ。賞味期限切レデス。確認シテクダサイ・・・・・・」

凄まじい死闘だった。感電も危なかったが、
ベルトコンベアに縛り付けられた時は、もう少しでおれ様シュークリームが完成する所だった。
あそこで、おれの序盤のスパナトラップが発動してなかったらまず間違いなくやられていたな。

さてこいつは今、何処かもわからない山林にいる。おそらく見つからないだろう。
ふん。人間に、ましてや現場のトップにたてつく奴がどうなるか、思い知っただろう。

そう、どんなに進化しようとも、機械は、人間の忠実な奴隷でなければならない。
機械は利便向上の道具だ。人間に意見するのは人間だけでいい。
はっはっは!そうさ、あいつは死ぬまで、いや、バッテリーが切れるまで悔いるがいい!
はーはっはっはっは!!

揚々と工場に帰ると、
血相を変えた作業員が立っていた。

「工場長。作業出来ません。」

162 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/01/16(火) 15:35:38
不二家age

163 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/01/16(火) 15:58:02
>>126-130
静謐で、演繹的で、詩的でよかった
これは積ん読者だけにわかるファンタジーだ

164 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/01/17(水) 11:46:56
>これは積ん読者だけにわかるファンタジーだ

いやあ、同志の方からのレスは照れくさいです。
SFは絶版しやすいので、とりあえず買っておく癖がつきツンドクが大量にあります。
あるSFがみつからないと嘆いている方のレスを他のスレッドでみると、ああ積んであるなあと申し訳ない気持ちと、所有している安心感のあいだでこころが揺れます。

165 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2007/01/22(月) 15:52:41
『第二東京タワー〔オカンとボクと時々オトン〕』 その1

ボクが生まれ育ったのは、ずっと昔の時代に炭鉱で栄えていたという田舎町。
炭鉱というのは旧世代、人がエネルギーとして使用していたセキタンという化石燃料を採掘するために建造された施設のこと。
その小さな町の小さな木造の国家住宅にボクとおかん、そしておばあちゃんとヨヨギさん(ボクが飼っていた人工生命の模造ペットの名前)と暮らしていた。
おとんは、いつも家に居つかず留守がち。ボクは大人になるまで知らなかったが、精巧な女性型アンドロイドを所有し、そのニセモノ女とヨソで暮していた。
なので、おかんが町の食料工場で働いて一家の家計を支えた。

ボクは、小さい時から二次元絵画を描くのが好きだった。いわゆる手書き絵画。人工知能を使わずに書く今では珍しいタイプの絵。
大きくなったらその絵を描いて食べれるようになり、高層ビルよりもっともっと高くて、カッコイイ、第二東京タワーがある東京の浅草で暮らしたいと、つよい憧れを抱いていた。

一方、おかんは、おとんと結婚解消しようとしたものの、おとんへの想いを捨て切れず結局、結婚契約を3年、6年と更新し続けていて別れられずにいた。

田舎のスクールを卒業し、いよいよ憧れの東京で暮らしはじめたボク。専門学生時代の友人、ヤスと二人で低所得者ボックスの簡易住宅暮らし。
だが画家の夢は一向に先が見えず、取りあえずの職探しの日々が続いた。

2年…3年…が瞬く間に過ぎ、ついには、家賃も税金(実体存在権利費)をも滞納し続けて、毎日の食べるものすら追いつかなくなる。だが、ボク達は絶対に田舎へ戻る気は無かった。
そんなボク達に待っている、運命とは。
社会での無能力者の行く先。それは、コンピュータデータ上のモデリング世界の住人(ボディレス)になってしまうのみだった。
そう!この時代、国家、社会に対し貢献出来ないと判断された無能力人間は、維持費がかかる肉体を剥奪され意識だけにされてしまいコンピューター内世界モデリングへと放り込まれる。

166 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2007/01/22(月) 15:56:15
『第二東京タワー〔オカンとボクと時々オトン〕』 その2

淡々と手続きがなされ、友人ヤスとボクは共に有無を言わさず国家行政員に連れ去られ、データ化されていた。

普通ならここで絶望感に打ちのめされてしまうはずなのだが、デジタル化された人間の精神は安定維持処置がなされている為かどうかはわからないが、意外と冷静な暮しが出来る事がわかった。
ここでは職も食べ物も住む所も困らない。ボクは、同じくボディレス化の友人、ヤスと毎日、毎日、データ世界、モデリング内の散策に忙しかった。

この日のボクたちは、浅草にほど近い、のんびりした下町の風景が広がる墨田区の台東エリア、押上、業平橋駅前にいた。
「わぁ、ここが第二東京タワー!建設予定地かぁあ」
2011年から地上波デジタル放送の発信塔となる第二東京タワー「すみだタワー」だ。
高さは約610mでカナダのトロントにあるCNタワー(553m)を抜いて、世界一。工事着工は2008年度。

タイムトラベラー気分で2055年の世界の住人であるボクたちは、夏の日差しを避けながら、一路、業平橋駅と都営浅草線の押上駅前へのちょうど中間にある建設予定地まで歩いていた。
つまり今ボクらが居るこの世界は2006年の過去日本のモデリングワールド内。
町の商店街通りは、日曜の午後というのに人出もまばらだ。商店街のお店も大半が閉まっている。

ほどなく建設予定地に到着したが、まだ工事は、おこなわれておらず。目の前には広い空き地があるだけ。「こんなところに世界一のタワーが建造されるとは信じ難いな」
と憧れのタワーの建つ前の世界を不思議な気分で眺めていた。

完成当時は世界一だったすみだタワーだが確か、何年後かに、完成した中東の方のクウェートで超高層タワーが建てられてしまった訳だが…

167 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2007/01/22(月) 15:58:54
『第二東京タワー〔オカンとボクと時々オトン〕』 その3

コンピューターに時間の進行を指示し「第ニ東京タワー」が完成して行く様をコマ送りのように流してゆき、眺める。
東京浅草のランドマークが「雷門」から「第ニ東京タワー」に移行してゆく寂しさも味わっていた。人間みな新しモノ好きだもんね。もう2055年の浅草は昔のとは別物になっているのだ。

「普通ってすごいな…」
ボク達は、時代を2016年の世界に設定、固定させ、のんびりと暮しはじめた。
当時の築20年位の普通の木造アパートの2階に住み、当時の普通の人間と同じように生きてみた。
タタミの敷かれた6畳一間。網戸の無い、夕暮れのアルミサッシの窓から見える視線の先には煌々と輝く第二東京タワーがあった。

そんなレトロな夢の輝きを眺めながら毎日を過ごすボクに、転機が訪れた。
それは一人の女性との出会い、名はマサミといい第二東京タワー内で案内係をしている可愛い女の子。
魅力的な大きな目をしていて一目で心を奪われてしまう。
当初、マサミの事は、ボクらと同じくボディレス化されここで暮している人間とばかり思っていたのだが、100%人工のプログラム人間なのだと知らされ驚く。
ボクがマサミに引かれた訳は、マサミという女性の精神的魅力に、もちろんあるのだが、幼い頃から憧れていた第二東京タワーで働いていることという事実が大きく関っていたように思う。

そしてもう1つの転機。モデリング世界の中でボクは次第に精神的に覚醒し始め、何物にもひたすら感動し、奮起してゆく。
いつしか労働の意味を考えるようになり、本来、人間が生きるうえでの使命、理由が理解できるようになる。
そうなるとすべてがうまく周るようになり、ボクの描く絵も少しずつ認められるようになっていった。こちらへ来て皮肉な事だがあれほど興味が無く嫌っていた人工知能を使った空間幾何学アートを描くようになっていたボク。
しかも社会に認知された絵もこのジャンルであった。

168 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2007/01/22(月) 16:04:00
『第二東京タワー〔オカンとボクと時々オトン〕』 その4

そんなある日の事「ポーン!!」と脳の中で着信音がして政府のメールが届く。
リーダーソフトに読み上げさせてみる。そこにはボクのこの世界でのランク分けみ直しの通知で、新たに追加された特権がわかりやすく視覚表記の箇条書きで現れた。
あまり例はないらしいのだが無能力者としてこの世界に送られた者であっても、のちにある特異な資質なり能力なりを得たボディレス人間には、国からの多項目の特別権利条項が得られる…と書いてあった。
その中でもちろんボクが目に付いたモノは、ただ1つ。

      復帰権!

「よし!!元の世界に戻れる!!」

そんな頃、現実世界を生きるおかんの身には大変な事が起こっていた。
自治体の健康検査を受けた結果、ガンがみつかり、抽出手術を受けていたのです。
おかんは、ボクに心配かけまいと病状を隠し(といってもボクは、まだ体無しの身)ていた。
手術には成功したものの当然、以前のような生活に戻れないハズ。

昔、同じ学校にいた現実世界の田舎で暮している友達、ボンボンから連絡をもらった。おかんのそんな様子が細かく書かれていた。

ボクは決断をします。すぐに復帰権取得の申請を行う。
モデリング世界で築いてきたありったけの画家としての実績をアピールし短期復帰許可を取りつけます。

肉体を取り戻したボクは急いで実家に向かいました。
まだ新しい人間体の操作に慣れていない私。変な両足のバランスで小走りで駆け出す。九州行きの電磁新幹線に飛び乗り、シートに座りながら、「あっ!!」あっちみたいに一瞬で移動できない事に気づく。
その時、ボクは改めて現実世界に戻ってきたんだと実感をした。

169 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2007/01/22(月) 16:07:35
『第二東京タワー〔オカンとボクと時々オトン〕』 その5

駅から乗り継いだ無人運転のタクシーから飛び降り、生まれ育った小さな町を見渡すボク。
目の前には懐かしい小さな木造の国家住宅。
「おかん!」と飛び込む。
そこには、いつも陽気だったおかんがうつろな眼をして、出迎えます。
すでにおばあちゃんもヨヨギさん(ボクが飼っていた人工生命の模造ペットの名前)も亡くなっていました。

おかんが発病したガンとは、人間の意識に感染、増殖してゆく新種のガンである。この時代、もっとも致死率が高く患者数も多いとされる疾病。
検査でガンが見つかっても、治療医師によるサイコダイブによる抽出手術位しか療法が無いのが現状。
今回、うまく病巣を抽出できた、おかんだが、かなりの部分に致命的な修復不可能な記憶の欠落領域をつくってしまった。

こんな一人暮らしのおかんを心配しボクは、東京におかんをよんで、2人の生活をはじめる事にした。

この病気の治療では一番有名な医療施設に依頼し懸命なリハビリを行ったおかげでおかんの表情にも少しだが昔の笑顔が甦って来てくれた。
一流の国家管理マンションで暮す、ボクとおかんとヨヨギさん2号の生活は、多少の問題もあったが楽しくはじまった。
ヨヨギさん2号とは、昔、ボクが飼っていてすでに亡くなった模造ペットだがボクが仕事の間、寂しかろうと、おかんがバックアップ記憶をペットショップに持って行き、再生してくれた人工生命の事。

おかんは、昔から人間は食べて・寝ることがモットーの人。
これが人にとって一番大事だと言う。
今のおかんもありがたいことにこの部分の記憶は残っていてボクの友人や仕事仲間にいつも温かい手料理を振舞ってくれた。
そのおかげで、東京の国家住宅には、たえず人の出入りがある家になった。

170 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2007/01/22(月) 16:10:32
『第二東京タワー〔オカンとボクと時々オトン〕』 その6

ボクの画家生活は順調で次々と作品が世に評価され認められてゆく。
そんな時、おかんの様子にまたしても意識ガンの兆候がみえだしてしまった。
すべて抽出したはずの意識ガンの再発。おかんは入院することに。

整った素晴らしい医療施設での最新の治療がはじまったが…
サイコダイブ治療の荒っぽく成らざるを得ない方法に、のたうち、苦しみ続けるおかん。
おとんは、時々、九州から電磁新幹線に乗っておかんを見舞いにきます。

1ヶ月を過ぎても、治療の効果はほとんど現れてくれず、おかんのおかんとしての実存記憶は、みるみる失われてゆきます。
記憶の灯火が静かに消えていくその部屋で、ボクとおかんは無音の時を過ごす。
病状はますます悪化して、消灯時間も過ぎた深夜の病室で、ボクとおかんの二人だけ。
おかんは突然、うわ言を言い出した。
「漬けたつけものが冷蔵庫のなかにあるから、なーくん、食べてよ…」

それは、ボクが自分の耳で聞いたおかんの最後の言葉となった。
ボクは必死に叫ぶ。
「おかん、食べるから。だから、おかん、まだ!まだだ!おかん、もう少し…」

そんな様子に耐えきれず、ボクは治療をストップさせてある決断をした。
すぐに通常の病室から統置病棟に移させた。
おかんをこのまま死なす事はできない。おかんを助ける為には異なった意識の統置が必要だった。

            ==========

建設されてからすでに半世紀以上が経過した第二東京タワーは、今もこの現実世界に美しく存在していた。

この日、展望台には、マサミという名の魅力的な大きな目をした女の子が新規配属され案内係として働いていた。
夕暮れになり、展望台の中は自然の美しいオレンジ色で満たされていた。マサミの初日の勤務が終わろうとしていた。
先輩達にあいさつをしていたマサミの前に一人の男、ボクが現れた。

171 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2007/01/22(月) 16:13:52
『第二東京タワー〔オカンとボクと時々オトン〕』 その7

今のボクは空間幾何学アートの画家として社会では、知らない者はいない程の作家となっていた。そして目の前には、魅力的な大きな目をした女の子がいる。
モデリング世界の人工のプログラム人間だった彼女。2016年のモデリング世界でタワーの案内係りをしていた彼女。

ボクは画家として社会的地位をランクアップさせた為に得た特別権利条項を目いっぱい使って政府に強く働きかけた。
プログラム人間に人の肉体と通常権利を与えるように…と。

ボクとの突然の再会に驚くマサミ。こぼれ落ちる涙で少しゆがむマサミの視線は、なーくんの上着のポケットに入っていた、“鼻メガネ”に向けられる。
ボクとおかんの思い出がたくさんつまった“鼻メガネ”をかけて、マサミは、ボクに問いかけた。
「私は…私は、なーくんのおかんと似てる?」と…

ボクはマサミから鼻メガネを外して、見つめて言う。「おかんはおかんや。おかんでしかない。それが、ようやくわかった」

マサミには聞こえないがボクの心にはおかんとおとんの声が同時に聞こえてきた。
「なんや!よーやくわかったんかい!」
ボクは思わず吹き出しそうになり笑みがこぼれた。

マサミも静かに微笑んでいた。あのモデリング世界ではじめて出合った時と同じあの笑顔で。
今、ボクの中には母が居る。ボクの一部として存在していた。あの時、末期的症状だったおかんを助ける唯一の方法とは、おかんの意識を取りこみ融合させるしかなかった。
そうしたことにより、ようやくボクは家族の存在意味がわかった。こうしてボクはボクと真に向き合う事ができていた。
ボクという個人の存在から巣立つ事が出来たのだ。

172 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2007/01/22(月) 16:17:25
『第二東京タワー〔オカンとボクと時々オトン〕』 その8(終)

今、ボクの肉体の中は、にぎやかだ。オカンとボクと時々オトンの意識が共存し楽しく暮している。
そう、オトンもあの後、しばらくしておかんと同じく意識ガン発病という運命をたどり、ボクの意識の中に同居をしたのだ。

          ==========

2066年の1月22日の現実世界の東京、浅草。路面には、朝方から降りはじめた雪がうっすらと積もっていた。
ボクとマサミは外が見たくなってリビングの壁面をそっと触り意思を伝える。指示を受けた壁面だった部分は、みるみる色を無くしてゆき、窓へと変わる。
その窓からは、第二東京タワーが一望できた。
いつもと変わらない姿を見せて立っている第二東京タワーをボクの体の中からオカンとボクと時々オトンは、ずっとずっと眺め続けた。

          ==========

※ボクの友、ヤスのその後であるが、彼はボクからのモデリング世界からの脱出の誘いを断って、今も相変わらずあっち世界に住み続けていて、1980年末のバブルと呼ばれた仮想日本の時代の中でバカ騒ぎをしながら楽しく愉快に暮しているそうである。

173 :ケロロ:2007/01/22(月) 16:49:50

速水もこみち 主演の方の「東京タワー」では無く、少し前に放送された、大泉洋 主演のドラマを参考に(パクって)未来版作ってみました。
ちょっと、あらすじっぽくなってしまいました。すいません。

で…今日も放送される、もこみち版「東京タワー」ですが、私、もこみちさんは無理があるような気がします。ミスキャストではないかと思うのですが…
ちなみに原作本読んでません…

174 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/01/22(月) 17:47:17
なんというか、「東京タワー」はまったく知らないが、
もっと濃度の濃いSFを期待してしまうなあ。
おかんの死と、あとは格好良く幸せな人生か。
結局「東京タワー」に文句つけるしかないんかな。

175 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/01/22(月) 20:31:51
東京タワーをロケットに改造して宇宙に飛び出せばいいんだよ!
「これがあの鉄屑…」
「そうだ!生まれ変わった東京タワーだ!」

176 :ケロロ:2007/01/23(火) 10:56:11
>>174
また意識のデジタルネタで書いてしまいました。

>もっと濃度の濃いSF
今の私には科学知識に裏づけされたしっかりとしたモノは到底無理だ。基本が足りない。
しかも、文章力にしてもダメダメだし。
>>126さんの隊列文法のお話しのようになりたいですが…

>>175
で、放射能に汚染された地球を救うんですね。

177 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/01/24(水) 11:55:44
>>176
「東京タワーは戦車を解体した鉄で作られたものだ。
 つまり、陸奥鉄と同じで放射性物質Co-60を含まないきれいな鉄なんだよ!」
「!!」



「……いや、Co-60は転炉に入れるものなんで、鎔かした時点で含有されちゃってます」

178 :穏やかな日に:2007/01/27(土) 13:33:33
・散歩日和 (1/2)

週末の昼下がり僕はティナに声をかけた
「今日はこれから散歩に行こうと思うんだけど、どうだい?」
ティナはすぐさま満面の笑みでうんっ!と頷いた
はい、ミネラル水だよ
「うんっ」
ティナはそう言ってコップ一杯の水を飲み干した

週末のこの時間は同じように充電目的で散歩する人たちが多いみたいだ
道の向こうから顔なじみの人が歩いてくる
「あっどうも。」
「こんにちは。」
「やぁアルティナさんじゃないですかティナさんもご一緒で、お散歩ですか」
「ええ、まぁ。充電がてら散歩をしようかと思いまして」
「そうなんですか、実は私も同じ目的で散歩をしていたところです」
そういうとそれまで後にしがみついて隠れていたリアルヒューマノイドのイチゴが横から顔をのぞかせる

179 :穏やかな日に:2007/01/27(土) 13:35:07
・散歩日和 (2/2)

「なんだいイチゴ、そんなに怖がることないじゃないか」
ほら彼がいつもお世話になっているアルティナさんだよ、ちゃんとあいさつしてごらん
そういうとイチゴは恥ずかしがりながらもこんにちはとあいさつしてくれた
「今日はいい天気ですねぇ、絶好の充電日和ですよ」
「ええ、まったくです、青空がとてもきれいで散歩のしがいがあります」
「では、私たちはもうそろそろ家へ帰ろうとしていたところですので」
「また今度会いましょう」
「はい、ではまた」
そう言って僕らは道を反対方向に歩いていった

リアルヒューマノイドの動力源は電気エネルギーだ
その電気を充電するのにソーラーエネルギーを利用している
水を口から補充したあと光りを体に浴びれば光電変換で電気に変換して
その電気で水を電気分解する
電気分解で発生した水素を得るためだ
水素はそのままでは扱いが難しいので多孔質のポリマーへ吸着して貯蔵する
必要に応じてこの水素を触媒で電気に変換し使っている
水素の貯蔵量とその減り方はリアルヒューマノイドのタイプによって様々だが
大抵は数週間に1回ぐらい太陽の強い光に浴びさせれば事足りる
電気のコンセントからも充電はできるが電気代をかなり食うのと
ティナと一緒に散歩するのが楽しいのでこうして充電をするようにしている

180 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/01/28(日) 11:42:38
人口調査
いつの頃からか、人類の中にアンドロイドが勝手にまぎれこむようになっていた。
アンドロイドたちは秘かに人々を抹殺して、人と入れ代わっているのだという。
そんなこと、おれには関係がないと思っていたのだが、
ある時、父親が自動車にはねられてみたら、実は中身は配線仕掛けのアンドロイドだったなんてこともあった。
とっくの昔に、アンドロイドは我が家にも侵入してきていたのだ。
そんなアンドロイドの侵略はおれにとって、非常に悩ましい問題だった。
なぜなら、おれは人口調査員だからだ。
「まずいなあ。アンドロイドのせいで、ちっとも正確な人口がわからないや」
おれはとっても困っていた。
それで、知人のジルナのところを訪ねたのだ。
おれはまず、ジルナの頭に針を突き刺すことから始める。
ジルナがアンドロイドかを確認するためだ。
案の定、ジルナはもうすでにアンドロイドに入れ代わっていた。
「くそうっ、おれはジルナが好きだったのに」
「あら、わたしじゃ、ダメなの?」
「おまえはただの機械人形だ。ジルナじゃない」
「あらら、あなただって、機械人形のくせに」
おれは無言になる。
「気づかなかったの? あなたはアンドロイドのために生きた人を探す役割を与えられていた偽者の人口調査員なんだよ。
あなたはとっくに機械人形なの。機械人形の偵察兵なんだよ」
おれは無言のままだ。
「人類なんて、とっくの昔に絶滅していたのよ。気づかなかったの?」
おれは自分の頭に針を突き刺した。結果は、アンドロイドだ。
「もう一度聞くけど、わたしじゃ、ダメなの?」
いつの頃からか、人類という種はアンドロイドに入れ代わり、生態系すべてを機械仕掛けに変えてしまった。
アンドロイドのジルナじゃ、ダメなんだろうか。おれはひどく悩んでしまった。

181 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/01/29(月) 16:11:32
>>穏やかな日に
慌てて書いている印象あり。
とってつけた説明に違和感あり。説明の部分をうまく処理すべき。
主題をはっきりさせるといいお話になると思う。
散歩していると普段考えないような思考をしていたりするので、のんびり散歩をしながら幼いヒューマノイド型アンドロイドと生活している理由などを書いてみたりすると面白くなったりするかも。

>>180
自分がアンドロイドだと分かって、自爆装置が起動しないか心配しないと心配だったりする。

182 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/01/30(火) 04:35:45
>>181
的確なご指摘ありがとうです

183 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/01/30(火) 08:09:06
>>181 「にせもの」には勝てないということですか。やっぱり。

184 :1/2:2007/01/31(水) 17:00:40
とある歴史

一冊の書物があった。
それによると、邪馬台国の女王卑弥呼は中国の皇帝に使者を派遣した際、不死の薬をもらって帰ったのだという。
卑弥呼はそれを一人の村人に試しに飲ませたのだという。
その村人の名は、安部晋三という。
安部晋三はそのまま不死として生き、日本を支配しつづけたのだという。
その書物によれば、聖徳太子とは安部晋三のことであり、不死であることを隠すために、うまやどの王子伝説を捏造したというのだ。
さらに、聖徳太子として暴政をふるった安部晋三は贅を欲しいままにしていたが、やがて、反対勢力に封じ込まれてしまった。
そこで、安部晋三は武力により再び権力に返り咲くことにした。これが大化の改新である。再び、享楽のなかに身を投じた安部晋三は、都で不死として生きつづけた。
しかし、とうとう、短命のものたちに都を追われてしまった。この都を追われた安部晋三こそが、源頼朝である。
安部晋三はかつての自分の領土と戦争を起こし、力づくで領土を奪い返すことに成功した。
こうしてできたのが、鎌倉幕府である。
のうのうと生きていた安部晋三は、ある日、新田義貞なるものの奇襲を受けて、鎌倉を追い出されてしまう。
それで、しかたなく、再び京都に自分の拠点をつくりなおした。これが室町幕府である。

185 :2/2:2007/01/31(水) 17:01:12
安部晋三はずっと遊びほうけていたから、やがて、短命のものたちが反乱を起こした。これが戦国時代である。
安部晋三はどうせなら戦国を楽しもうと、織田信長を名のって、一群雄として戦争ごっこをすることにした。
ところが、ついうっかり仲間であるはずの明智光秀に反乱を起こされてしまう。
しかし、そんなこともあろうかと、安部晋三は自分の替え玉を用意しておいたのであり、これが徳川家康である。
徳川家康とは、ずっと安部晋三の隠れ家だったのだ。
そのまま天下を統一した安部晋三であったが、そのまま三百年間も遊びつづけてしまった。
すると、今度は欧米なるものが日本に進出してきたので、やっとまともに仕事をしなければならなくなった。
そこで、安部晋三は欧米の技術を掠め取る秘策を練ったのであり、その時名のった名が、坂本竜馬である。
真面目に仕事をするのには数年で飽きてしまったため、歴史の表から姿を消すことにした。
すなわち、それが、坂本竜馬暗殺事件の捏造である。
安部晋三は日本を影で支配しながら、大東亜共栄圏をつくりあげる。しかし、これも、アメリカに戦争で負けて失敗してしまう。
そこで、安部晋三は政治家の息子として姿を隠すことにした。その名が小泉純一郎である。
小泉純一郎とは安部晋三だったのである。
安部晋三はすべての歴史を捏造しつづけ、さまざまな情報を操作して、今も日本に君臨しているのである。
これが真実の歴史なのだと、その書物には書いてあった。我々は何かに気をつけなければならない。

186 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/01/31(水) 20:54:00
>>184-185
今のままではムーっぽい。
しょうもないディテールにこだわり、無理矢理なこじつけで笑わせるくらいやらないと

187 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/02/01(木) 08:22:03
>>186 感想をありがとう。
自分で書いてて、自分で笑えてきたんで、思わず投稿してしまった。
ムダにだらだら長かったかと反省している。

188 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/02/01(木) 10:02:02
暴走する機械群

遠い遠い遥か昔。
ある時、太陽系から暴走する機械群が打ち出された。
暴走する機械群は全自動でみずからの材料を探知して、その材料をもとに自己複製を行う。
そして、その星の軌道上までみずからを打ち上げ、天体の軌道に居住区というものをつくっていく。
居住区が完成すると、機械はまたみずからを自己複製して、未開の星めがけて旅行に出かける。
宇宙探査はまずロボットで行う。それが人類の方針であり、暴走する機械群は人類の宇宙探査の先遣隊といえた。
暴走する機械群はあっという間に星々を制圧していったのであり、数百万年で天の川銀河を制圧してしまった。
その後も数は増えつづけ、よその銀河へ向かってランダムに自分たちを打ち出しつづけた。
もはや、天の川銀河の支配者は暴走する機械群だといえた。
なんでも、その居住区に少しづつだが人類が移住しつつあるのだという。
非常にゆっくりと、人類は太陽系から進出していた。
「なあ、いつ来るの人類」
とある星の知的生命体が機械にたずねる。
「さあ、移住すんの、さぼってんじゃねえ」
と、暴走する機械群が答える。
それぐらいに人類の移住はゆっくりだった。
これが人類の求めているファーストコンタクトの要約だといってよい。
地球外知的生命体がであったのは、暴走する機械群であって、人類ではなかったのだ。

189 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/02/16(金) 08:52:08
幸福の温度

通り抜け禁止
カズオのすぐ横を延々と走るフェンスには、そんな看板が架かっていた。
金網の目は小学生のカズオでも両手が入らないくらいに小さいのに、一体誰がここを
くぐり抜けられるというのだろうかと、カズオはいつも不思議に思っていた。
延々と走るこのフェンスには終わりがない。少なくともカズオの知る限りでは、
このフェンスに終わりはなかった。そうして、カズオの生まれた時から立っているこのフ
ェンスの向こうは、カズオにとっては全くの未知の領域である。金網越しに向こうの世界
をのぞきながらいつもカズオはこんなことを考えていた。
「向こう側にいけたらなぁ」
カズオの腕には細かい擦り傷がたくさんできていた。古いものもあれば新しいものもある。
それは、こちらの世界がカズオに見せた残酷な一面を象徴していて、カズオはこちらの世
界についてもその顔しか知らなかった。やせっぽちの胸に視線を落としながら、そこに詰
まった切実な願いをカズオは、今度は口に出して言った。
「向こう側にいけたらなぁ」
カズオの顔を黄昏の火がピンク色に染め上げた。しかし気持ちは晴れなかった。

フェンスができ、あちらとこちらに世界が分かれたのは、本当に些細な問題からだったが、
些細なだけに人々はこだわり、分裂は明確なものとなった。肌の色が違うだけで、殺しあう
人間の気質からいけば、こんなことになったのもしょうがないのかもしれない。
人死には出たが、対立ではなく、分裂で済んだ分まだ理性的だったといえようか。
その分裂は、ある研究者の発表したこんな論文に端を発していた。

コタツを愛好する人間は、コタツを使わない人間に比べ、生涯の仕事量が半分以下である。

本来一笑に付されるべきであったこの論文は、あるバラエティ番組が取りあげたことにより、
その正否が確かめられるよりもはるかに速い速度で、国民の間に知れ渡った。

190 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/02/16(金) 08:53:39
噂が噂を呼び、そして、人口を渡る度に、それは姿を変え歪められていった。
「コタツを使うと馬鹿になる」「知能の低い奴はコタツを好む」「コタツを好むものは知性
がなく人間とはいえない」「半コタツ人間」「恐怖、寄生するコタツ型生物」
これらの風聞を信じるものはさすがに、ほとんどいなかったが、それらはコタツ好きに対する
不信感を生み出し、やがて、コタツ好きとそうでない人々の間には何か見えない壁のような
ものが生まれた。様々な都市伝説や、両者をなじったジョークが生まれ、浮ついた雰囲気の
中、分裂の芽はしっかりと育っていき、きっかけさえあればそれは今にも爆発しそうなほど
にまで成長していた。

「お隣引越しの時にコタツを部屋に運んでいましたよ」
「kkkに連絡を入れよう」
この一本の電話が分裂の鐘を鳴らすことに鳴った。翌日の朝には新聞配達員が庭先に出ていたコタツを不審に思い中をのぞき、コタツの中で干乾びて死んでいるコタツ愛好家、二名の
遺体を発見した。遺体にはコタツ嫌い解放軍(kkk)の犯行声明が貼り付けてあった。
これに対し、コタツがベスト教会(kgb)はすぐさま反撃に出ようとしたが、内部での
意思統一がままならず、何度もコタツで会議を開いていたためにそのあまりの居心地の
よさに初動で出遅れてしまった。そのうちに、コタツ急進派は独自に行動し、フェンスを
作って外界と決別し、フェンス内をコタツの火と呼び建国声明を発表した。以下抜粋

我々は言われなき差別にはもう耐えられない。しからば自らをフェンスで囲み、コタツの
希望の火として、その周縁部にて、オコタにあたる同胞たちに、謹んで暖を提供する次第
である。この火は命の火である。来たれ同士!コタツに汝の火をくべよ。しからばこの我を
囲う金網は汝らの火を容れ膨れ上がり、やがてはこの国を包み込むであろう。
しかる後に、我々は世界のコタツの熱源となり、世界はコタツのうちに幸福に統治される。

ここにおいてコタツ人たちは、コタツ自治区に退去して押し寄せ、それはおよそ日本の総人口
の半分ほどにもなった。そうして膨れ上がったコタツ自治区は日本をフェンスで東西で
真っ二つに分断し、今に至るのである。

191 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/02/16(金) 08:55:07
もっと様々なことがあるにはあったが、三千年たった今ではそれらは完全に過去のことであり、
神話と変わりがなく、フェンスの向こうはタブーとして忘れ去られている。
そんな時代にカズオは生きていたのだ。

夕日を見ながら、カズオは考えていた。あちらではみんな何をしているのだろうか。
はるか昔にあったコタツというモノに、家族がみんなで座って、楽しげに暖かな雰囲気で
話をしているに違いない。だからいつもあちら側には誰もいないのだ。
カズオは毎日このフェンスに沿って歩いていたが未だにコタツ人を一人も見かけてい
なかった。だからカズオは一人も見かけないのは、みんな仲良しで一緒にいるからだ
と勝手に考えていた。それは幸福な想像だったがそれだけに孤独なカズオにはつらい
ものがあった。
「おーい。僕も仲間に入れておくれよぅ」
カズオは力いっぱい叫んだ。フェンスの向こうは閑散として人影はない。叫んでみると胸の
うちはますますきゅんと痛くなり、そのためにカズオはますます叫ばずにはいられなくなっ
た。カズオは毎日叫んでいた。きっといつか迎えに来てくれるはずだ。
コタツ人はきっと眩しく光っていて、暖かい。それに何より、彼らなら、僕をぶちはしない
だろう。いや、ぶたれたってかまうものか。
「おーい。おぅーい」
返事はなかった。重い失望の色がカズオの顔を暗いものにした。うつむき冷たい涙を流した。
この失望には慣れてはいたが、つらくないものでもない。

192 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/02/16(金) 08:59:08
どれほど泣いていたろうか。
ふとカズオは周囲が明るくなり始めていることに気づいた。おかしなことだった。
これから日が落ちていくというのに地面は燃え立つばかりの色をしていた。
これは、これは。カズオは顔を上げることができなかった。コタツ人が来てくれた。
僕を迎えに来たんだ。
カズオは顔を上げることができなかった。コタツ人は確かにカズオの前にいたのだが、
カズオは結局、最後までその姿を見ることはなかった。

その日、人類は燃え尽きた。
コタツ人は三千年の間に建国宣言を実現するために、人類とは違った存在に進化していた。
それは人工的な進化であった。自らの体を火に変えたコタツ人は今日このときに、世界を
照らすに十分な人口になったと悟った。そうして次々に融合したコタツ人は世界をコタツに変え
焼き尽くしてしまった。後にはなにも残らなかった。コタツ人たちも、拡散し、
消え去ってしまったのだ。意図せずしてコタツ人達は人類を滅ぼした。そうして、消えていった。
彼らにはすでに思考する力はなかったのだ。だから結局、このときカズオは死んでしまったのだが、
ことカズオに関して言えば、人類にコタツ人達を責めることはできないと思っているだろう。

とにもかくにもカズオはコタツ人達のおかげで、初めて本当の涙の温度を知ったからだ。
人々の決して与えてくれなかったそれは、とにかく、暖かかった。

193 :ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2007/02/16(金) 12:04:36
>>189-192
「幸福の温度」楽しめました。いい加減SFとでもいうのかストーリーの強引な飛躍が妙に面白かった。

>コタツを愛好する人間は、コタツを使わない人間に比べ、生涯の仕事量が半分以下である。

>コタツを使うと馬鹿になる。知能の低い奴はコタツを好む。

妙に納得!私もコタツ人間です。

次回作期待です!



194 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/02/16(金) 16:46:46
総じてつ〜ま〜ん〜ね〜

195 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/03/04(日) 08:29:33
2ちゃん短編SF大賞を設立しようって声があったけど、
このスレのなかでいちばん面白いSFをだれか選んで決めてくれないかな。
そうすると、がぜん、やる気がでるんだが。

196 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/03/07(水) 07:36:40
http://ip.tosp.co.jp/BK/TosBK100.asp?I=jung011&BookId=3

オリジナルなつもりだがなんかレッドドワーフっぽくなった

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